第69話 困惑する思い・・・
私はいつもどおりの習慣で、石片を食べて狩りに行く準備をする。
子供達は大きくなったので、彼女はさすがに担ぐことはせず後をついてくるように歩いてくるな。
さてとそれでは狩りにでかけましょうか。
私が先頭に立ち警戒と望遠透視能力 を駆使し、狩りの対象のモンスターを探し始める。
少し遠めの距離だが、モンスターを発見した。
うむ、これはどうしようかな、ユニコーン・ラビットの群れなのだが。
彼女と私の二人では問題なく狩れるモンスターなのである。
むしろ彼女はこのモンスターが好きで、突進してくる危険なモンスターなのに私の前に立ちはだかり薙ぎ払うのだ。
いつも後ろへついてくる彼女が珍しく動くのだ。
彼女はこのモンスターを食べるときバクついておいしそうに食べるんだよね、好物にしているらしい。
でもこのモンスター見た目に反して凶悪なんだよね。
私は前にひどい目にあっているので怖いのだが。
いつもだったら数が多いので私が先に行って、数を減らしておくのだけど今回はどうしよう。
やはり先に行って減らしておくべきかな、そうしないと今回は子供たちがいるからあきらかに危険だろう。
でも、実戦経験をつませ、スキルを見せるにはちょうどいい相手なんだけどね。
あいつら敵の対象関係なく馬鹿みたいに突進してくるからね。
赤い角で刺すんだよ、それも刺した後角がはなれて、爆発するというおまけ付きだ。
私は前に手痛い目にあったからわかるが、数か多いと子供たちが危険なんだよね。
それに長期戦になるとかなり厄介で、魔法とスキルを多用してくる。
油断ならない強敵なんだよね。
でも、今回はユニコーン・ラビットの群れにむかおう。
上位魔法とスキルを見せるのは絶好の相手だ。
彼女に話してユニコーン・ラビットの群れに向かうことにする。
さすがに彼女も警戒を強めているようだね。
彼女一匹だと数がいくらいても問題は無いだろう。
子連れでは、手に余る相手だよね。
それでは、向かうとしようかな。
・・・
この通路先にユニコーン・ラビットが27匹ほどいるな。
他のモンスターは確認されてない。
遠くから見ると赤いきれいな角をはやした大きなピンク色のかわいいウサギさんなんだけどね。
見た目にたいして、ものすごく狂暴なんだよ。
ユニコーン・ラビットはダンジョンから生まれてくるモンスターの類らしい。
おそらく食料関係に属するモンスターだろう。
それにしては強いんだよね。
・・・
私が通路の前に立ち、すこし離れた後ろに彼女と子供たちを配置させる。
ユニコーン・ラビットは私にきづいたな。
うむ、突進してくる様子は圧巻で怖いんだよね。
いつもだったら、透明化能力 で消えて近づき闇討ちするアサシンプレイなんだけど。
ユニコーン・ラビットが気づいたと同時に私は狂戦士化 のスキルを使い体系をふたまわり大きく変化させる。
それと同時に雷神の怒りのスキルを使い雷を全身に纏わせる。
彼女のほうも戦闘態勢に移る。
防御系魔法の上位物理障壁 と上位魔法障壁 を使い後ろにいる子供たちへかける。
大きな触手に電撃をはしらせ、それに先端に麻痺の魔法を使って付与しているみたいだ。
ユニコーン・ラビットはこちらに突進してきた。
あいかわらず好戦的なウサギさんだな。
私は突進してきたウサギに対し上級雷魔法である上位雷衝撃波 を唱え雷の衝撃波を前方向に拡散させる。
突進してきたユニコーン・ラビットに当たり吹きとばされる。
ユニコーン・ラビットは床面に転げ落ち、雷の効果で痺れ、麻痺した状態になる。
威力をかなり弱めたのだが、何匹かは即死してしまったな。
他のウサギも瀕死で雷の効果により麻痺して動けないでいるな。
彼女が前に出る。
あとに続いて子供たちもやってきた。
まだ動きがある、ユニコーン・ラビットに対して大きな触手で打ち付けとどめを刺す。
倒した後、彼女が麻痺状態の瀕死のユニコーン・ラビットに対し子供たちに真似してとどめを触手で刺すように指示を出している。
