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ぷらすわん ~1しか上がらないけれど、最強が目指せます~  作者: 雷風船
第一章 運命の扉

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ポイズンドラゴン討伐


 ちなみに、この世界にきてから約1,000年、いろいろなこともあったおかげで、今の俺のステータスはこうなっている。



 名前:ルイ

 種別:人族(異世人)

 年齢:17歳(1,069歳)

 性別:男

 職業:■■■■


 レベル:57,143,881,209,365

 攻撃力:57,143,881,209,365

 魔力 :57,143,881,209,365

 防御力:57,143,881,209,365

 精神力:57,143,881,209,365

 運  :57,022,560,381,906



【かいしゅん(回春)】を使って、何度か若返ったので、現在の年齢は17歳だ。カッコ内は、この世界に来てからの年月ということになる。


 未だに職業は「■■■■」のまま。


【かんぱ】に尋ねたり、【かんてい】を使ったり、ひらがなスキルで暴くことができないかといろいろ試したけれど、今のところは分からないまま。


 そして――――


 レベルは57兆(!)を越えた。


 とある事情があって、師匠と出会った緑島に戻って、二度ほど全ての魔草を引き抜いたからね。

 直径3千キロの緑島に、50センチ間隔で生える魔草の総数は約28兆本。

 そのおかげで、レベルと全てのステータスは57兆を越えてしまった。


 なので、今近づいてきているSSSランクのポイズンドラゴンも、俺にとっては雑魚。

 それは決して「油断」というレベルの話ではなく、どう足掻いても、ポイズンドラゴンの攻撃は俺にダメージを与えることができないのだから。


 ポイズンドラゴンの攻撃力と、俺の防御力のステータスの差は、約38億倍。

 言ってしまえば、攻撃力が1しかない子どもが、この世界の最高の1千万近い防御力を持つドラゴンを殴ったらどうなるのか?


 そう、どうもならない。


 俺とドラゴンのレベル差はさらに多いし、俺は身を守るための特別なひらがなスキルをいくつも持っている。何をどうしても、ポイズンドラゴンが俺にダメージを与えることはできない。


 俺にもしもダメージを与えることができるとすれば、それは「精神力」の値を参考にしない特殊な呪いのスキルしかないんじゃないかな。まあ、どんな呪いなら有効なのかは、俺でも分からないが。


 スキルの数については、重なったものも含めると2兆個を超えるから、確認するのは何十年かに一度、新しいスキルが生えたときぐらい。

 ひらがなスキルは、不思議なことにレベルが上がれば上がるほど、生えてくる頻度は少なくなって未だ100個に達していない。たぶん、そこには何かの意味があるのだろう。


 欲しいと考えていたスキルは、普通のスキルで入手したものを含めれば、かなり入手できたかもしれない。

 ひらがなスキルの方が性能が良いことは分かっているが、普通のスキルでも★5なら、かなり役に立つ。もちろん、★5で使えば、膨大な魔力を消費するけれど、魔力は57兆もあるからここ数百年、1兆が減ったことすら一度もないからね。


