第2話 発症
「じ、じいちゃん??」
目の前で眠っているじいちゃん。
おでこを蚊に刺されたじいちゃん。
様子がおかしいじいちゃん。
じいちゃんの姿が何だか・・・
じいちゃんの首元、ブルブル震えてる。
ボコッ、ボコッ、ボコボコボコ・・・
浮き上がる血管。
首、頬、おでこ、腕・・・
きっと見えてない足やお腹も。
クワッ
目を見開くじいちゃん。
白目が赤い。
黒目がキラキラしている。
じいちゃん、ちょっと怖いよ・・・
「ウ、ウ、ウウウゥゥゥ・・・」
「グ、ガ、ガ、ガァァァ・・・」
「ウ~~・・・グオオォォォーーーッ!!」
じいちゃんは突然起き上がった!
長く伸びた爪をこっちに向け、口を大きく開き、
ぼくに近づいてくる。
「な、何これ?もしかして・・・ゾンビ!?」
「ウオォォォーーー!」
ゾンビじいちゃんが襲い掛かって来る!!
「ウオォォ・・・オ?」
首をかしげるゾンビじいちゃん。
お腹に手を当てている。
「ウ~~~」
「あら?アンタ起きたのかい?」
ばあちゃんがやって来た。
「ばあちゃん!じいちゃんがゾンビになっちゃったよ~」
「そうかい。アンタ、みそ汁飲むかい?」
「ウ~」
ばあちゃんがみそ汁を運んで来た。
ゾンビじいちゃんは、ちゃんとちゃぶ台の前に座り両手を合わせた。
「イタ、ダダダ・・・キマス。」
「はい、どうぞ。」
ズズズ~~~
「ハァァァ~~」
美味しそうにみそ汁を飲んでいる。
「ちょっとは食欲出たのかい?お粥も食べるかい?」
食欲?そうか!
ゾンビは食欲という本能で人を襲うんだ。
でも、じいちゃんは食欲がなくなってたからぼくを襲わなかった・・・
あ!
少し食欲が出てる・・・
このまま食欲が戻ると人を襲っちゃうんじゃ・・・
でも、ご飯食べて元気になって欲しいし・・・
パクパク、モグモグ、ムシャムシャ
「オイシイ・・・」
「オイシイ・・・」
「モットタベタイ・・・」
「モット、モット・・・モット!!」
「タベタイッ!!」
グウォォォーーーッ
ゾンビじいちゃんがぼくに飛びかかって来た!
噛まれるっ!!
「何やっとんじゃーーーいっっっ!!」
スパァァァーーーンッ!!
ばあちゃんが巨大ハリセンでゾンビじいちゃんの後頭部を撃ち抜いた!
ポン!ポン!パコン!
ゾンビじいちゃんの両目と入れ歯が飛び出した!
パクッ!
ハムハムハム・・・
ゾンビじいちゃんは、ぼくの腕に嚙みついた!
でも、歯がないからハムハムしか出来ない!!
「アンタ!大事な孫を襲うんじゃないよ!!」
「ゴ、ゴメンナサイ・・・」
「はい、じいちゃん。」
ぼくは落ちた両目を渡してあげた。
「アリガト、ゴメンネ。」
「大丈夫だよ。でも、もう噛まないでね。」
「モウカマナイ、ヨ。」
その後、ゾンビじいちゃんは人を襲わなくなった。




