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ゾンビじいちゃん  作者: ねむり だいじろう


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第4話 最強バディ



大手(おおて)製薬会社(せいやくがいしゃ)()()く製薬』―――



数年前、

世界規模で流行した感染症のワクチンを開発したことで

一躍(いちやく)大手の仲間入りを果たした、まだ新しい製薬会社だ。


「ちょっと苦村(にがむら)くん、コピーはまだかね?」

「あ、すみません・・・すぐに。」

「まったく・・・コピーくらいサッサとやってくれよ。」

「すみません・・・」

「あの苦村さん、早く領収書出してください。」

「あ、ごめんなさい・・・」

「ハァ・・・」

「・・・」


(ヒソヒソ)「あの人、トロいよね~。仕事出来ないし。」

(ヒソヒソ)「ホントホント。何で()んだろうね~。」



「・・・クソが。」




――――――



「実は僕、以前『良く効く製薬』で働いていたんだ。」

「そうなの?じゅんさん。」

「うん。去年辞めたんだけどね。」

「どうして辞めたの?」

「あ~・・・ワクチンのことでちょっとね。」

「ふ~ん。」


「それでね、その時の同僚がゾンビウイルスに関係してるんじゃないかと思ってるんだ。」

「え!?そうなの?」

「たぶんね。彼は会社での評価は低かったけど新薬(しんやく)の研究には熱心でね。」

信也君(しんやくん)の・・・」

「いや、信也君の研究はしてないんだけど。」

「だよね。誰かと思ったよ。」

「でね、彼は人間嫌いで周りの人たちをかなり恨んでいたんだ。」

「その彼っていうのが信也君なの?」

「いや、そうじゃなくてね。彼は苦村(にがむら)良一(りょういち)っていうんだけどね。」

「ふ~ん。でも、それだけで疑うのは・・・」

「まぁね。ただ、どうやら『良く効く製薬』の近くの街に被害が集中しているようなんだ。」

「そうなんだ?」

「うん。そこから徐々に広がって、とうとうここまで・・・」

「なるほど・・・」


「だから『良く効く製薬』の彼が怪しいと思うんだ。」

「そっか・・・」

「で、普通ウイルスを作るなら一緒にワクチンも作っているハズなんだよ。」

「ふ~ん。」

海男(うみお)さんを治すには、そのワクチンを手に入れるしかないんだ。」

「じいちゃん・・・」

「でも僕は今、ここを離れるわけにはいかないし・・・」


「大丈夫!ぼくがワクチンを探しに行くよ!!」

「え!?大樹(だいき)くんが?そんなの無理だよ。」

「だって、じいちゃん治したいもん!」

「気持ちは分かるけど、危険だよ。行かせられない。」

「じゅんくん!大丈夫よ。わたしが付いてるからねぇ。」

「ノリ子さん、しかし・・・」

「大丈夫大丈夫。わたしにはコレがあるからねぇ。」


パァーン!パァーン!


巨大ハリセンを振り回すばあちゃん。


「いや、そんなモノでは・・・」


パシッ!ピシッ!


割りばし鉄砲を構えるぼく。


「ぼくにもコレがあるよ。」


「いやいやいやいや・・・」


「わたしら2人はバデーだよぉ。」

「バデー?」

「ばあちゃん、バディでしょ?」

「そうそうバデーバデー。」

「いや、2人ではとてもたどり着けませんよ?」


「ジ、ジイチャン、モ、イルヨ。」

「う、海男さん?」

「はっはっは~。そうだねぇ、アンタもいたねぇ。」

「そうだね!3人なら行けるよね!」


「いやでも海男さんが一緒だと・・・」

(なん)かね?じゅんくん。」

「ゾンビだけじゃなくゾンビハンターにも狙われますよ?」


「ゾンビハンター??」


「はい。ゾンビに対抗するために有志(ゆうし)で結成された自警団(じけいだん)のことです。」

「ゾンビを殺しちゃうの?」

「詳しくは分かりませんが、おそらく・・・」

「そんな・・・殺しちゃダメだよ。」

「そうだね・・・」


「そういう事なので、この3人で行くのはお(すす)めしません。」

「でも・・・」


「大丈夫よぉ。何とかなるさぁ。」

「いや、ノリ子さん・・・」

「みんな同じ人間なんだからね。話せばわかるんだよぉ。」

「いやいや、ゾンビですよ?」

「この人もハリセンで叩いたらおとなしくなったからねぇ。」

「え?ハリセンで叩いておとなしく??」

「そうだよぉ。だから大丈夫さぁ。」

「・・・そうですか、分かりました。でも気を付けてください。」

「うんうん。ありがとぉねぇ。」




次の日、ぼくたち3人はワクチン探しの冒険に出発したんだ。



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