キャラが違う!
後日、俺たちは孤児院の前にいた。
竜の女、ミリー・サウノーズンは子供たちに別れを述べていた。
「みんなちゃんと元気にやっていくのよ?」
必死に涙を堪えながら笑顔で想いを伝える。
「うん…。大丈夫だよお姉ちゃん!」「わ、私も…頑張る!!」
子供たちも泣かないように空元気で答える。その声にはミリーに心配をかけないようにという配慮が感じ取れた。純粋に優しい子供たちなのだろうと思う。そしてそんな子供たちを育てたミリーも。
「じゃあね、みんな…」
そう言ってミリーは子供たちに背を向ける。その途端に彼女の瞳から涙が溢れる。子供たちもミリーが背を向けると涙を流し始めた。
「ばいばいおねえちゃん!!!」
彼女はきっと分かっている。これが今生の別れではないことを。だから振り返りはしない。
「行きましょう」
強い瞳で俺たちに語り掛ける。俺は無言で頷き歩き出す。一歩遅れて涙目のシャルビィもそれに続く。てか意外に涙もろいんだなシャルビィは。
「ミリーは子供たちと別れて本当に良かったのか?」
「ええ…。私がそばにいたらまた巻き込んでしまうかもしれません。そんな事は許せません」
「そっか…。ならこれからどうするんだ?」
その質問にミリーがフフフと不気味に笑う。そうして俺の腕に絡みついてくる。
「そんなのシロー様について行くに決まってるじゃないですか」
何が嬉しいのかミリーはニコニコしている。シャルビィはミリーの突然の行動に目を白黒させている。
「ミリー、お前何を…」
「何って愛しのシロー様に絡まってるんですよー」
「い、愛しの…!?」
シャルビィが俺以上に取り乱しているので俺は逆に落ち着いていた。てかミリーってこんなキャラだったっけ?
「そうですよ~。シロー様は私の救世主ですから☆」
キラリンとウインクするミリー。今やガルトで一番目立つ三人組だろう。この地方には珍しい黒眼黒髪の俺。裏切りの一族と呼ばれているシャルビィ。頭から立派な一本角が生えている竜のミリー。まぁ大抵の人はミリーが竜だとは分かっておらず、亜人だと思っているだろう。それでも亜人はそれはそれで目立つが。
「じゃ、ミリーも今日から仲間ってことで」その言葉にミリーは嬉しそうに顔を輝かせる。
「ならならFリスト交換しましょうシロー様!………あ、シャルも」
「何かついでっぽいし私だけ呼び捨てか!?」
「そうだよ。別に俺に様なんて付ける必要ないぜ!」
「いいえっ!そんな訳にはいきません。そこだけは如何にシロー様といえど譲れません!!」
「…あ…さいですか…」
あまりの迫力に思わず畏縮する俺。さすが竜だな。この俺を黙らせるとは。
「う~ん……別にハーレム成分はいらないんだがなぁ…」
このままではエロファンタジーになってしまうよ。俺が目指しているのはファイナルなファンタジーなんだよっ!とまぁ新しい仲間に結局テンション上げ上げの俺だった。
俺ら三人はとりあえずギルドに行ってミリーのギルド登録とゴキブリン討伐の報告をすませた。もちろんゴキブリンの素材とコルク村で倒したデカブトムシ(正確にはJビートル)の素材の換金も忘れなかった。
「それではFリスト交換しましょう」
そう言ってミリーが俺らにギルドカードを差し出す。
名前:ミリー・サウノーズン
年齢:526
出身:ドラゴア
所属:シロー様
tpt:50万
Fリスト:20
ランク:F
チーム:なし
二つ名:なし
称号:竜神の娘
「竜神の娘だと!?位は高いと思ってたが凄いな…」
感心しながらもシャルビィは自らのギルドカードをミリーに見せる。
「いやそこじゃねーだろ!明らかにおかしい所あんだろ!?」
「年齢ですか…?竜族は基本何千年も生きるので私はまだピチピチですから安心して下さい!!もちろん生娘です!」
「ちげぇよ!!…い、いやそこも確かに気になってはいたんだが…所属だよ!!所属シロー様って何だよ!?ガルトじゃねぇの!?」
「私の居場所はシロー様の元ということです。問題はありません!」
結局、宿に戻るまでガヤガヤと騒ぐ俺たちだった。




