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白の完全無欠  作者: 広瀬コテツ
ギルド編
43/105

作戦会議


 あの後すぐに騎士団と合流した俺らは一旦城へと戻っていた。そこからすぐにヒントは事の概要を当主に説明。俺たちは作戦会議のため城の一室に集合していた。

「それで一体何がどうなっているんだい?」

そう穏やかに問い掛けてくるのは現ファーフード家当主、つまりティカの父親だ。身長が低く威厳があまりない。何故かタンクトップのような服を着ている。その脇に座っているのはティカの姉であるウルリア・ファーフード。当主の右腕でも呼ばれている才女だ。恐らく母親似なのだろう。身長が高く銀髪で薄紫の口紅をしている。彼女はこちらに疑わしげな視線を見せてくる。

「報告でも聞いていると思うがティカとミスティオが謎の影に捕まり操られている」

「おい。お前当主様の前だぞ!敬語使え」

小声で怒るという奇妙な技で俺を叱るヒント。

「いやぁ。別に敬語とか気にしなくていいよ」

当主は聞こえていたらしく何故か照れながら返答した。大の大人(タンクトップを着ている)がモジモジしている。気持ち悪い。よく見るとそのタンクトップには「君と見る夕日」という文字が書いてある。ズボンは虹色のものをはいているし、裸足で靴をはいていない。なのに毛糸の手袋をしている。

「ごめんなさい。お父様のセンスは少しズレているの」

俺が当主をガン見しているのに気付いたのかウルリアが言った。もちろんウルリアのセンスは至って普通である。

「そうかい?僕自身はなかなかイケてると思うんだけどねぇ」

当主が自分の服装を見て首を傾げている。こればっかりは他の人も弁護する様子は見られない。

「話を戻すぞ。まずはあんた等に俺が見た記憶を共有させる」

そう言って記憶の<共有>を発動させる。部屋中が一斉に静かになる。

 しばらくして俺の記憶を見終わった人たちが顔を青くしている。

「まずこれが知りたい。あの影は魔物か?」

「僕の知る限りあんな魔物いないねぇ」

「俺も知らんな」

「私も知らないわ」

三人が否定する。残った騎士たちも口々に否定する。ならばあの影は新種、亜種、もしくは全く別の生き物かもしれない。

「そうか。解決策はあると思うか?記憶を見て分かる通り生半可な攻撃は通用しない。しかし強すぎるとティカたちごと殺してしまう」

「うーん。普通の魔法が効かないなら祈祷魔法はなんかどうかな」

「祈祷魔法?」

「うん。これはマイナーだからあんまり知られていないんだけど神様の力をかりて魔族や魔物を封印したり、負の力がたまった場所を浄化したりする魔法なんだ。まぁ厳密には魔力じゃなくて神様の力を使うから魔法とは言い難いんだけどね。当てはまる属性もないし」

なるほど。俺が前に子どもたちの魂を封印したのもこの祈祷魔法に属する訳か。

「なるほど。この中に祈祷魔法が使える者はいるのか?」

「微力ながら私が」

ウルリアが名乗りをあげる。ウルリアの得意魔法は風と祈祷だそうだ。

「危険だぞ?」

「大丈夫よ。可愛い妹を救うためなら多少の危険くらい関係ないわ」

ウルリアは覚悟を決めているようだ。ならこれ以上俺には何かを言う権利は存在しない。

「人数はあまり多すぎるのも良くない。メンバーは俺、ミリー、ヒント、ウルリアだ」

「わかったよ。なら他の騎士にはいつも通りにしていてもらおうかな。僕たちの不安が街人たちに伝わるのは避けたいからね」

『ハッ!!!』

当主の言葉にヒントを除いた騎士たちが一斉に返事をする。どうやら当主はただのダサい奴ではなく頭がキレるようだ。

「行くぞ」

ウルリアには街中で目立たないようにフードを被ってもらい俺たちは出発した。


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