方向性
ハネネと名乗った少女はこちらをジッと見つめている。照れるぜ。
「ああ、俺は橘四郎だ。よろしく!」
爽やかな笑顔と共に手を差し出す。しかしハネネはその手を握り返さずに首をかしげている。
そうか。この世界に握手の文化はないのか。差し出した手を戻すが、なんか恥ずかしい。
「シロー様ですか…。よろしくお願いします。それでシロー様はどうしてこのような草原にいらしたんですか?」
「様なんて付けないでシローでいいよ。俺もハネネって呼ぶし」
「そうですか?私としては恩人ですし。せめて間をとってシローさんでどうですか?」
「まぁそれならいいよ。…んで、俺がここに来たの理由ってのは……」
何か素敵な言い訳を考えろ。この世に受け18年。その18年の中で今が一番考えてるだろうと言っても過言ではないくらい考える。
「来たのは?」
「……き、君がピンチになるって知ってたからさ!」
自分で言っておいてアレだが最悪の誤魔化しだ!悪くて犯罪者、良くてもナンパ師にしか見えない。ハネネがジッと真偽を確かめるかのようにこちらを凝視している。とりあえず今は真摯に見つめかえすのが一番だと思い、俺もハネネを見つめる。
か、可愛い!年齢は俺よりもいくつか下だろう。小柄で150くらいの背丈に腰まで届く黄金の髪。そしてそれに合わせるように輝いている黄金の双眸。かといってキツい顔立ちではない。どちらかというと眼は少し垂れており、周りの者に安らぎを与えるような優しい顔だ。ちなみに胸も大きい。そっちを凝視するのはあまり失礼だからマジマジと見たりはしないが。
「あ、あの…シローさん、そんなに見つめられると……」
いつの間にかハネネの可愛さにトリップしていた俺は現実へと引き戻される。
「…ああ、すまない」
「い、いえ…」
ハネネは頬を染めて照れた様に下を向く。
それから少ししてから上を向いたハネネが俺に話しかけて来る。
「シローさんは何かワケありのようですね。助けてくれたお礼に良かったら村まで案内しますよ?体中ベタベタだと気分が悪いでしょうし」
どうやら俺はハネネに対する認識を改める必要があるらしい。稀少なロリ巨乳というだけではなく大分頭もいいようだ。
というか、いつの間にハネネをロリ巨乳なんかに分類したんだ俺?いや、仕方ない。これは男の性だ。
「あの…シローさん?」
「…んお!いやすまない。ちょっと考え事しててな。じゃあとりあえずコルク村に案内してくれないか?」
「はい!」
ハネネは満面の笑みで頷いた。
こうして俺はひとまずコルク村を目指す事にした。




