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第三話 双子よ、片付けろ
初夏の午後だった。
王妃セレスタは庭で紅茶を飲んでいた。
風は心地よく、花々も美しい。
久しぶりに静かな時間だった。
侍女が一通の書簡を運んでくる。
学園からだった。
セレスタは目を通す。
読み終える。
はぁ。
ため息をついた。
「双子王子殿下ですか」
侍女が尋ねた。
「ええ」
セレスタはうなずいた。
「今度は何を?」
「知りません」
侍女は黙った。
知らなくても分かるからである。
セレスタは手を出した。
侍女は黙って便箋を差し出した。
さらさらと返事を書く。
⸻
学長よ、説教しろ。
学生を導くのは学長の務めである。
双子であろうと例外ではない。
まずは責務を果たしなさい。
セレスタ
⸻
数日後。
再び学園から書簡が届いた。
セレスタは読み、静かに目を閉じた。
何やら目の奥が熱い。痛いような気もする。
「双子王子殿下ですか」
侍女が聞く。
「ええ」
「今度は何を?」
「知りません」
侍女はうなずいた。
やはり知らなくても分かるからである。
セレスタはカップを置いた。
いつの間にか、用意されている新しい便箋を取る。
短く書いた。
⸻
双子よ、片付けろ。
セレスタ
⸻
それ以上は書かなかった。
学長なら分かる。
双子も分かる。
おそらく片付けないだろうということも、
皆分かっていた。
特に学長は。




