チーム結成
「問題はチーム名を何にするかだな」
するとティカが真っ先に手を挙げて言う。
「はいは~い!!あたし的には『ティカ様と愉快な師匠たち』が…」
「却下」
「なんでよっ!!」
ティカは無視して話を続ける。次に挙手したのはミリーだった。
「『シローとドキドキハーレム』なんていか…」
「却下」
「そ、そんな…」
ミリーが愕然とした表情を浮かべしゃがんで地面にのの字を書き始める。
「『乙女部隊』はどうだ?」
シャルビィがキラキラさせた瞳で語ってきた。
「そもそも乙女でも部隊でもないし」
「何っ!?私は乙女だぞ、失礼な!!」
「いやシャルじゃなくて俺が乙女じゃねーんだよ!!」
「ああ、なるほど」
どうやらシャルビィは納得したようだ。それにしてもさっきからマトモな案が一つも出てこないな。
「さっきから偉そーにしてるからにはさぞいい名前があるんでしょーね!」
「そうだなぁ。『シローの最強傭兵団』とかどうよ」
「「「却下」」」
撃沈。
「なら『救いの手』というのはどうだ?」
シャルビィからついに初のマトモな意見が出た。
「何か意味はあるんでしょうか?」
ミリーがシャルビィに名前の由来を問う。ティカは黙って耳を傾けている。
「救われたからだ。シローに。それはお前達も同じはずだ」
シャルビィは裏切りの一族としての呪いを祝福に変えて貰った。
ミリーは失ったと思った大切な人たちをもう一度抱き締めることが出来た。
ティカは今まで無いと思っていた居場所が本当はあることを教えてもらった。
彼女たちは救われたのだ。橘四郎というたった一人の人間に。
「それに私は裏切りの一族。ミリーは竜。ティカは貴族。シローに至っては異世界人ときたもんだ。たとえ種族が違っていても、身分が違っていても、世界が違っていても、私たちは分かり合える。全員を救うことは出来ないかもしれないけど誰でも救うことは出来る。故に縛られない私たちは誰かを救う手になることが出来る。だから『救いの手』だ。それに最終的に世界も救わないといけないらしいからな。どうだ?」シャルビィはゆっくりと俺たちを見回す。
「私は賛成です」
「あたしもよ!!」
「俺もだ」
こうして俺らのチーム名は『救いの手』で決定となった。
その後、チームを登録した俺たちは今後どうするかについて話し合った。
「あたしはバロックがいい!!おしゃれの街だし~」
「私は王都アステリだな」
「私はシロー様の行く所ならどこでも」
三人がそれぞれの意見を述べる。選択肢は二つだ。おしゃれの街バロックか王都アステリ。王都っていうことは国の中心だし、もしかしたら美人の王女さまとかいるかもしれない。
よし王都アステリにしよう。決してやましい理由で選んだ訳ではない。
「王都アステリにしよう」
「ええー!!なんでよ~」
「おしゃれの街に行ってもしょうがないだろ」
「………確かに」
行き先は王都アステリに決定した。こっからは各自バラけて旅に必要なものを揃えることとなった。




