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猫人さんは弱い人? ※ 異世界ファンタジー物

私は猫人ウェアキャット、名前はまだ無い・・・


昔、私にはお母さんとお父さんがいました。


4歳の頃、お父さんはお母さんと私を助ける為に人間の冒険者に立ち向かって言ったのよ。とお母さんに言われました。


なので、私にはお母さんしかいないです。


私の種族は猫人。魔獣よりは強いけど、魔族の中で最弱の獣人族のさらに最弱な身体能力の部族だそうです。


私が幼い頃、魔王様が倒されたので、人間の脅威に私達魔族はさらされています。


なので、親戚も無く、お父さんも居ない私とお母さんはすごく山の奥に2人で暮らしています。



近所には私とお母さんの恩人、竜のラゴンさんや森の動物達がいるので寂しくはありません。


今日もラゴンさんに文字の書き取りや魔法の勉強や体術の訓練をしてもらいます。


「炎を踊れ、私と共に・・・『フレイムウェーブ』」


力ある言葉が紡がれると、私の指先からすごい炎が出て目の前の岩を一瞬で溶かしてしまいました。


「うむ、少しは魔法を使いこなせるようになってきたな。

 ワシの足元にも及びはしないが、いい腕前だ。」


「えへへ、ラゴンさんありがとう。」


「さっきのが最大の魔法か?」


「ううん、一番力を抑えて撃ってみたの。」


「ほ・・・ほほぉぅ?」


「目一杯の力で使うと森の動物さんに迷惑をかけるから、ちゃんと気をつけるのですよ。ってお母さんに言われたの。」


「そ・・・そうか。

 試しにワシに見せてくれんかのう?」


「うん、いいよ~。でもここじゃ出来ないかな。」


「ならばわしが連れて行ってやろう。」


そして、ラゴンさんの背中に乗って遠い所に着ました。


回り一面が鉱山になっています。


ここなら確かに迷惑をかけないかもしれません。


「らごんさんありがと~。

 じゃ、いくね~。

 業炎よ、我が命令を聞き届けよ・・・『ヴォルテックストーム』」


いつも身体に充満していた魔力が結構減ったのがわかる。


目の前が一瞬ゆがんだかと見えると、目の前にあった山が2つほど蒸発して消えていった。


「ほ・・・ほぉぅ、ワシのちょっぴり本気を出した時ぐらいやるではないか・・・猫人の癖に多少はやるのう・・・」


褒めて貰っちゃいました。


どうやら私は猫人の中でもちょっとはやるみたいです。


でも猫人は魔族の中で一番弱いらしいので、ちょっと残念です。


お母さんを守る為にも、まだまだラゴンさんに修行して貰わないといけないのです。



あれから半年経ちました。


それからも修行の息抜きにラゴンさんに連れて行って貰って、廃墟になったお城とか、廃棄された迷宮とかに魔法の試し打ちに連れて行って貰いました。


どんどん威力が出るようになってきて、迷宮を魔法一回で壊す事ができるようになりましたが、この世界ではまだまだだそうです。


ラゴンさんの本気のブレスだと、国1つは軽く滅ぼしてしまうそうです。


それに私の魔法は威力を高める際、詠唱が長くて使い物にならないそうです。


次の目標は詠唱を短く。かつ威力を高くするです。



1年がたったある日です。


とうとう、魔法の無詠唱を行う事ができるようになりました。


見た目もコンパクトに、でも威力はパワフルに。


ラゴンさんの言うスマートな魔法というものを使えるようにやっとでなりました。


最大の威力では、数十キロの射程を焦土と化す事が出きる様になりました。


今日もラゴンさんに廃墟となった街に連れて行ってもらいました。


「いけっ・・・『ボルテッカ』」


指先から一滴の炎が落ちて行き、落ちた箇所を中心に半径30キロぐらいでしょうか。一気に焼き焦がします。


もちろんラゴンさんに教わったとおり、私達には熱波すら届かないようにしています。


でもちょっと火が強すぎて目が眩んでしまいました。


その辺も改良しないといけませんね。


ラゴンさんに感想を言ってもらうと、


「ワ・・・ワシ程ではないが・・・頑張ったではないか。

 こ・・・これならワシも・・・認めてもいいかもしれないかもしれないな・・・」


やりました。


ラゴンさんが認めてもいいかもしれないって言ってくれました。


少しは強くなれたと言う事でしょうか。


これなら怖い上位の魔族や人間さんがお母さんを襲ってきても、逃げる為の目くらましぐらいにはなるでしょうか。


良かったです。



そんなある日の事です。


お母さんは大事な話があると言ってきました。


なんだろう?



「いいかい、どうやら魔王様が復活したらしいんだよ。」


魔王様とは私が幼い頃に勇者って人間に殺された人でしょうか。


「魔王様は私達のような、弱い魔族も守ってくださる。

 どうかそのお慈悲にすがる為にも、この家を出て、魔王城下街に移り住もうと思っているんだ。

 母さんのわがままを聞いてくれるかい?」


もちろんお母さんの言う事なら、喜んで付いていきます。


今まで色々勉強や修行をしてくれたラゴンさんと離れるのは悲しいけど、きっとラゴンさんも見送ってくれるはずです。



また別の日に


私はその事をラゴンさんに伝えると、ラゴンさんは、


「行くのなら仕方ないことだ。

 いつでも遊びに来て良いのだぞ?

 それと、お前は弱いのだから、絶対に喧嘩とか争いに巻き込まれてはいけないからな。」


と心配して貰いました。


やはりラゴンさんは私にとって、とても大切な人だと思いました。



そして出発の日


この日は特別にラゴンさんが私とお母さんを乗せて、魔王城下町まで送ってくださいました。


ラゴンさんの綺麗な姿を見て、始めてみる他の魔族の方々は


「くわばわくわばら」とか「なんまんだぶつ」とか言っていました。


習った事の無い言葉だったので、おそらくラゴンさんのかっこいい姿を見て、賞賛しているんだと思います。


私達は弱い猫人ですが、ラゴンさんの背から降りて噴水の側を歩いたときは、皆道を譲ってくださいました。


やはり、ラゴンさんの雄姿が魔族の皆さんに感動を与えてくださったのだと思います。



私とお母さんは、その時の事を誰かが伝えてくださったのか、魔王城に案内していただきました。


お母さんの話では、ずっとここに住んでいいと言っていただいたそうです。


魔王様はすごく優しいです。


私の力はすごく弱いけれど、魔王様のお力になる事が出来ればとっても嬉しいです。


お母さんにきちんとお礼をしたいですって言っても会わせ貰えないのは、忙しいからでしょうか。


ちょっと残念です。


私が魔王城の隅に住んでいるからでしょうか。


時々私に魔王様って間違って言ってくる人も居ますが、すぐに近くの人にたしなめられます。


私ってそんなに魔王様に似てるのかな?


今、私は頑張って魔王様の為に働いています。

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