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ぷらすわん ~1しか上がらないけれど、最強が目指せます~  作者: 雷風船
第三章 天下無双剣闘会

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目指すは「一本角」?


 20階層に降りた俺たちは、隠し部屋に向かった。


 隠し部屋の位置は、俺が把握している。千年ぐらいの経過では、迷宮のレイアウトが変わることはないようだ。


 階段を降りたところで、まるで待機していたかのようにマミー(ミイラ男)が2匹ふらふらとした足取りで寄ってきた。


(そういえば、マミーで女性タイプは見たことがないな)


 もっとも、マミーが体に巻いている包帯は本当の包帯ではないから、仮に剝いたとしても素肌が見えるわけではない。魔物だし、性別は関係なのだろう。


 ちょっと、くだらないことを考えていると、セシリアとシヴァニがマミーをあっさりと切り倒す。

 あまりに手応えがなさそうに倒しているが、一応、Sランクの魔物だ。各ステータスも10,000を越えている。


 マミーを倒したセシリアが、ふと首を傾げた。


「ねえ、ルイ」


「うん? どうかした?」


「もうお昼ぐらいでしょう? この迷宮に、誰か入ってきていないのかしら?」


 時間は、そろそろ昼前になる。だが、【まっぷ】で確認してみても、今のところ入場している冒険者はいないようだ。


「今のところ、まだ大丈夫かな」


「ここは、賑わっているダンジョンじゃないの?」


「うーん、どうだろう? でも、現れる魔物や魔獣は、浅い層ならまだしも今いる階層は、最低でもSランクになるからね」


「簡単には入ってこられない、ってことね?」


「うん。それでもスタンピード対策で、定期的に奥深くまで潜るようにはしていたんじゃないかな」


「そういえば……【転移】のスキルを持っている人だったら、突然、ここに現れることもあるんじゃない?」


「可能性としてはね。でも、最低でも迷宮内の複数の階層を一気に転移するには★の数が最低でも3つは必要だから、その可能性は低いと思うよ」


「そうなの?」


「うん。【転移】のスキルの★の数を増やすには、【転移】スキルを使い続ける必要があるんだけれど、迷宮内の階層を移動するために必要な魔力量は1,000以上必要だからね。★を上げるのも大変なんだ」


「そう……」


 俺は魔力の量が半端ないから、1,000でも100万でも全然問題がないことを、セシリアは気がついたようだ。シヴァニがいるから言葉には出さないようにしてくれている。


「じゃあ、とりあえずしばらくは誰もここに来ない、ってことでいいわけね」


「うん。誰かが近づいてくるのが分かったら、すぐに教えるから」


「わかったわ」


「よし――――じゃあ、まず最初の隠し部屋に向かおうか」


「「はい」」


 素直に二人が頷く。俺たちは、洞窟型の道を奥へと向かって歩き始めた。



 ■□■□



 1時間ほど歩いて、道の突き当りにやってきた。


「ここが隠し部屋なのね」


「うん。中にいるのはデュラハンだけだから、最初から全力で」


「デュラハンだけ……」


 シヴァニが少し心配そうな声を出している。


「今のシヴァニの実力なら、負けることはないから大丈夫。数が多いから、慎重にかつ大胆にチャレンジしてみれば良いと思うよ」


「わ、分かりました」


 気合を入れているシヴァニ。



 今の二人のステータスはこの通り。



 名前:セシリア

 種別:人族

 年齢:17歳

 性別:女

 職業:勇者(■■■)


 レベル:1,117

 攻撃力:147,779(7,388,950)

 魔力 :120,155(6,007,750)

 防御力:119,834(5,991,700)

 精神力:137,016(6,850,800)

 運  :84


 スキル:【剣術(★★★★★:剣聖)】、【回復(★★★)】、【縮地(★★★★)】、【耐性(★★★)】、【灯り(★★)】、【集中(★★★★)】、【限界突破】、【鑑定(★)】、【魔力剣(★)】、【お■■く】




 名前:シヴァニ・メリディナル

 種別:鬼人族

 年齢:16歳

 性別:女

 職業:神官

 レベル:528

 攻撃力:6,344(317,200)

 魔力 :6,873(343,650)

 防御力:6,247(312,350)

 精神力:12,711(635,550)

 運  :39


 スキル:【剣術(★★★)】、【結界(★★)】、【灯り(★)】、【縮地(★★)】、【治癒(★)】




 前回と比べると、セシリア伸びは誤差のように見えるが、それは元のステータスが高かったから。実際、攻撃力を見れば素の状態で2,000近く上がっている。ブースト後なら増加幅は約10万だ。

 増えた数値だけでも、人族のSSランク以上、SSSランク未満の数値になる。もちろん、素の状態をブーストした700万オーバーはSSSランク以上だ。


「隠し部屋のデュラハンの数は?」


「ここで戦うのは10匹かな。あと二つの隠し部屋は、それぞれ20匹と50匹になるから、まずは慣らし運転といこう」


「これまで戦ったデュラハンよりも強くなっているんだったっけ?」


「うん。一番最後に戦ったデュラハンは攻撃力のステータスが20,000ぐらいだけれど、この部屋にいるデュラハンだと5万近いから」



 そう、この隠し部屋に登場するデュラハンのステータスはこう。



 種別:デュラハン

 レベル:50

 攻撃力:50,000

 魔力 :50,000

 防御力:50,000

 精神力:50,000

 運  :50


 スキル:【剣技(★★★★)】、【防御(★★)】



 ステータスはオール5万。スキルも剣技が★3から★4へとアップしている。


 だが、アップはしているが、二人の敵でないことは確かだ。セシリアなら仮にブースト前だったとしても10匹をまとめて倒すことができるはず。シヴァニは、さすがに10匹まとめてだと心配だけれど、セシリアと一緒に戦えば楽勝だ。


 俺?


 俺は、監督権非常時のバックアップ係といったところだ。


「じゃあ、とりあえず誰かが降りてくるまで、この階層の隠し部屋を順繰りに廻ろう」


「目標は?」


 セシリアが少しワクワクしながら尋ねてきた。シヴァニはまだ不安そうな目の色が見えるけれど。


「一時間で2週を頑張ろう。最終目標は、セシリアがステータス20万、シヴァニは10万で」


「はい」

「は、はい」


 シヴァニは、まだ気がついていないが、精神力が10,000オーバーになって、経験値を積み重ねたおかげで、すでに額の角の色は濃い赤色だ。

 セシリアは、見せかけだけの角だから白色のままだけれど、もしも本当に判定させたなら透明は間違いない。


 なんでも、鬼人族にには、昔々、とても強い人がいたそうだ。

 その鬼人族の角は、透明な一本角。額の中央から生えていたらしい。

 らしいというのは伝承でしかなく、今、存命中の人たちの中で「一本角」を見たことがある人はいない。


 でも、セシリアの場合、その伝説の一本角になってもおかしくはないステータスだからね。

 まあ本当に「一本角」にしたら大騒ぎになるのは確かだからしないけれどね。


 とにかく二人には、しっかりと修行をこなしてもらおう。



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