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負け犬らしいよ、わたし  作者: きのきのこ
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恐れていること

個体差って怖い。

みんな同じように老いるのに、時間だけは平等なはずなのに、それぞれに通り過ぎる時間は同じ作用をしない。


ある人の上を通る時間は優しかったり、ある人にとっての時間は厳しいものだったことを伺わせるものだったりする。


私の母にとっての時間はどちらだったのだろう。


巷で言う、運道をしていれば健康年齢は保てるし、溌剌とした老後が約束されていると聞いていたつもりだった。母は美容にも気を使い、走ることが趣味で、習慣として、走る前後にまっぱで体重計に乗り、体重を記録していた。

65くらいまではそのような習慣を持っていた。


いわゆる意識高い系だったのだと思っている。

化粧品もおば様が利用する最高級のレベルも資生堂やカネボウを愛用して、日焼けにも敏感に対処していた。化粧品屋さんで定期的に通ってはマッサージしてもらうことで時分が特別なお客様と扱われていることで自尊心を保っていた。


なのにである。なのに、65を過ぎたあたりで認知症となっていた。早すぎる。運動していればボケたりしないと思っていた。浅はかだったのか。


母は以前の面影もなく、お腹周りに信じられないくらいの浮き輪状の贅肉をつけて、化粧を全くしなくなった。ヒゲも生えている。顔の脱毛が必要と痛感する時だ。


因みに口周りの脱毛もしたけど取りきれていない。

30代、40代と2回したのにやはり剛毛を発見する。

ヤバい。


あれだけ意識高く、走ることが唯一の趣味だった母がそんなに早い段階で認知症なのか。重ねて始末に悪いことに身体が丈夫だから、まだまだその状態で生きそうなこと。私はその遺伝子どこまで抗うことが出来るのだろうか。


忘れてしまうこと、意識が及ばないということは幸せなのだろう。だが、その境地に行ってしまったら、私は私でなくなることを意味する。

最近母を見ると恐ろしくなる。

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