↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の透明人間~魔道具を駆使する暗殺者~  作者: 城戸一
七章 ストーク・シュテット
63/88

63 予期せぬ襲撃

【ストーク視点】


 部下を配置していたアジトを尋ねる。

 だがどのアジトも人の姿が無い、急に人だけが居なくなったそんな印象を受ける。


 そして隠してはいるがアジトには血の跡がある、ここでなんらかの戦闘があった。


 隠し方も雑だった、血だまりの上に物を置くだけというお粗末な隠し方、これをやった相手はバレてもいいと思っているのだろう。


 

 この街を訪れる前に配置していた部下、それが一人残らずいないのだ。


 それも俺の部下だけだ、他のハウゼントゥルムの構成員は皆生きている。俺の部下だけ居ないのだ。



 『岩鼠のイヤリング』の力を過信しすぎたか?心を操る魔道具を使われていると『岩鼠のイヤリング』の効果も無駄になる。


 だが今回はそうではない気がした、手際の速さ、バレてもいいと思えるような雑な隠し方、明らかにこちらに敵意を抱いている。


 他の幹部の仕業かもしれない。以前心を読んだとき明らかにこちらに敵意を抱いているハウゼントゥルムの幹部が居た。



 優秀な部下を俺に引き抜かれて恨んでいるヴァルデ。


 なわばり争いの結果抗争になり、部下の大半を殺されたアルジョン。


 単純に俺が若いから気に食わないと思っているワーディル。



 思い当たるのはそいつらだった、事を一番起こしそうなのはアルジョンだな。


 (どうする?首都に戻るか?)


 戻って体制を整えてもいいかもしれない。


 そうして『岩鼠のイヤリング』で心を読めば誰がこのふざけた報復をしてきたのか分かるだろう。


 だがパーヴァウィングの街から首都グアールディアまではかなりの距離がある、道中襲われる可能性も高い。


 ならば一瞬で首都まで行くしかない。


 アジトの奥まで進み、部屋の扉に鍵を掛ける。


 そうして体に埋め込んだ魔道具の起動装置を肌の上から押す。


 すると何も無かった右の空間に揺らぎのような物ができた。


 魔道具『神の収納箱』の力だ。


 この魔道具はねじれた空間の先が小さな倉庫になっている。


 揺らいだ空間に手を突っ込み、取り出したいものを念じれば以前収納した物を取り出すことができる。



 そうして取り出したのは移動の魔道具『転移台座』


 この魔道具は二つで一つの魔道具だ。


 この台座の上に乗り起動すればもう一つの台座の上に移動することができる。


 首都にある隠れ家、部下の誰も知らない部屋に『転移台座』の片割れが置いてある。


 これを使えば一気に首都に戻れるだろう。


 だがこのままでは発動しない、『転移台座』の中心にはぽっかりと丸い穴が空いている。


 あそこに魔石を装着しなければ発動はしない。


 穴は大きくそこらで売っている魔石ではエネルギーが足りず起動できないだろう。


 金で何とかするのは難しい、値段うんぬんの前に巨大な魔石が市場に出回ることは殆ど無い。



 だが今回は当てがあった。久しぶりに会ったスラム時代の取り巻き、そいつが装備している魔道具『宿り虫の仮面』


 『宿り虫の仮面』は装備者の魔力を少しずつ奪っていく、そうして自身の中に新たな魔石を作り出す。


 魔石の大きさは装備者の元々の魔力の強さ、そして装備していた年月に比例する。



 (何年も前に渡した仮面だ、さぞ大きな魔石が出来上がっているだろう)


 だが先程回収しようと訪ねたのだがうまくいかなかった。


 どうにも所有者は仮面に特別な感情を抱いているようだった。


 どうするか迷っていると急に『岩鼠のイヤリング』が発動しなくなったのだ。


 そのためその場はすぐに撤退した。


 盗むのが一番手っ取り早い。


 だがあいつにはまだ使い道がある、あいつの能力は優秀だ。


 盗みがばれて恨まれても厄介だ、粘り強く交渉すれば譲ってもらえるだろうか。



 『岩鼠のイヤリング』は再び使えるようになっている。


 このあとまた訪ねるか?



 そんな事を考えているとアジトのドアがいきおい良く叩かれた。



 乱暴な叩かれ方、少なくともこちらに好意を持っていない事は明らかだ。


 『神の収納箱』を起動し『転移台座』をしまう。


 ドアは相変わらず強く叩かれている、そしてついに衝撃に耐え切れずドアが壊れた。


 入ってきたのは柄の悪い複数の男達。すぐに部屋いっぱいに広がりこちらを囲んでいる。


 「これはこれはストーク様、ここでいったい何をなされているのですか」


 「ここは俺のアジトだ、俺がくつろいでいてもおかしくないだろ」



 こいつは何処まで知っている?俺の部下の失踪に関わっているのか?


 『岩鼠のイヤリング』を起動する。そうして相手に問いかけて情報を得ようとした。


 「俺の部下がバカンスに行っていてな、休みを取るのは結構なんだが行き先も告げずに出かけたんだ。お前等何か知らないか?」


 「存じませんな、いやはやストーク様の所は部下を大事にしておられる。我々はここ数日休みも無しで働きづめですよ」


 知らないのか、そうか。


 だが『岩鼠のイヤリング』は目の前の男の嘘を見破っていた。


 全員殺したのか、丁寧に火葬までしてくれたようだ。

 ワーディルの指示なのは意外だった。


 肌の上から『神の収納箱』の起動スイッチを押す。


 そうして右手に現れた歪んだ空間に手を突っ込んだ。


 取り出すのは先日死んだシェズが使っていた『鈴蟷螂の鎌』

 奴の死体を確認したときに回収していた。



 『鈴蟷螂の鎌』をすぐに構える。


 それをみていた先頭の男が目を見開いた。


 周りに配置されていた護衛も即座に武器を構えるが遅い。


 『鈴蟷螂の鎌』は目に見える全ての人間を殺して周る、その動きには補正が掛かっておりそこらのチンピラ如きじゃ目で追うのもやっとだろう。



 皆殺しだ。




各話タイトルをちょっとずつ書いていこうと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。