追憶(23)レベル、1,200!
一年が経過した。
昨日、ステータスを確認すると、ちゃんと年齢も8歳になっていた。
ということは、俺のこの世界での誕生日は、召喚された日、ということなのだろうか?
師匠は、俺が8歳になったことを知ると、「お祝いできる日があるのはいいことよ」と言って、ケーキや豪華な料理を「つうはん」で取り寄せてくれた。
「師匠の誕生日は、何年前のいつなんですか?」
「ふふふ。知りたい?」
(ゑ?)
少し、師匠の圧が強まったのが分かった。俺の額に冷たい汗が浮かぶ。
(や、やばい……)
そうだった。女性に年齢関係のことを尋ねるのはタブーなことを忘れていた……誕生日はまだしも、生まれた年を聞いてはいけなかった。
だが、固まった俺を見た師匠は、「ふふふ」と笑いだした。
「ほら。そんなことを気にせず、食べましょう」
なんか、ごまかされたように思うけれど…………まあ、いいか。
■□■□
そして――――今の俺のレベルだが、なんと! 今日、1,200になった!
名前:ルイ
種別:人族(異世人)
年齢:8歳
性別:男
職業:■■■■
レベル:1,200
攻撃力:1,200
魔力 :1,200
防御力:1,200
精神力:1,200
運 :1,200
師匠から、このレベルは人族では過去最高かもしれない、と言われている。
まあ、レベルは人族最高かもしれないけれど、ステータスは1,200なんだけれどね。いや、ステータスが1,200なら強者と言われるし、しょぼくはないが、レベルと比べるとどうしても見劣りする。
ごく普通の人でも、もしもレベルが1,200に到達することができたならば、ステータスは最低でも10,000を超えるのだから。
唯一、誇れるとするなら「運」も1,200に到達したことだろうか? すでに師匠の60倍の数値だ。
とはいえ、運以外の俺の1,200のステータスは、言ってしまうとレベル100の普通の人ぐらいしかない。ステータスの伸びが良い人ならば、レベル10も十分に有り得る。実際、召喚されたときにいた少年のステータスはレベル10で、魔力以外は1,200を超えていたし。
師匠曰く、もし、レベルが1,200の「勇者」がいるとしたら、各ステータスも6桁に到達しているそうだ。まあ、ステータスが6桁に到達した人族は、師匠もまだ見たことがないらしいが。
それでも可能性の話として、ステータスの伸びが良い勇者なら、50万もあり得るのでは、と言っていた。あの少年も、限られた人たちの一員だったということか。
その時、俺の知識が、何かを伝えてきた。
『わたしの戦闘力は530000です。ですがもちろんフルパワーであなたと戦う気は――――』
(うん? なんだ、これ?)
少し高音の上品そうな男性の声だったけれど…………
まあ、危険があるようには感じないから、あまり気にしになくてもよいか。
それよりも……
「師匠、どこまでステータスを上げると良いですかね?」
魔草抜きチャレンジを始めたとき、師匠は1,000本を目標にと言っていたはず?
「確か、魔草を1,000本抜けるように、じゃなかったでしたっけ?」
「違うわよ」
(え?)
「魔草を毎日スムーズに抜けるようになるには、各ステータスが1,000になれば、と言ったのよ」
そうだったっけ?
「今は、一本抜くのにそんなに時間がかからなくなったでしょう?」
「はい。15分ぐらい?」
「ふふふ。しっかり成長できたわね」
満足そうな師匠を見ると、俺も嬉しくなる。
レベルが50を超えた段階で、一日かければ一本が抜けるようになった。
一時間で一本抜けるようになったのは、2か月前ぐらい。レベルは300ぐらい。
そして、「しゅうのう」のひらがなスキルはめちゃ役立った。これのおかげで、わずか2か月でレベルが900上がったといって良い。
やはり、「しゅうのう」が生えたのは、俺のステータスを早く上げたい、という欲求が関係していたのかもしれない。
生活スキルの「収納」を使う際には、魔力が必要だから魔草原では使えないけれど、「しゅうのう」のひらがなスキルは、魔力を消費せずに発動できる。「魔力ポーション」が使い放題になった。
「魔力ポーション」を用意してくれているのは師匠なんだけれどね。
一応、俺にも「調薬」のスキルが生えてくれたので作ろうと思えば作れるけれど、師匠からは「調薬」のスキルを発動させる魔力があったら、レベルアップに使った方がいいと言われたから、そうしている。
ということで、魔力ポーションを使えば一日フルで、今ならレベルを20以上上げられる。つまりステータスも20以上、伸ばせるということだ。
まあ、授業とか修練とか、いろいろ師匠には教えてもらっているから、今だに「魔草抜きチャレンジ」は一日5時間に制限しているのだけどね。
いずれ、その場で魔草を簡単にスポスポ抜けることを目指したい。
そして、レベルが1,200になった俺に生えたスキルの数は60。最初から持っていた「ぷらすわん」と合わせると、全部で61になった。「ぷらすわん」の力で、レベルが20アップするたびに必ず何かのスキルが手に入った。
そのうち、ひらがなスキルは4つ。生えてくるタイミングに法則性はなくランダムだけれど、おおよそ5%と考えてよいのかな。滅多に生えないから、珍しいのは確かだ。
普通のスキルは、一番最後に生えた「発酵」を除くと、全て★5になっている。
ひらがなスキルもそうなんだけれど、生活スキルが生えることが多いような気がするのは俺の気のせい?
俺はもしかすると、闘争本能が強くないのかもしれない。あるいは、スローライフに憧れていたとか?
まあ、いいか。
とりあえず、今の俺に生えたスキルについて確認しておこうか。




