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ぷらすわん ~1しか上がらないけれど、最強が目指せます~  作者: 雷風船
第三章 天下無双剣闘会

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隠し部屋


 5階層の隠し部屋。


 今、俺たちは次々と湧き出るシャドウをひたすら狩り続けていたところだ。


 俺たち、とは言ったがシャドウを狩っているのはセシリアとシヴァニだけ。

 俺は後ろで、危ないところがあればケアするつもりで見ている。


「ヤーッ!」

「ふん!」


 勇ましい掛け声を上げながら次々とシャドウを切り伏せていく二人。

 危なげない戦いぶりだ。


 ここまでで倒したシャドウの数は、それぞれ数十匹。セシリアは元のレベルが高いからなかなか上がらないが、シヴァニはシャドウを倒すたびにレベルもステータスも順調に上がっている。


 彼女たちには加えて【ふやす】のひらがなスキルを使って、ステータスにブーストも掛けているから、シャドウに手間取るはずがないか…………



 ■□■□



 現時点で、迷宮内に人がいないことは確認できている。

 なので、とりあえず俺たちは5階層でレベリングに精を出すことにした。


 5階層の理由は、この階層が洞窟型のため。


 単調に続く道は、周囲は上下左右共に壁なので、どの場面でも四方から敵が襲ってくることはない。歩いている間は、前か後ろだけを気にすればよいからね。


 それと、この迷宮では5階層ごとに複数の隠し部屋が存在している。この5階層だったら3か所。


 いわゆる「モンスターハウス」だ。


 経験値を一気に獲得できて、なおかつ一掃したあとは、魔物たちがリポップするまでには一定の時間がかかるので休憩部屋として利用できる。


 さらに敵は、一階層と同じくシャドウかデュラハンだけ。そして5階層の隠し部屋にはデュラハンは現れないから、安全にレベリングが行える。


 なので、隠し部屋を順繰りに回りながらシャドウの討伐を続けていたのだが…………


「え?、え?」


 一通り隠し部屋を廻り終えたので、ステータスを確認させると、シヴァニが変な声を上げた。


「ずいぶんレベルアップした?」


「は、はい」


「見てもいい?」


「ど、どうぞ」


 シヴァニの声は、少し裏返っている。


 1階層から5階層、そして5階層の各隠し部屋を廻り終えるまでは、自分のステータスを確認しないように言ってあった。 たぶん、上がり具合に驚いたのだろう。


「【かんてい】!」



 名前:シヴァニ・メリディナル

 種別:鬼人族

 年齢:16歳

 性別:女

 職業:神官

 レベル:457

 攻撃力:5,493(274,680)

 魔力 :5,951(297,550)

 防御力:5,409(270,450)

 精神力:11,006(550,300)

 運  :36


 スキル:【剣術(★★★)】、【結界(★★)】、【灯り(★)】、【縮地(★)】、【治癒(★)】



 うーん、まだまだだな。


【ふやす】で50倍にブーストした値は、この迷宮内の下層でもそこそこ戦えるぐらいには伸びている。でも、素の数値はまだ低い。


 これは、あれだ。


 セシリアの場合、ステータスレベルが1,000を越えた段階で、各ステータスは10万前後まで伸びていたが、シヴァニの場合、そこまで各ステータスを伸ばそうと思うと、必要なステータスレベルは8,000台になる。


 これから、レベルが上がれば上がるほど、レベルアップに必要な経験値は増えていくことになる。

 いくら【けいけん】のひらがなスキルで、その経験値を1,000倍に増やしていても、さすがに3週間でステータスレベルを8,000台にすることはできない。せいぜい1,500台までいければ恩の字か。各ステータスは20,000前後、精神力だけが40,000に近づくぐらいだろう。


 その程度のステータスではブーストしていれば話は別だが、素の状態で考えると、この迷宮の踏破ですら覚束ない。


「よし…………やっぱりもっと下に潜ろうか?」


「え? もっと下? ……ですか?」


「うん。当初の予定通り、20階層に向かおう」


「ここで、十分じゃないんですか?」


「戦ってみてどう? さっき、苦労した?」


「苦労ですか? …………してません」


 そう、さっきの戦いでレベルアップした分を差し引いて考えても、シヴァニのステータスは、シャドウと20倍以上の差があった。


 レベル10とレベル200の戦いは、どちらが勝つか?


 もちろん、特別なスキルやクリティカルのような思いがけないダメージを受けることもあるかもしれないが、10回戦えば10回ともレベル200の方が勝つ。100回戦っても100回ともレベルが200の方が勝つだろう。1,000回戦って、何かの偶然が重なって1回ぐらいレベル10の方に勝機があるかもしれない。


 こんな感じの戦いでは、レベルアップに必要な経験値を十分に得ることができない状態ということだ。


「苦労してようやく倒せる敵でないと、レベルアップがスムーズにならないからね」


「ルイ、私は?」


 セシリアが尋ねてきた。


「セシリアも大きくステータスを上げるなら、ここじゃ無理かな」


「やっぱり、そうなのね」


 ちょうど、この5階層で3つの隠し部屋を一通り回った。


 一つの隠し部屋に現れるシャドウは30匹。合計で90匹のシャドウを倒した計算になる。5階層に辿り着くまでに倒した数を入れると百数十匹。


【けいけん】のひらがなスキルは、得られる経験値を1,000倍にしてくれるから10万匹以上のシャドウを倒したことになるのだけれど…………



 名前:セシリア

 種別:人族

 年齢:17歳

 性別:女

 職業:勇者(■■■)


 レベル:1,034

 攻撃力:136,899(6,844,950)

 魔力 :111,308(5,565,400)

 防御力:111,012(5,550,600)

 精神力:126,928(6,346,400)

 運  :84


 スキル:【剣術(★★★★★:剣聖)】、【回復(★★★)】、【縮地(★★★★)】、【耐性(★★★)】、【灯り(★★)】、【集中(★★★★)】、【限界突破】、【鑑定(★)】、【魔力剣(★)】、【お■■く】



 セシリアは、レベルが1,021から1,034に13上がったが、攻撃力、魔力、防御力、精神力はぱっと見で大きく上がったように見えないが辛いところだ。実際には、例えば攻撃力のステータスは1,623上がったのだけれどね。


 シヴァニは、ステータスの上昇幅は、例えば攻撃力は2,877上がったから、セシリアよりも大きい。

 もっとも、シヴァニはレベルが239上がってようやく攻撃力が2,877上昇したのに対して、セシリアはレベルが13上がるだけで攻撃力が1,623上がったのだけれどね。


 そしてスキルだけれど、レベルが20上がるたびに抽選されるから、13しか上がっていないセシリアに変化がないのは仕方がない。

 シヴァニは、一応、新しい【治癒】のスキルが生えている。神官らしさが現れているように思える。


「20階層は、特別な魔物が出るの?」


 セシリアが尋ねてきた。


「うん」


 そう、この迷宮の20階層にある隠し部屋は特別な部屋になる。出てくる魔物はデ(・)ュ(・)ラ(・)ハ(・)ン(・)だけなのだから。



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