「運」のステータスも、何度か代償に使ったが、それでも使ったのはせいぜい1,200億ぐらい。

 間違いなく誤差の範囲、と言って良いはずだ。


 とはいえ…………


 俺のステータスをセシリアにそのまま伝えても、さすがに信じてもらえないだろう。

 俺だったら、揶揄われていると思う自信がある。


「えーっと……たくさん?」


 どう答えていいかわからずに、変な答えで返したらセシリアがポカンと口を開けた。


 そして――


「ふふふ。内緒にしなきゃいけないくらいのレベル、ということね。まあいいわ。とにかく、この状況を解決したら、詳しく教えてね」


「は、はい」


 師匠の生まれ変わりの可能性が高いセシリアに、俺の全てを教えることについて大きな抵抗はない。もしも、師匠の生まれ変わりでなかったとしても、構わないと思っている。


 それくらい、俺はセシリアのことを気にいっているようだ。


「じゃあ、私は【限界突破】を使うわよ?」


「分かりました」


【限界突破】のスキルは、時間制限があるものの、全ステータスを10倍にアップさせる。

 現在のセシリアの攻撃力を考えれば、ポイズンドラゴンの防御力との差は数倍。


 念のため、ポイズンドラゴンのステータスを1/100に抑えておこうか。


 そうすれば事故も起きないし、決着は一瞬でつくはずだ。


「見えました」


 話している間に、ポイズンドラゴンが近づいてきたようだ。


 砂煙の中に、紫色の巨大が影が見えてきた。


 でかい。高さは10階建てのビルぐらいはありそうだ。バトルシープの数倍の大きさがある。このサイズで、どうやって2階層に上がる階段を昇ることができるのかが分からないが、深く考えたら負けだろう。


 体は、巨大な4つ足のトカゲといった感じのドラゴンだ。細長い龍タイプじゃない。

 体は全体が沈んだ紫色で、毒を持っているということをアピールしているように見える。


「くっ」


 ポイズンドラゴンの姿を視界に収めたセシリアが、顔を少し歪めた。

 レベル差が30億倍もある俺の場合、何も感じないが、セシリアは威圧を感じているようだ。


「ルイ、平気なの?」


「はい。大丈夫です。毒を纏っているようなので、1ヤド(100メートル)ぐらいの距離で足を止めます。それぐらいの距離なら行けますか?」


「ええ。距離は問題ないわ」


「じゃあ、毒対策とか防御のスキルをセシリア様にかけますから。頑張ってください」


「ありがとう!」


 見る見るうちに近づいてくるポイズンドラゴンに、俺はスキルを発動させた。

 俺が何のスキルを使ったのか分かるようにスキル名を口にする。


「【まもる】!」


 セシリアの体がうっすらとした光に包まれた。

 言葉で、どんなスキルが使われたのか分かるだろうと思った俺は、目を見開くセシリアに構わず、次のスキルを口にした。


「【ていし】!」


 ドカン!!!!!!


 ポイズンドラゴンが、透明な壁にぶつかったように巨大な音を立てて停まった。


「何よ、それ!」


 あれ? 【停止】という普通のスキルもあるから分かると思ったけれど?

 まあ、あとで話しておこう。



 ■【まもる】使用魔力:1

 指定した対象を全ての事象から守る。魔力を1消費する。



 これは、防御系のひらがなスキル。物理攻撃、魔法攻撃、毒、呪いなど全ての事象から身を守ることができる。さすがに、真空や水中で呼吸させる働きはないけれどね。地上での戦いなら、似たステータスの敵を相手にするならほぼ無敵になれる。



 ■【ていし】使用魔力:1

 対象の指定した項目を停止させる。魔力を1消費する。



 このスキルは、それこそ項目に「心臓」を指定すれば、ヒトなら即死だ。今回止めたのは「行動」。身動きを停止させた。


「停まりました! セシリア様、倒してください!」


 俺が叫ぶと、真っすぐにポイズンドラゴンを見たセシリアが「わかったわ!」と答えた。

 そして、セシリアは「【限界突破】!」と叫んだ。


 セシリアの金髪の髪が、ふわりと膨らみ、魔力の波に包まれたのが分かる。俺の知識の中にある、地球の超有名アニメの某変身シーンと似ているのかもしれない。とても美しい。


 俺は、こっそり【さげる】のひらがなスキルをポイズンドラゴンに向けて発動させた。対象は全ステータス、下げ幅は1/100。



 ■【さげる】使用魔力:1

 対象の項目を任意の値に下げる。魔力を1消費する。



 半透明の空気のような何かがポイズンドラゴンを包み込む。


 そして――――


【限界突破】で全てのステータスが10倍上がったセシリアが飛び上がり、ポイズンドラゴンの首を薙ぐと――


 ドサッ


 防御力が3ケタになったポイズンドラゴンの首が、ズズッとズレて、そして地面に落ちた。


 サーッ


 迷宮内に風が立つと、ゆっくりとポイズンドラゴンが細かな粒となって空気の中へと溶け込んでいった。



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