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異世界の透明人間~魔道具を駆使する暗殺者~  作者: 城戸一
八章 魔道具を駆使する暗殺者
81/88

81 目印

 魔道具『水晶眼』。


 それがこちらの位置を特定している魔道具だ。


 先程戦った3人の構成員、各々が胸に着けていた目玉の形をした魔道具が『水晶眼』だ。


 その目玉に映った景色はヴァルデが手にしている水晶に映る仕組みになっている。



 『水晶眼』は一見ただの遠見の魔道具に見える。


 だがその水晶にはそこにあるもの全てが何故か映っているのだ。



 元から見えない俺の体も、『霧の小型灯』で透明にした仮面や外套もあの水晶には映っている。



 「死ね!亡霊!」


 ヴァルデが長剣を突き出しこちらに迫ってきた。


 その長剣を体を仰け反らせ無理矢理躱す。


 突き出した長剣が仮面を掠めたのが分かった。



 「なにっ!?」



 完全に不意を付いたつもりだったのか、ヴァルデは長剣での一撃を躱されたことに驚いている。


 『怪傑のネックレス』を装備している以上、少し腕が立つくらいではこちらに傷一つ付けることは出来ない。


 

 持っていた小型のナイフでヴァルデの首を切りつける。


 体を逸らした状態での無理な攻撃、それでも確実にヴァルデの首元へと短剣は吸い込まれていった。


 そうして仕留めたと思った瞬間、こちらの攻撃が何かに弾かれた。


 見ればヴァルデの体を、透明な何かが包んでいる。


 こちらの攻撃を透明な何かが阻んでいる、刃がヴァルデまで届かない。


(何か守りの魔道具を身につけているのか?)



 攻撃が届かないのを確認し、跳躍し距離をとって壁に背を預ける。


 (逃げるのは、無理か)


 ヴァルデは部屋の入口に陣取るように武器を構えながら立っている。





 (『深淵狼の短剣』なら魔道具の守りを抜けられるか?)



 先程『深淵狼の短剣』を投擲した場所を見ると、大男が血の後のついた短剣を拾うところだった。


 『深淵狼の短剣』は『霧の小型灯』を使って見えなくしている。だが先程構成員を切りつけた際、血の跡が付きどこに短剣があるのかは分かるようになっていた。


 (これではヴァルデの守りは抜けない、ならば先に他の二人からだ)


 ヴァルデから視界を外し、部屋の隅でなにやら武器を構えている二人に目を向ける。


 大男から攻撃しようと身構えるが、相手の動きが気になった。


 大男は持っていた長剣を使い、刃の部分を自身の腕を当てているのだ。


 その腕からは血が流れ落ちている。


 大男は流れるその血を確認しながら、腕をこちらに向かって大きく振りかぶってきた。



 辺りに血が飛び散る。



 そうして自身の外套に再び血が付けられる。




 (またマーキングか!?しかも自身の血で!?)




 「そこか!亡霊!」



 浮いている血の跡をみたのだろう、残った構成員の一人が此方に向かってくる。


 持っていた剣を振りかぶり血の跡目掛けて切りかかってきた。


 「待てカペル!」



 その一撃を持っていた短剣で逸らす。


 切りかかってきた構成員は体制を崩し、持っていた長剣を振りぬいたままバランスを崩した。



 そしてそのまま、返す刀で構成員の首を断ち切る。



 「カペル!」


 大男が叫ぶがカペルと呼ばれた男は既に首だけになっている。


 此方を仕留めるならば壁際に追い詰め、二人で同時に掛かって来るべきだった。



 「気をつけろタルソン、そいつ相当な手練れだぞ!」



 残りは大男とヴァルデだけだ。



 ヴァルデは守りの魔道具を付けている、それをどう突破するかが問題だ。



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