子供たちは触手をユニコーン・ラビットの体に何度も打ち付けている。
ユニコーン・ラビット27匹をいともたやすく倒してしまった。
彼女は倒した後も死んでいるか確認するように子供たちに教えているようだ。
私は狂戦士化 の魔法を解き、彼女に話しかける。
近くのモンスターのいない部屋に持っていこうと声をかける。
彼女も了解したようで、からだから触手を出し何匹か掴んで安全な部屋のところへ移動する。
子供たちも同じように、それぞれとどめを刺したユニコーン・ラビットを彼女といっしょに持っていく。
さすがに重いのか引きずっているな。
・・・
ふぅ、うまくいったな。
いや、いきすぎた。
うまくいぎすぎたのはいいけど、その反動反転で後から良くないことがおこらなければいいんだけどね。
今までの経験であとから何か良くないことが起こるのが定番なことなんだ。
それが怖いから心配なんだよね。
・・・
私も残りのユニコーン・ラビットを彼女達のいる部屋に運びこむ。
持ち切れなかった分は空間魔法を使いアイテムボックスの中へ収納する。
先に部屋に入っていた彼女はどうやらユニコーン・ラビットの食べ方を教えているみたいだ。
腹を先にさいてまさぐっているね。
ユニコーン・ラビットは心臓近い付近に小さな魔核がある。
赤い角の部分が魔核に近い成分でできているみたいなので取り除くように指示しているな。
私と彼女はそのまま食べても問題は無いのだけど、やはり子供っちに食べさせると良くないのだろう。
魔核と角をきれいに取り分けているな。
私は持ってきたユニコーン・ラビットを何匹かを彼女と子供たちの前に置き、部屋の入口前に陣をとって食べてしまうことにする。
子供たちも、大きくなったのでユニコーン・ラビット1匹くらいでは食べ足りないだろう。
なにせ今までは狩りをしたモンスターを腹の中に詰め込むだけ詰め込んでいたからね。
帰るとき風船のようにパンパンに膨れ上がって、寝床部屋に戻ってきたから。
たくさん食べさせてはやく大きくしたいのはわかるけど、ちょとなぁと思うことが多数あったよ。
でも食べられないときとかあるかもしれないから食える時に食うのかな。
下の階層にいた時はそうだったな、生存競争厳しかったもんね。
もしかして彼女が私に出会う前はそうだったかもしれないな。
1匹でさまよっていたのだろう、そう考えると少しでも子供たちに食わせたい気もわかるな。
・・・
今回はスキルを見せられたけど、子供たちが使えるかはわからない。
だがあくまで参考になればいいと思ったから、上位のスキルをあえて見せたのだ。
使えるかはともかくとして、できることを知れば、使う努力をするかも知れないしね。
雷系の魔法はローパーが得意なのでそれだけでもいいから、多くの魔法が使えるよになってほしいな。
さてと私は食べ終わったけど、寝床部屋に帰るか彼女と相談しよかな。
前と違ってこんな感じで狩りをすれば、私がこの階層から出ていっても残ってくれるローパーが何匹かいるかもしれないな。
彼女と話し合った結果、今日は十分なので帰ることにした。
帰ってから子供たちが電撃を出せるようにさせたいみたいなので、教えるつもりのようだ。
やはり彼女は賢く理解もはやい。
まぁ、ちょっときついところがあるのでそこが難点だけど、私からみればいいローパーなんだよね。
さてとそれでは、寝床部屋に帰るとするか。
・・・
寝床部屋に帰ってきてからさっそく彼女はいつもの定位置で、子供たちに電撃の出し方を教えてるみたいだな。
こういうところはやいんだよね。
私は部屋の中央付近で石片を食べながら銀色の球を覗き地上の様子を伺うことにする。
ポテチを食べながらテレビを見る感覚かな。
・・・
!
これはいったい。
いつも覗いている人間の国周辺と場所が違って見える。
あたりは森林ばかりなのだ。
それも最悪だ、森林火災を起こしているところがある。
これってどういうこと?
