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ゾンビじいちゃん  作者: ねむり だいじろう


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3/5

第3話 ゾンビウイルス



テレビからニュースが流れて来た。


未知(みち)のウイルスの感染が広がっています。』

『専門家の話では蚊による媒介(ばいかい)の可能性が高いとのことです。』

『しかし一部では感染者に噛みつかれたことで感染するケースも報告されています。』


『感染すると血管が浮き上がり目が充血(じゅうけつ)。』

『さらには凶暴化(きょうぼうか)し人を襲うこともある。』

『以上のことから、ネットでは<ゾンビウイルス>と呼ばれているようです。』



「ゾンビウイルスだって。」

「あらあら、怖いねぇ。」

「オ、オカワリ。」


じいちゃんは今日も元気だ。

ご飯を食べれるようになったからだね。


でもじいちゃん・・・ゾンビだよね?



「こんにちは~。」


ん?誰か来たぞ。


「森野さ~ん。山田で~す。入りますね~。」

「はいは~い、上がってね~。」


「こんにちは、ノリ子さん。」

「アッコちゃん、いつもありがとぉねぇ。」

「いえいえ。あれ?お孫さんですか?」

「そうそう夏休みでね。(だい)ちゃん、ご挨拶して。」


どうやら、ばあちゃんの言ってた看護師さんのようだ。

週に2回、じいちゃんのお世話をしに来てくれてるらしい。


「こんにちは。森野大樹(もりのだいき)です。」

「大樹くんって言うの?初めまして山田敦子(やまだあつこ)です。」

「いつも、じいちゃんがお世話になってます。」

「あら~、偉いねぇ。どういたしまして。」


「コンニチワ。」

「ああ海男(うみお)さん、こんにちは・・・え?」


えぇぇぇーーーっ!!


「え?え?え?これはどういう・・・」

(え、待って。血管が浮いて目が充血してる。)

(これって・・・ゾンビウイルス・・・?)


「あ、あの~、ちょっと先生呼んで来ますね~。」


山田さんは逃げるように出て行った。




1時間後―――



防護服(ぼうごふく)を着た人が2人やって来た。


山田さんと先生のようだ。


「う~ん、確かにこれはゾンビウイルスだねぇ・・・」

「先生、そのゾンビ何とかって何だい?」

「ノリ子さん、ゾンビウイルスはゾンビみたいになっちゃう病気なんですよ。」

「そうかい。怖いねぇ。」


「でもこの人、元気になってねぇ。ご飯も良く食べるんだよ。」

「ん~確かに元気に見えるねぇ・・・ちょっと()てみようか。」


「体温は・・・42℃!?」

「血圧125の180!?」

瞳孔(どうこう)パッカーン(ひら)いとるね・・・」

「海男さん、調子はどうですか?」

「ア~、ゲンキゲンキ~」

「ん~ちょっと声がかすれてるかな。」


「じゃあね、熱さまし出しとこうねぇ。」

「え?先生?」

「それと(たん)を切る薬とトローチかな。」

「え?先生?」

「あとで薬剤師さんに届けてもらうからねぇ。」

「いやあの、先生?」

「さぁ山田さん、帰ろうねぇ。」

「先生~~~」


2人は帰って行った。




さらに1時間後―――



「ごめんくださ~い。」

「はいは~い、上がってね~。」


白衣(はくい)を着た男の人が入って来た。


「こんにちは、ノリ子さん。と・・・」

「森野大樹です。」

「大樹くん、初めまして。薬剤師の白井純也(しらいじゅんや)です。」

「初めまして。」


「じゅんくん、いつもありがとぉねぇ。」

「いえいえ。さっき先生から薬頼まれたんだけど・・・」


「海男さんはどちらに?」

「おやおや、どこ行ったのかねぇ?」

「じいちゃんならお風呂入ってるよ。」


「ア~、サッパリ~」


じいちゃんがお風呂から出て来た。

パンツ一丁だ。

見れば見るほどゾンビだね。


(これは・・・ゾンビウイルス。)

「いつからこの状態に?」

「3日前に急に元気になったのよぉ。」

「3日前・・・蚊に刺されたりしなかったかな?」

「あ!じいちゃん蚊に刺されたよ!」

「そっか・・・」

「ホントに元気になって良かったよぉ。」

「いや、あの、ノリ子さん?」

(なん)かね?じゅんくん。」


「今の海男さんはゾンビですよ?」

「ゾンビ?怖いねぇ。」

「今は元気そうに見えても、これからどうなるか分かりません。」

「そうなのかい?」

「病気を治さないと・・・」


「あの、じゅんさん!どうしたらゾンビ治せるの?」

「大樹くん?」

「ぼく、じいちゃんのゾンビ治したい!」

「大樹くん・・・」


「ワクチンがあるかもしれない。」

「ワクチン?」

「そう。もしも、このゾンビウイルスが人工的(じんこうてき)なものだとしたら・・・」

「え?人工的なものって・・・」


「今回のゾンビウイルス騒動(そうどう)。ちょっと心当たりがあるんだ。」




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