第20話 3人でランチ!!ひ~!2人の食いつきがすごいっ!
短いです。
「昨日の夜、突然お手紙をお出しして、申し訳ございませんでした」
翌日金の日の昼休み。学院の広大な庭の一角に大きな布を敷き、サーラとカレン、そしてクローディアの3人はそれぞれ持参したお弁当を広げていた。周りには誰もいない。
昼休み、放課後とやる事が沢山ある為、三人は毎日お弁当である。
「いや、知らせを走らせてくれてよかった。家の迎えを無駄にせずにすんだ」
「そうですわ。そこは気にしないでくださいまし。それよりわたくしたちにお願いがあるとか。その為に、学校が終わったら、グレームズ家の屋敷に来て欲しいという事でしたわね?」
「はい。実は‥」
クローディアは昨日エルネストやゾルジたちと練った作戦を話した。
「まあ! そんな事が可能ですの!? それもわたくしたちもお手伝いできるのですか!」
サーラがお弁当を脇に置くと、目を輝かせて聞いてくる。
「今日、妖精、いや元神様にお会いできるのだな。これは貴重な体験だ」
カレンは、落ち着いた様子で受け入れてくれている。
どちらも拒絶の色は見られない。ありがたい事である。
「わたくしの舞が不甲斐ないばかりに、お2人にお手伝い願わないとならなくて、本当に申し訳ございません。加えて、時間が迫っているので練習時間もあまりなくて、それでもお願いしたいのです」
クローディアはパンを置き、2人の頭を下げた。
ちなみに今日のクローディアの昼食は長細いパンに切り込みを入れ、ハムと野菜を挟んだもの。それをがぶりと頬張る為、大変美味しいが、一緒に食べる人を厳選する必要があるものである。
「クローディア様、頭をお上げになってくださいな。わたくし、わくわくしてますのよ! 今まで体験した事のない出来事に参加できるのですもの!」
「私も同感だ。奉納舞か。実に興味深い」
「ふふ。カレンは剣舞もしますから、共通した部分もあるかもしれませんね」
「ああ、早く知りたい」
「お2人にそう言っていただけると、ありがたいですわ」
サーラは言うに及ばず、カレンもやる気を見せてくれている。よかった。
「そうだわ! クローディア様! 今ここで、舞ってみてくださいませ!」
「ええ!? ここで、ですか?」
できれば、恥は学校ではなくお家で、それも一度で済ませたい。
「時間がないのだろう? 少しで早く舞の型を知っておきたい。幸い、まだ昼休みは十分ある」
「周りに誰もいませんし、丁度いいですわ」
「うう。かしこまりました。無茶なお願いをした身です。ご希望に沿いたいと存じます」
ここまで言われては仕方がない。クローディアは立ち上がると、靴を履いて、少し離れたところに立った。
奉納舞に必要な鈴がない。音感が今一つのクローディアには非常に舞いづらい。
それでも背筋を伸ばし、両腕で大きな輪を作るようにし、息を整える。
そしてクローディアは両手を地面と水平に動かし、踊り始めた。
クローディアが踊れる舞は初歩の初歩のもの。振り付けは単純なものだ。しかし、それをいかに踊りとして昇華し奉納するか。それが難しい。舞を身体に叩き込み、馴染ませねばならない。
しかし踊りのセンスがクローディアは今一つなのだ。
それでも頑張って2人の見本にならなければならない。
クローディアは気張った。頑張った。
そして最後の一振りを終えた所で、ほっと息をついた。
何とか間違えずにできた。
どうだろう。2人は舞と認めてくれるだろうか。
おそるおそる2人に視線を向けると、2人は拍手をしてくれた。
「素晴らしいですわ! このような踊りがあるのですね!」
「ああ、神や妖精もきっと喜ぶだろう」
「あ、ありがとうございます」
どうやら、及第点だったらしい。2人の審美眼に耐えられたようだ。お世辞かもしれないが。
「お2人とも、どうでしょう? 覚えられそうですか?」
「少し、剣舞と似たところがあるような」
「1人での振り付けは初めてですけれど、わたくしダンスは大好きですから、踊るのが楽しみですわ!」
2人はそう言いながら、靴を履いて、クローディアに近づいてきた。
「流れは見せてもらった。これからは細かく一つ一つの振りを教えてもらいたい」
「そうですわね。クローディア様のお話ですと、奉納舞は正確性が求められるようですから」
さっきまでの楽し気な表情から一転して、2人とも真剣な顔をして、ずいずいと尋ねて来る。
「わ、わかりました。お教えいたします」
2人は大変、それは大変熱心な生徒であった。2人への指導は昼休みの終了を知らせる予鈴がなるまで続いた。
いつもお読みいただきありがとうございます。
今日はもう一度更新できればと思ってますvv




