シャルビィ・ルーラン
「ぶっ殺す!!」
そう言って男が突っ込んでくる。俺はそれを軽くかわす。いきなり物騒だな。
「ちょ。そこの美人さん、お助け!!」
俺は側にいた赤い髪の美人に助けを求める。
「自業自得だ」
一刀両断。確かに俺も悪いけどさぁ!避けた方向に相手も避けるって…。そりゃ跳ねるわ!
「いつまでもちょこまかと逃げてんじゃねーぞ、クラァッ!!」
すると男は身体に<武>を纏い出した。この世界にも<武>は存在してるのか。なら俺も使うか。もしこの世界に<武>が存在していないなら知られると厄介なので人前では使うつもりはなかった。ハネネの時は緊急事態だったのでやむを得なかったが。
俺も瞬時に<武>を纏う。俺としては軽く纏っただけだがそれだけでも男の数百倍はある。
「…なっ!?」
男が驚いて声を上げていた。女の方も声こそ上げなかったもののその表情は驚愕に彩ろられている。「んじゃ、俺の勝ちってことで」
そう言って驚いて硬直してる男の元まで一瞬で距離を詰め殴り飛ばす。男は先ほど吹っ飛ばされた男と同じ方向に吹っ飛んでいった。
「貴様、何者だ?」
残った女が細剣、レイピアを構えて警戒しながら聞いてくる。
真っ赤な髪をポニーテールにしていて瞳も真っ赤だ。服も赤いものを着ており、防具は赤と黒の配色がされている。顔立ちは美人と言って差し支えはないが勝ち気な瞳のせいで好みが別れるだろう。
「おっす、俺は橘四郎!よろしく!」
「私はシャルビィ・ルーランだ。よろし……ってちがーう!!」
「どうかしたか?シャルダン」
「私はシャルビィだ!話をそらすな貴様は何者だ!?」
シャルビィはレイピアを手にしているのも忘れてこちらへとズカズカとやって来た。危なっ!?レイピアしまえや!!と言いたい所だがこれ以上彼女を怒らせたくないので黙っていることにする。
「ただの旅人だよ。別に怪しい者じゃねーよ」
シャルビィが俺の瞳を覗き込んでくる。
「…嘘…ではないようだな。すまないな、剣を向けたりして」
そう言ってシャルビィはレイピアを腰に戻す。どうやら俺の眼を見て真偽を確かめたようだな。
「いや。気にすんな。それよりいいのか?仲間吹っ飛んでいったけど」
「勘違いしてるようだがあいつらは仲間じゃない。ただ私はギルドであの二人の討伐の依頼を受けたから二人を街の役所まで運ばないといけないがな」
「あれ?吹っ飛ばしちゃったけどいいの?」
「全然良くない」
ギロリとシャルビィに睨まれる。これはつまりお手伝いフラグか…。俺としては早く街へ行きたいんだが仕方ないか。原因は俺だし。それに今のうちに知り合いを作っておくのも悪くないな。
「…わかった。俺も手伝うよ。とりあえず後ろに乗ってくれ」
バイクに跨り、後ろの方をバンバンと叩く。するとシャルビィは興味深そうにバイクを見つめている。
「なんだコレは?魔物ではないようだし」
「んー、バイクだよ」
「バイク?何なのだそれは?」
何なのだと聞かれても機械としか言いようがないんだが。でもそれは地球のバイクのことであって魔力を消費して走るコレはどちらかというと魔道具か。
「魔力を消費して走る魔道具だよ」
「魔道具だと!?貴様、魔法も使えるのか!?」
「まぁそれは今はいいからとりあえず後ろ乗ってよ」
「あ…す、すまない。少し興奮してしまったみたいだ」
ようやくシャルビィが後ろに乗ったので俺はバイクを発進させた。もちろん、速度は遅めにした。




