第七十九頁 — 体育祭の合間の短い休息
見慣れた学校全体の空気が、目が回るほど急に変わってしまった。
昼の日差しの下、校庭には散らばった道具だけが残されていて、
生徒たちはみんな日陰のどこかへ引っ込んで、何か少し食べて、そのまま休んでいる。
もちろん午後の試合のことを考え続けている人もいれば、特に理由もなく校内をぶらついている人もいる。
そして今の僕はどこにいるかというと...なぜか...
生徒会のみんなと一緒に食事をしている。
...
もぐもぐ...もぐもぐ...
仕事量が多いせいなのか、それともダイエット中なのか、
一人分の食事はオムライス一皿だけなのに、ちょっと変わったスタイルで、
白いご飯とオムライス風の卵だけ。
...
もぐもぐ...
でも...味は悪くない...
僕はそうして、生徒会の場所から少し離れた角に座って、
静かな校庭を見渡して、何も考えない。
どうせどう切り出せばいいかわからないし、
今一番いい方法は...
そうだ、周りのことは全部無視して、
食べることに集中して...全部流すことだ...
気にしないで...
...
うぇーん!うぇーん!
「旦那様...後輩くん...」
「お姉ちゃんが悪かったから!」
「早く来て助けて!」
「じゃないとセイカちゃんが...」
...
「どうなるの、ナギちゃん?」
「全部君のせいだぞ!」
「後輩の優しさを利用して、その上、長年付き合ってるカップルみたいな真似までして...」
「どれだけモテなくても...」
「そんなこと...していいわけないでしょ?」
...
うぇーん!
「後輩くん!たすけって!」
「このままじゃ死んじゃう!本当に死んじゃう!」
...
ずずっ.
やはり学校にいても温かい味噌汁があるのは最高だ。
食事も少し心地よくなるし、なんだか心まで落ち着く。
...
...
すとん.
「彼女を助けに行かないの?」
いつの間にか、その中の一人がすぐ隣に座っていた。
...
そこで僕の意識が、周りの現実へと戻ってくる。
先輩の方へまっすぐ目を向けるが、同時に、
先輩のすぐ後ろで、ヤシオさんが、誰かに腕を強く締められている。
「キリュウ先輩。」
「実際助けたいと思っても...」
「今どうやって助ければいいかわかりません。」
...
ははっ.
キリュウ先輩はただ軽く笑って、目を閉じて、ヤシオさんの方をちらっと見る。
「確かにな。」
「今彼女が俺たちに助けを求めても、」
「どうしようもない。」
「セイカさんが手を出したなら、この学校中誰もがお手上げだ。」
...
「なぜですか?」
「彼女はそんなに恐ろしいんですか?」
...
僕の質問に、キリュウ先輩はただ軽く首を振る。
「そうじゃない。」
「彼女には、ほとんど特別なところなんてない。」
「どのスポーツでも一番上手いわけじゃないし、成績が一番いいわけでもない、人脈が広いわけでもない。」
「家柄だって俺や他のみんなと同じくらい普通だ。」
...
そして突然、キリュウ先輩の視線が、ヤシオさんの腕を何度も強く締めている少女へとまっすぐ向く。
「でもな、」
「どう言えばいいか。」
「彼女はすごく努力家で、頑固で、諦めを知らない。」
「それにちょっと変わってて、普通の人付き合いの仕方もわかってない。」
「人のことに過剰に気を使いすぎて、自分のことはどうでもいい。」
「そんなぼんやりした人なのに...」
...
「先輩?」
...
ぽん!
突然、僕の背中を強く叩く手が伸びてきた。
キリュウ先輩の目が急に変わる。
「マサトったら...」
「いつまでもそんなに迷ってていいのか?」
「どうせ今年が最後なんだぞ。」
「早くしないと二度と機会はないぞ。」
...
ぱっ.
