5.上司を下の名前で呼ぶのはアウトですよね?
予約投稿なので、かなり前のことになると思いますが・・・これを書いている前日、全力で体調崩しました、たー兄です。
みなさんも体調には気を付けてください・・・
「なんで、私なんですか?」
「ん?恋人がいなさそ・・・あー、んー、」
気を使わなくて大丈夫ですよ・・・年齢=彼氏いない歴代表です、どうも。
部長は何人に振られたんでしたっけ?(だから誰も言ってない)
・・・まぁ、とりあえず理解はしました。
「はい、いいですよ。」
「そうか。じゃあ俺は会社に戻る。俺の家はこの住所。この鍵で入れる。以上。」
そう言って手渡されたのは会社のメモ用紙一枚と、鍵一つ。
「あ、お前、コーヒー飲めるのか?」
「はい・・・?飲めますが・・・?」
「ん、じゃあ頼んだ。」
飲んでくれ、という意図で間違いないですね・・・恐らく。
「了解しました。」
上司の頼みには必ずYes。叩き込まれたものです。
私が返答しているうちに、悠貴部長は顔の筋肉を1mmも動かさず、声すら発さずに身をひるがえして、あっという間に扉から出てしまいました。
さっきまでツボっていたかと思ったら、急に無表情って・・・もう、意味が分かりません。
「部長の妻って・・・無理です・・・なんで『いいですよ』なんて言ったんでしょう。」
残り半分になったオムライスに向かって呟やいた言葉は、コーヒーの香りに溶けていきました。
「どこ・・・ぐー〇る先生に聞いても、分かりません・・・。」
こうして4時間さまよって現在午後11時30分。
普段ならここから残業本番!と意気込むところです。
春の心地よい空気の中、夜の住宅を歩くというのも楽しいですね。
道端に咲いている小さな花を見つけて、近づいた直後。
「ふぎゃ。」
なんか、箱につまづきました・・・?
足のジンジンを堪えながら振り向くと・・・赤い箱・・・消火器ですね。
白い文字は・・・四社町・・・あ!
「ここだ・・・部長の住んでる町内・・・!」
大きいマンションと、マンションと、マンションと、マン、ション・・・。
背の高い建物しかありません!?
ぐるっと一周ターンしてみても、多少色に差はあるものの、味気ない窓の羅列が並んでいるだけです。
たいして会社周辺と変わりのない景色に、顔をしかめた直後、ふっと数十メートル離れたビルの看板に目がつきました。
『転職サポート near』・・・うちの会社ですぅぅぅぅぅぅ!?
ファミレスから来たので気が付きませんでしたが、非常に会社に近い町内らしいです。
・・・悠貴部長、仕事に生きる方ですね・・・。
部長からの呼び出しから今の今まで、ずっと驚きっぱなしで、くらくらしてきました。
「と・・・とにかく・・・部長のマンション、どれ・・・?」
「おっ、早乙女さん?今日定時上がりじゃなかったの?」
ナンパ!?やだどうしましょう、私、経験ないです。
・・・ん?定時上がりって・・・ナンパをされている方々はよく調べられているのですね。
振り向くのが怖く、行く先もないまままっすぐ前だけを向いて歩き続けていると、後ろから肩をつかまれました。
血流のよさげなピンクの手が目の端に移り、喉の中で悲鳴がつっかかりました。
「ひっ・・・いっ、いや・・・。」
「ちょっ、待って待って!まじで俺、やばいやつみたいになるから!ほら、部署一緒の・・・」
ゆっくりと首を動かしてナンパの犯人の顔に焦点を合わせると・・・。
耳を覆うたくさんのピアスたち。きれいに染め上げられている金髪。黒い瞳に、健康そうな肌。ちょっと舌を出して弁解する彼は・・・
「せっ、先輩!?申し訳ございません!」
「なんか勘違いしてたっしょ。てか先輩じゃなくてさ・・・麻生先輩、でいいんだよ?」
麻生先輩・・・って、上司を下の名前で呼ぶのはアウトですよね?
あれ、悠貴部長は下の名前で呼んでますが・・・それはそれ、ですね。みんな呼んでますし!
「呂木先輩で・・・。」
「ちぇっ、やっぱ苗字かぁ~。・・・で、なんでここにいるの?」
やっと先輩出てきましたね!
チャラい先輩の名前は・・・呂木 麻生です!
一部の友人は、気が付くことがあるかもしれません。
※部長の名前は悠貴ですよ!




