34 目覚めた少女
寝床に帰ると少女は寝たままだった。
薬を飲ますにもまずは起こさなければならない。
「起きてくれ」
何度か呼び、揺らした事で少女が目を覚ます。
「起き上がれるか?これを飲んでくれ、病気を治す薬だ」
少女の上半身をなんとか起こす。
起き上がった少女の目の焦点は合っていない。
瓶に入った薬を口元に押し付けゆっくりと瓶を傾ける。
「姉さん?」
少女の問いかけに答えず薬を飲ませる。
少女は時々薬を零しながらも長時間かけて薬を飲み干しまた眠りに付いた。
これで治るのだろうか、ダンテは特効薬と言っていた、ならばすぐに治るのだろうが少女の顔に浮いている白い斑点はいまだ引かない。
大丈夫なのか不安に思った時背後に人の気配がした。
「クロ、様子はどうだ」
ラントが戻ってきたようだ。
なんだかんだで仕事はきっちりしてくれた。頼りになる。
「その子の様子はどうだ」
「いま薬を飲ませたところだよ」
「おお、呼吸も落ち着いてきてるように見えるぞ、薬の効果があったんじゃないか?」
言われて見れば少女の顔に赤みがさしている、ずっとみていたせいで変化に気が付かなかった。
しばらく少女の様子を見ていると徐々に顔に浮いていた白い斑点が引いてきた。
これで治ったのだろうか、ラントと共に少女の様子をみる。
「ラント、白火病の薬いる?」
「ああくれ、正直不安でたまらなかったんだ」
「キアラの分と、後は予備として合計三つ渡しとくね」
「助かる」
ラントは受け取った薬を懐から取り出した布で慎重に包んでいる。
一息ついたところで冷静になってくる、何でこんな事したのだろうか。
明日の食費すら捻出できないのに他人に構っている暇など無い。
お金だって殆どないのだ。
そんな事を思っているとラントは立ち上がり、荷物をまとめ始めた。
「もう大丈夫そうだから俺は帰るぜ」
「うんありがとう、キアラにもお礼いっておいて」
「ああ、お大事に」
ラントが天幕を出て行く。
その物音に反応したのか少女が目を開いた。
寝た状態のまま辺りを見回している。
時間にして数十秒だろうか、周りを観察し終わった少女が口を開いた。
「ここは?」




