解説
さんざん泣き続けた女は今は泣き止んでこちらを向いている。子供たちはまだ一度も目覚めていないが全員から寝息が聞こえるので大丈夫だろう。
「さて、説明してもらおうか」
シャルビィの言葉に女もコクコクと頷く。どうやらもう先ほどまでのような敵意はないようだ。
「説明って何を?」
「全部だ!!」
一応さっき説明したつもりだったんだが…。もう少し詳細を話せという事なのだろう。ここで断ってもロクな事にならないと分かっているので話すことにする。
「まずあのオールバックの男がいきなり魔法を子供たちに放った」
「ああ。お前はそれを迎撃しようとして…」
「まずそこが違う。俺はそこで子供たちの魂を御札に封印したんだ」
「つまりあのオールバックの男が魔法を放つよりも先に魂を回収したのか?」
「いやオールバックの魔法の方が早かったよ」
「なら間に合ってないじゃないか。もしかしてあの世に行く途中に魂をかすめ取ったのか?」
「それも違う。ならまず何でオールバックの男は何回も魔法をかけたんだと思う?」
「それは…より確実に殺すためだ」
「そう!つまり子供たちは一撃目では死んでなかったんだよ。確かに致命傷で助からない程の傷だったが即死ではなかった。放っておいても子供たちは確実に死んでいただろうが竜に回復させられる恐れがあったから致命傷を負った子供たちに更に追撃をかけたんだ」
「だからオールバックの男の魔法の後でも魂が回収できたのか…」
「そゆこと。どれだけ致命傷だろうが生きてれば封印出来るからね。ていうかむしろ弱ってた方が魂を引き離しやすいしね」
「なるほどな…。あの一瞬でそれほどの事を…。ってちょっと待て!」
「ん?」
「ならわざわざ竜と戦う必要無かったんじゃないか!?」
その言葉に竜である本人もコクコクと頷いている。
「あったよ。ならお前は言えるのか?大切なものを傷つけられた人に生き返るから怒るなよって」
「それは…」
そうだ。だから俺は戦ったんだ。いくら回復させられるといっても目の前で大切なものを傷つけられたのだ。誰だって怒るし悲しむ。実際、あの時俺がすぐに子供たちを回復させても女の怒りは収まらなかっただろう。
「子供たちだけでも、竜だけでも駄目だったんだ。どちらも助けなきゃ意味がない」
俺はそれだけ言い切って横になる。
今日はもう疲れた。そう思い俺は瞼を閉じる。すぐに睡魔は訪れた。




