第3話 ゾンビウイルス
テレビからニュースが流れて来た。
『未知のウイルスの感染が広がっています。』
『専門家の話では蚊による媒介の可能性が高いとのことです。』
『しかし一部では感染者に噛みつかれたことで感染するケースも報告されています。』
『感染すると血管が浮き上がり目が充血。』
『さらには凶暴化し人を襲うこともある。』
『以上のことから、ネットでは<ゾンビウイルス>と呼ばれているようです。』
「ゾンビウイルスだって。」
「あらあら、怖いねぇ。」
「オ、オカワリ。」
じいちゃんは今日も元気だ。
ご飯を食べれるようになったからだね。
でもじいちゃん・・・ゾンビだよね?
「こんにちは~。」
ん?誰か来たぞ。
「森野さ~ん。山田で~す。入りますね~。」
「はいは~い、上がってね~。」
「こんにちは、ノリ子さん。」
「アッコちゃん、いつもありがとぉねぇ。」
「いえいえ。あれ?お孫さんですか?」
「そうそう夏休みでね。大ちゃん、ご挨拶して。」
どうやら、ばあちゃんの言ってた看護師さんのようだ。
週に2回、じいちゃんのお世話をしに来てくれてるらしい。
「こんにちは。森野大樹です。」
「大樹くんって言うの?初めまして山田敦子です。」
「いつも、じいちゃんがお世話になってます。」
「あら~、偉いねぇ。どういたしまして。」
「コンニチワ。」
「ああ海男さん、こんにちは・・・え?」
えぇぇぇーーーっ!!
「え?え?え?これはどういう・・・」
(え、待って。血管が浮いて目が充血してる。)
(これって・・・ゾンビウイルス・・・?)
「あ、あの~、ちょっと先生呼んで来ますね~。」
山田さんは逃げるように出て行った。
1時間後―――
防護服を着た人が2人やって来た。
山田さんと先生のようだ。
「う~ん、確かにこれはゾンビウイルスだねぇ・・・」
「先生、そのゾンビ何とかって何だい?」
「ノリ子さん、ゾンビウイルスはゾンビみたいになっちゃう病気なんですよ。」
「そうかい。怖いねぇ。」
「でもこの人、元気になってねぇ。ご飯も良く食べるんだよ。」
「ん~確かに元気に見えるねぇ・・・ちょっと診てみようか。」
「体温は・・・42℃!?」
「血圧125の180!?」
「瞳孔パッカーン開いとるね・・・」
「海男さん、調子はどうですか?」
「ア~、ゲンキゲンキ~」
「ん~ちょっと声がかすれてるかな。」
「じゃあね、熱さまし出しとこうねぇ。」
「え?先生?」
「それと痰を切る薬とトローチかな。」
「え?先生?」
「あとで薬剤師さんに届けてもらうからねぇ。」
「いやあの、先生?」
「さぁ山田さん、帰ろうねぇ。」
「先生~~~」
2人は帰って行った。
さらに1時間後―――
「ごめんくださ~い。」
「はいは~い、上がってね~。」
白衣を着た男の人が入って来た。
「こんにちは、ノリ子さん。と・・・」
「森野大樹です。」
「大樹くん、初めまして。薬剤師の白井純也です。」
「初めまして。」
「じゅんくん、いつもありがとぉねぇ。」
「いえいえ。さっき先生から薬頼まれたんだけど・・・」
「海男さんはどちらに?」
「おやおや、どこ行ったのかねぇ?」
「じいちゃんならお風呂入ってるよ。」
「ア~、サッパリ~」
じいちゃんがお風呂から出て来た。
パンツ一丁だ。
見れば見るほどゾンビだね。
(これは・・・ゾンビウイルス。)
「いつからこの状態に?」
「3日前に急に元気になったのよぉ。」
「3日前・・・蚊に刺されたりしなかったかな?」
「あ!じいちゃん蚊に刺されたよ!」
「そっか・・・」
「ホントに元気になって良かったよぉ。」
「いや、あの、ノリ子さん?」
「何かね?じゅんくん。」
「今の海男さんはゾンビですよ?」
「ゾンビ?怖いねぇ。」
「今は元気そうに見えても、これからどうなるか分かりません。」
「そうなのかい?」
「病気を治さないと・・・」
「あの、じゅんさん!どうしたらゾンビ治せるの?」
「大樹くん?」
「ぼく、じいちゃんのゾンビ治したい!」
「大樹くん・・・」
「ワクチンがあるかもしれない。」
「ワクチン?」
「そう。もしも、このゾンビウイルスが人工的なものだとしたら・・・」
「え?人工的なものって・・・」
「今回のゾンビウイルス騒動。ちょっと心当たりがあるんだ。」