「お前、簡単そうに言うなよ!」
「誰のアドバイスでもいいけど...」
「一度も彼女ができたことない奴のアドバイスなんか、聞けるかよ。」
「立場が逆だったら、お前は信じるのか?」
「カイ。」
奇妙だ。ついさっきまでとは、キリュウ先輩の表情がもう変わっている。
わからない。先輩が言ったことの、どこが変なんだ?
どうしてこんなに激しく反応するんだ?
...
すとん
さっき僕の背中を叩いた先輩が今、すぐ隣に座っている。
あの顔に、どこから見ても間違えようのない青い髪。
この人、前に会ったことがあるんじゃないか?
「そんな言い方は後輩くんに誤解を与えやすいぞ、マサト。」
「俺だって恋愛くらいしてるって。」
「花が咲く前に全部断ってるだけだ。」
...
「だからこそ信用できないんだよ。」
「いつも女の子から告白されてるだけで、お前から誰かに告白したことはないだろ。」
「初対面では、ゲームから出てきた白馬の王子様みたいに見えるけど、」
「長く付き合うと、なかなか直らない悪い癖が出てくる。」
...
ずきっ.
青い髪の先輩がキリュウ先輩の目の前で何度も手を振る。
「もういい、これ以上言うな。」
...
ぽん.
青い髪の先輩が突然僕の方を向いて、明るい笑顔を浮かべる。
でもなぜか、あまりいい予感がしない。
「でもな、」
「でもな、今注目すべきなのは後輩くんでしょ?」
「この頼れる後輩がいなかったら、今朝ダイキはナショナルチームと試合する機会を逃してたかもしれないぞ。」
...
ナショナルチームと試合?
もしかして...今朝会った人たち...
あのスーツケースたちも...まさか全部...
...
すっ.
青い髪の先輩の笑顔が、僕の中の奇妙な不安をだんだん大きくしていく。
先輩の顔が近づいてきて、親指を高く上げて、目を閉じる。
「わかるよ、後輩くん。」
「体育祭が学生生活で女の子にいいところを見せるチャンスなのは確かだ。」
「でも、この件が終わった後に君があの子たちにもたらせるものと比べたら...」
「3日と数ヶ月じゃ、どんな男だって勝てないくらいの差だ!」
...
「先輩、よくわかりません。」
「何の話をしてるんですか?」
...
青い髪の先輩の目が徐々に開き、指が僕のクラスの小さなテントの方を指す。
「それだよ、それ以外に何がある!」
「この超忙しい3日間、生徒会を手伝ったことで君が手に入れる特権だ。」
「その特権を使って、武術部の赤い髪の女の子とデートするつもりなんじゃないのか?」
...
へっ...
体が硬直して、目を逸らすこともできない。
は?この先輩は今何を言った?
特権?それは何だ?
ちょっと待って? どうしてツメコさんのことを知ってるんだ?
偶然?それとも...
...
その先輩が体を後ろに引いて、手を軽く顎に当てて、目を閉じて、
「あ、違うのか?」
「それとも君がよく一緒に昼飯を食べる金髪の画家の子か?」
「それとも最近よく君にまとわりついてる子か?」
「まさかあのいつも堅苦しい緑の髪の子か?」
「君の趣味はNTRで、クラス委員長が昔から気になってる女の子を奪うつもりか?」
「それとも...」
...
...
ごんっ!
「今日は少し調子に乗りすぎだぞ、カイ。」
「セイカちゃんにまたセラピーセッションを頼む必要があるか?」
...
「わかったよ!わかったよ!」
「それ以外なら何でもいい!」
...
...
(@@; 三 ;@@)
頭の中がぐるぐるしている。
目の前では青い髪の先輩が頭を抱えて縮こまっていて、
すぐ隣でカンザキ先輩が大きなうちわを持って、少し怖い笑顔を浮かべている。
どう反応すればいいかわからない。
この青い髪の先輩は結局どんな人なんだ、
それに、彼らが言った特権...結局...
...
ぽん.
キリュウ先輩が、ふっと僕の肩を軽く叩いた。
「やっぱりヤシオさんがまたあの手を使ったな。」
「ちゃんと説明してやる。」




