↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の透明人間~魔道具を駆使する暗殺者~  作者: 城戸一
七章 ストーク・シュテット
66/88

66 追跡

 【クロ視点】



 ビルから出てきたストーク君の後を追う。 


 ストーク君はビル郡の奥へ奥へと進んでいく、すなわちスラムの奥に。


 一定の距離を保ちつつ見失わないように付いていく。



 (なぜこんな所を歩いているんだ?)


 この辺りに出入りしている人物は反社会勢力の人間が多い。


 一人でこんな所を歩いていれば盗みや追いはぎ遭う、運が悪ければ殺される。



 偶然にも他の人間に出会うという事は今の所ない、だがいつトラブルに巻き込まれるか気が気じゃなかった。


 そんな事を思いながら後を追っているとストーク君が建物の角を曲がった。


 見失わないよう少し走ろうと思った瞬間、背後に人の気配を感じ飛びのく。


 後ろを振り返る、そこには一人の男がおり建物の影に身を隠していた。


 男はこちらには気が付いていない、建物の陰に隠れながらゆっくりと進んでいく、その視線の先にはストーク君がいた。


 どうやら僕以外にもストーク君の後を追っている者がいるようだった。


 その人物は一定の距離を保ちつつ決して近づかない。


 遠くから視界に入らないよう常に一定の距離を保っていた。



 (この人はなぜストーク君を追っているんだ?)


 ストーク君の護衛だろうか、それとも敵対者?



 普通ならば尾行している時点で敵対者だろう。


 だが最近フォールゥが僕にばれないように付いて来ている事が多々あった。



 そういう特殊な例が身近にあると一概に排除することは出来なかった。



 悩みながらも後を付いていく、すると一つのビルの前でストーク君が足を止めていた。



 ストーク君はそのビルを見上げると、周囲を見回してから中へと入っていく。



 (後を追おう)


 

 そのままストーク君が入っていったビルの前まで足を運ぶ。


 そうしてビルに足を踏み入れようとしたとき、もう一人の尾行者が向かいのビルへと入っていった。



 なぜそちらのビルに?彼はストーク君の後を追っていたのではないのだろうか?


 



 男の行動がどうしても気になり、ストーク君の後を追うのを止める。


 そして向かいのビルへと足を踏み入れた。



 中に入ると階段を登る男の後姿が一瞬見える。


 見失わないよう慎重にその後を追っていく。


 しばらく階段を登ると男が5階の廊下で腰を下ろし陣取っているのが見えた。。


 男はその場で何やら荷物を広げ始め四角い金属製の箱を取り出し地面に置く、箱の中央部には魔石が付いている。



 いったい何をしているのだろうか。そのまま男の動きを観察する。



 男は四角い箱の角の部分を叩くすると箱の角から四つから生き物の足のような物が出てきた。


 そうして箱の上部が開き、巨大な虫の顔が現れる。


 その虫の口の先端には矢のような物が付いていた。


 (矢?)



 矢の射線をみる、それは向かいの建物へと向いていた。


 向かいの建物では誰かが動いているのが見える。


 良く見ればストーク君が机の引き出しを漁っていた。



 (こいつ、ストーク君を狙っているのか?)


 そう判断した後の行動は速かった。



 床に陣取っていた四角い謎の魔道具を蹴り飛ばす。


 矢を飛ばす瞬間だったのだろう、矢はあらぬ方向へと飛んでいき、倒れた四角い箱は床に落ち甲高い音を響かせる。



 


 魔道具が倒れたことに驚いた男は一瞬動きを止めた、その場から飛びのきしきりに周囲を見渡している。



 考える暇など与えない。



 『深淵狼の短剣』を男に投げつける。


 『怪傑のネックレス』で僕の動きには補正がかかっている。

 短剣は狙い通り男の掌へ真っ直ぐ飛んでいき、男の右手を貫いた。


 



 「ぎゃぁ!?」




 たまらず男は悲鳴を上げ、刺された右手を逆の手で押さえる。


 見えない何かが刺さっていることに気が付いたのか何かを引き抜くような動作をした。


 血の付いた短剣が床を転がる。


 男は手を押さえながらも周囲を警戒し始める、しきりに顔を動かし落ち着きが無い。


 


 男は自身の近くを警戒していた、そのため自身が狙っていた人物の事を一瞬失念したようだ。


 みれば向かいの建物からストーク君が此方を見ている。


 いつから持っていたのだろう、その手には巨大な大剣が握られていた。


 大剣を中心に風が舞っている、辺り一帯に埃が舞っていた。


 ストーク君は大剣を大きく振りぬいた、瞬間あたりに風が吹き荒れる。


 強風で目を開けることが出来ない、強い風が吹き荒れあたりに轟音が響き渡っている。


 近くの壁に小さな石でも当たっているのかピシピシという音が断続的に続いている。



 何かが割れる音に鈍い音、様々な破壊音が当たりに響き渡る。


 状況を確認しようにも風が強すぎてまともに目を開けられない。


 しばらくその場で待つ、強風に飛ばされないようじっと体を丸めて耐えていると大分風が弱まってきた。



 薄目を開ける、そして視界に入ってきたのは先程ストーク君を狙っていた男だった。


 男の頭部はなくなっており、床にその体を横たえている。



 男の頭部から溢れ出す血が床に転がった四角い魔道具に沿って広がっていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。