報告しよう
「皆無事だったか」
あれから王都に集結した俺たちは全員の無事と事の詳細の確認をしていた。
「はい。シロー様も無事で何よりです」
ミリーが俺に笑顔を向けてくる。ティカはさっきからチラチラとネミリアの方を見ている。
「ああ。んじゃまずは事の詳細を確認する前に……ネミリア」
すると俺の一歩後ろに控えていたネミリアが前へと出てくる。
「ネミリア・ウィンストよ。故郷のルソトを燃やそうとした奴らを潰すために来たわ。よろしく」
「ネミリアにもチームに入って貰おうと思っているから、ソロ活動の成果の報告も兼ねて互いにギルドカードを見せ合おう」
俺の言葉に皆が頷く。
「なら新人の私からね」
そう言ってまずはネミリアがギルドカードをオープンさせる。
名前:ネミリア・ウィンスト(ダークエルフ)
年齢:142
出身:ルソト
所属:アステリ
tpt:12万
Fリスト:48
ランク:D
チーム:なし
二つ名:なし
称号:精霊使い
「なら次は私ですね」
続いてミリーがギルドカードをオープンさせる。
名前:ミリー・サウノーズン(竜)
年齢:526
出身:ドラゴア
所属:シロー様
tpt:150万
Fリスト:24
ランク:C
チーム:救いの手
二つ名:なし
称号:竜神の娘
「りゅ、竜!?うそでしょ!?」
「お前所属変えろや!!」
俺もネミリアも思わず驚いてしまった。驚いた内容は全然違うけれど。次にティカが元気よくギルドカードをオープンさせる。
名前:ティカ・ファーフード
年齢:16
出身:ガルト
所属:アステリ
tpt:3億
Fリスト:246
ランク:B
チーム:救いの手
二つ名:なし
称号:ファーフードの一族
「なら次は私か…」
何故か暗い面持ちでシャルビィがギルドカードをオープンさせる。
名前:シャルビィ・ルーラン
年齢:18
出身:ミリセンブルク
所属:アステリ
tpt:4千万
Fリスト:10
ランク:S
チーム:救いの手
二つ名:鮮血の舞姫
称号:裏切りの一族
「んじゃ最後は俺かな」
名前:シロー・タチバナ
年齢:18
出身:異世界
所属:アステリ
tpt:1千万
Fリスト:6
ランク:A
チーム:救いの手
二つ名:最速王
称号:神の希望
「……………は?」
俺のギルドカードのあまりの異質さにネミリアがフリーズしてしまっていた。それを見てティカがネミリアの肩をとん、と叩く。
「気持ちは分かるわよっ。でも師匠は化け物だから気にしたら負けよっ!!」
右拳をグッと握りティカが力説していた。化け物とか酷いだろ。というかそんな力説すんな。
「シロー様、この二つ名の<最速王>って何ですか?」
「ああ…これは俺が受けた依頼を即行で片付けてたらいつの間にかついてた」
「なるほど。さすがシロー様ですね」
ミリーは何故か自分の事のように喜んでいる。
その後、全員ネミリアとFリストを交換し、事の詳細を報告しあった。シャルビィが最後まで暗い顔をしていたが原因は何か分からなかった。
「さて…これから俺らはどう動くべきか」
すると真っ先にティカが手を挙げて発言する。
「はいはい!あたしは王都騎士団にいるスレイターお兄様に会いに行くわ!」
そういえばティカには兄がいたんだったな。剣の腕を買われ王都騎士団に入団したとか言ってたし。本来、次期当主であるティカの兄が騎士をしているのは可笑しな話だ。恐らく当主として泊をつけるためなのだろう。実績があれば民も安心するしな。
「そうか。ならミリー、ティカに着いて行ってくれないか?」
「はい、わかりました」
ミリーもすんなり了承する。ティカも特に何も言わないので大丈夫という事だろう。
「私はもう少し情報を集めたいわ」
次はネミリアが意見を述べた。するとそれに意外にもシャルビィが答えた。
「なら私も同行しよう」
「あら、ありがとうね。シャルちゃん♪」
「ちゃ、ちゃん付けは止めてくれ…」
シャルビィが顔を青くしながら懇願していた。
「なら俺は単独行動かな。ちょいと気になる奴もいるしね」
「気になる奴?」
「ああ、上手くいけば大きな力になるかもしれないし」
「シロー様…一応聞きますがそのお相手は男性の方ですよね?」
「……………ソダヨ」
「間がありましたよシロー様!女なんですね!?」
ミリーはわなわなと震えている。ティカからは白い眼が向けられている。シャルビィは溜め息を吐いて肩をすくめている。ネミリアに至っては笑っている。
「ま、まぁとにかく重要な人物って事だよ」
迫ってくるミリーをなんとか落ち着かせる。
「………まぁいいです。シロー様を信じていますから」
とあからさまに信じていなさそうな顔で言われたが蒸し返すのも嫌なのでそれには触れないでおいた。
「今日は皆も疲れただろうからゆっくり休もう。以上、解散!」
俺がそう言うと皆バラバラと自分の部屋へと戻っていく。俺はそれを見送ってからベッドに倒れ込んだ。まだ寝るには早いがとりあえず仮眠だ。夜中にここを抜け出しても大丈夫なようにな。