それにこの森林火災の規模消える範囲なのかな?
前にニュースで見た外国での森林火災の範囲と比べても同じくらいだぞ。
あれって確か鎮火するのに1カ月くらいかかったはずだ。
確かあの時は天候条件が悪く、雨が全く降らず、乾燥がつづいており風も強かったとニュースで見たのだが。
見た感じ火災の様子は乾燥している様子はなく、煙りが上方向に上がっているので風も無いみたいだけど燃えてる範囲が広いのではないかな。
今のところ風はないみたいだけど、山風の現象が起きなければいいな。
でもあれって山沿いの斜面に昼間あたたまった空気が流れ、風をおこすんだよね。
山沿いで火災起きた時、あとから強い風が吹くのは、その現象に類似する思ったけど違っていただろうか、よくわからないな。
風が出ないこと祈るしかないか。
それに、どうしてこんなことになっているかわからないのだが。
・・・
!
火災の奥に集落らしきものが見えるな、テントかな?
テントが燃えていて逃げまどっている人たちがいるな。
調整してもっと近くによって見るか。
獣人か!
獣人が慌てふためいて逃げている。
頭に猫の黒い耳みたいのつけている種族だな。
黒猫族の獣人かな。
人間に近い格好をしているな。
これがいわゆる猫耳の獣人てやつなのか。
あ、猫らしき獣人よりも一回り大きい、狼のような風貌した獣人がいるぞ。
猫の獣人たちを襲っているようだ。
もしかして火災の原因はこの争いの為に起こったことか、でも動物って火を恐れるはずだけど、狼の獣人は恐れている感じがしない。
周りの火のついているテントが燃え上がっているのに猫の獣人を襲っているのだ。
猫の獣人たちを剣で切り裂いているのだ。
武器を所持している?
なんだと、剣を使うのか。
狼の獣人は剣を使うらしい、爪や牙の攻撃はしないのか、人間にかなり近い存在のようだ。
それに獣人だけではなく本物の狼も混ざっている。
狼の魔獣ってやつかな。
かなり大きい狼だな。
そいつらを飼いならしているのか?
でも、獣人界なぜこんなことになっている。
人間界のほうが争いごとが多いと思っていたのだが、私の思い違いしていたのか。
疑問に思う。
それに一方的に猫の獣人がやられている、抵抗する気もなく逃げまどっている。
火災も気になる、だけど、猫の獣人が抵抗もなしに殺されていく姿を見ると苦痛に思う。
これを見せて私にどうしろっていうのだ。
私にはなにもできないではないか。
私は気分が悪くなり、銀色の球を壁に放り投げる。
・・・
くそう。
嫌なものを見てしまった。
なんでこんなことに。
私も確かに多くのモンスターを殺してきた、けどそれは食料であって食べるために殺してきたのだ。
殺してきたモンスターはきちんと食べている、遊び半分とかで殺したりはしない。
先ほど見た光景はあきらかに食べるために狩りをしていたのではないだろう。
火を放ってまで襲うのか?
それとも間違って火が森についてしまったとしても、消火にあたらないものなのか。
かなりの大規模な森林火災を起こしている。
あきらかに強そうな狼の獣人が猫の獣人たちの集落を襲っている。
これはただの弱い相手への虐殺だよ。
こんあことがあって許される世界なのか。
!
あぁ、もしかしたらこんなこと許されないから、この銀色の球で私に見せたのか。
管理者の意図がわからないが、今現実におこっていることなのだろう。
ローパーは遺跡の番人と言われる先駆者が作った生物兵器だ。
私にあの状況をみせておさめて来いといっているのか?
シュマちゃんは争いごとの裏には来訪者と言う自ら神を名乗る異邦人がいると言っていたな。
もしかしたら、今回もそいつらのせいでこんな出来事が起きているのか。
遺跡で番人である私にその来訪者を始末しろと言っているように思える。
いや、それは考えすぎだ。
そんなことはありえないだろう。
ありえはしない。
一、モンスターのローパーである、私にできるわけがないではないか。
今の状況で私に見せてもどうしようもないだろう。
私はどうしたらいいのだ。
どうしようもないではないか・・・




