家の中
結局夜になるまで歩いてからその日は俺が造った家で寝る事となった。
「<オープン>」
扉を出現させて俺たちは中へと入る。するとティカが入った瞬間に宣言する。
「あたしは一番広い部屋貰うわ!」
「はいはい。部屋は全部三階にある。一番広いのは一番奥の部屋だ」
「行ってくるわ!!」
そう言ってティカはバタバタと階段を登って行ってしまった。行動がまるで子供だな。
「お前らは部屋の希望とかあるか?」
「私はシロー様の隣の部屋が…」
「私は特にないな。部屋が貰えるだけでもありがたい」
という訳で結局、部屋は階段側から俺、ミリー、シャルビィ、ティカとなった。まだ三階にはあと何部屋か余っているので仲間が増えたらそこを使ってもらえばいい。
「他の階には何があるんだ?」
「二階には台所にリビング、客室がある。一階には風呂と修練場。地下には倉庫と工房。三階の各部屋にはテラスとトイレがついている。屋上なんかもある」
「テラスとか屋上って…異次元なのに外とかあるんですか?」
「ああ。基本は扉を開いた場所の風景が見える。見えるだけで干渉は出来ないがな」
別次元といっても別の世界に行っている訳ではない。同じ世界の別の次元にいるのだ。分かりやすく言えば幽霊みたいな感じだ。こちらから干渉出来ない代わりにあちらからも干渉出来ない。
「へぇ~、凄いですね~」
「どうも。お前らも寝る前に風呂とか入ってきたらどうだ?」
「そうだな。行ってくる」
「一緒に洗いっこしましょうねシャル♪」
「え…いや、それは…ちょっと…」
「いいからいいから」
と男にとってはムフフな会話をしながら二人は風呂場へと向かって行った。ここで誘惑に負けたら俺はシャルに惨殺されるだろうから覗いたりはしないが。
俺は三階へと登り、自分の部屋に入る。すぐにベッドに飛び込むようにして倒れ込む。すぐに睡魔は訪れた。
「シロー様、晩御飯の用意が出来ました」
ドアがノックされ外からミリーの声が聞こえてくる。俺は眠りから引き戻され、気だるさを残したまま立ち上がる。
「ああ、今行く」
扉を開けて、リビングへ向かう。隣にはミリーがいる。
「風呂どうだった?」
「はい!すっごく気持ち良かったです!私、水竜なんで水浴びとかお風呂大好きなんですよ」
嬉しそうに語るミリーにつられてついつい俺も嬉しくなる。リビングに入り、席につくとそこにはもう全員揃っていた。
「ティカも風呂入ったのか」
「ええ、師匠も早くお風呂に入った方がいいわよ」
「いや俺にはこれがある。<浄化>」
一瞬、全身が白くなり自らに<浄化>を掛ける。これは汚れなら何でも浄化してくれる便利な神技だ。風呂いらずの優れもの。
「師匠…それは…」
「ちょっとアレですねぇ」
「うむ、アレだな」
三人は俺をジト目で見ながら口を揃えて言う。
「「「能力の無駄使い」」」
何も言い返せなかった。そもそも男は女に口論では勝てないように出来てるしな。事実、姉貴たちにも俺は口論で一回も勝てなかったし。弟には勝てたが。
「んじゃ、いただきます」
俺は手をあわせて言う。するとティカはこちらを見ながら聞いてきた。
「そのいただきますって何?」
「これは飯を食う前に飯を作ってくれた人や食材に感謝を示す的な何かだよ」
「的な何かっててきとーね。まぁいいわ、いただきます!」
ティカが俺を真似するように言った。するとそれにシャルビィとミリーが続いた。
「「いただきます」」
そして四人で飯を食ってその日は幕を閉じた。




