竜神戦2
目の前に迫る氷の竜巻を前に俺が取った行動は動かないこと。
『潰サレロ!!』
<魔>と<武>の出力を更に上げる。すると全身を覆う鎧の色が漆黒から黒に近い灰色へと変わる。俺が出力を上げ終わるのと同時に氷の竜巻が襲って来た。直撃した瞬間吹っ飛ばされそうになるが地面に足を食い込ませて耐える。全ての氷の竜巻が俺を通過した。もちろん俺は無傷だった。
『ナッ!?』
これには竜もさすがに驚いたみたいだ。俺は<武神化>を解く。
「<魔神化>!!」
先ほどとは全く逆の魔法。<武神化>が<武>の上にさらに<魔>を纏って具現化させるのならば<魔神化>は<魔>の上に<武>を纏って魔法そのものの力を上昇させる。故に<武神化>のような目立った変化はない。ただ俺の瞳が黄金色に輝くだけだ。
吹き荒れる俺の強化された<魔>はすでに竜の<魔>をも超えていた。
竜神はそれに対抗するかのように雄叫びを上げてさらに<魔>を纏っていく。
俺と竜の互いの膨大な<魔>同士が衝突して嵐が吹き荒れる。足に<武>を纏って最低限飛ばされないようにする。<武神化>と<魔神化>の同時使用は無理なので先ほどまでのような肉体に依存した戦い方は使えない。
竜が<白い息吹>を吐き出す。それに俺も<白い息吹>で対抗する。冷たいどころか凍り付くような冷気が周囲に撒き散らされるが気にしている暇はない。
<白い息吹>と言いつつも俺はそれを右手で放出しながら次の対策を練る。もしこの竜を殺すだけならゴキブリン相手に使った<シュレーディンガーの猫>や<楽園の炎>を使えば事足りる。だが殺さないで倒すというハンデがある以上必然的に魔法もあまり強力なのは使えない。ギルドのクエストも基本、討伐より捕獲の方が難しい。
「<影人形>!!」
すると俺の影をかたどったかのような人形が出現する。それも竜を取り囲むように数百体。
それと同時に俺は一度後方へと下がる。影人形たちが一斉に竜へと襲いかかる。竜はそれを翼や尾で次々と潰していく。すると潰した影人形は液体となりそれが翼や尾に付着する。
「<影縛り>!」
その魔法に竜が身動きを取れなくする。本来、この程度の魔法では竜をわずかにでも足止めすることは出来ない。これは<魔神化>で魔法を圧倒的強化しているからこその芸当だ。
しかしそれでも竜の活動を制限を出来る時間は極短い。そのチャンスを逃さないように両腕を構える。
「<大地の左腕>!」
大地が隆起し巨大な腕が現れる。その腕は竜の方へと放たれる。竜は<氷柱息吹>で迎撃するも効果はない。
そのまま<大地の左腕>は竜に直撃する。竜はたまらずに後方へと吹っ飛んでいった。




