第七十七頁一瞬の油断
コツッ.
早朝の霧に包まれた、見慣れた食堂への道をしばらく進んだ後、
僕たち三人は、明るく照らされた倉庫に着いた倉庫に着いた。高い箱の山が道の真ん中まで伸びていて、
その周りでは、たくさんの人が小さな建物の中を出入りしている。
...
でもその建物の前に立った時、
三人とも、もう一歩も前に進めなかった。
なぜなら、
...
今、隣の角にある崩れかけた箱の山の真ん中に、
特徴的な紫色のツインテールの少女がいて、
体が散らかったボトルの山に完全に挟まっていて、顔は地面に伏せている。
そして一番奇妙なのは、
なぜか、
出入りするみんなが、この人をできるだけ避けていることだ。
...
「まあ...」
「仕事、始めようか?」
シラカワさんが僕たちの方を向いて、少し気まずそうな笑顔で、目をぎゅっと閉じて、空いている道の方を指差す。
..........................
「ねえ、ハル!」
「もっと早くしてよ!」
「クラスにはまだ山ほど仕事が待ってるんだぞ!」
...
¬_¬
「はいはい。」
「わかってるよ。」
「でもレン...」
「そこで見て文句を言ってるより……」
「こっちに来て手伝ったらどうだ?」
...
カチャ……カチャ……
「ご愁傷様だな、ハル。」
「さっきからこの水のボトルがいっぱい入った箱を抱えてるの、気づかなかったか?」
「それに少ないとか多いとか文句言うなよ。」
「後で高跳びの試合もあるから、無理はできないんだ。」
...
¬_¬
「面白いこと言うな、レン。」
「今日はお前だけが試合あるわけじゃないだろ。」
「僕だって予選に出なきゃいけないし。」
...
「いやいや、同じにするなよ、ハル。」
「どうせ俺は一回しか出ないんだから。」
「お前はまだ何ラウンドも残ってる。」
「ちょっとくらい損してもいいだろ?」
...
「いやいやいや。」
「それはお前が間違ってるよ、レン。」
「僕が何ラウンドも戦うからこそ、体力を温存しなきゃいけないんだろ?」
...
ドンッ!
「もういい、二人ともそこに座ってろ!」
「一人でやってやるから。」
そう言って、シラカワさんは静かにいくつかの箱を持って去っていく。
...
コツッ...
「じゃあ俺は先に行くよ。」
「ぐずぐずするなよ!」
そうしてレンも箱を抱えて去っていく。
...
今、この倉庫には僕一人だけが残っていた。
他のクラスの何人かが近くで荷物を取っている。
僕も急いで他の箱を脇に寄せて、
最後の箱を素早く掴んで、クラスに戻ろうとした。
でも、まさか……
...
...
ガシッ!
気づかないうちに、無意識に出口近くの散らかった山へ近づいてしまって、
そして、突然手が伸びてきて、僕の足を強く掴んだ。
へっ……何だこれ?
...
ガバッ!
気づく前に、周りのボトルや紙箱が四方八方に飛んでいき、
奇妙な少女が突然飛び上がり、片目に変な眼帯をつけていて、
でも手は、まだ僕の足を強く掴んだままだ。
「やっと捕まえたわね、魔王!」
「干からびる準備をしなさい!」
「ぎゃああああっ!?」
...
クスクス...
その奇妙な少女は僕の足を離そうとせず、そこに座って笑いながら体を左右に揺らしている。
目だけは、一瞬も僕から離れない。
「冗談よ!」
「そんなに大げさにしなくてもいいでしょ!」
「お姉ちゃんは食べたりしないわよ!」
「たぶん。」
...
「たぶん?!」
...
あははっ……
「ほらほら!」
「見知らぬ人でもないのに怖がるなんて!」
「もう会ったことあるでしょ?」
会ったことある?
正直、この人の顔をよく見ると、どこかで会った気がするのだけれど、
どうしても思い出せない。
結局、この人と会ったことあるんだろうか?
...
ポカポカポカッ!
「後輩くん、最低な男!」
「前回お姉ちゃんたちがわざわざクラスまでお祝いしに行ったじゃない!」
「この顔を忘れるなんてひどいわ!」
この奇妙な少女は僕を何度も殴り続け、
目を閉じたまま顔をしかめている。
...
...
「まあいいわ!」
「忘れたなら思い出せばいいのよ。」
でも突然、その少女は止まって、
僕の足首から手を離して、散らかったボトルの山の真ん中にきちんと座り直した。
...
「後輩くん。」
「お姉ちゃんに、あなたのすべてを...」
「これからの数日間...くれない?」
その少女の顔が少し赤くなって、体をくねくねさせながら、丸い目で僕を見ている。
...
へっ?
.............
ブンブンッ...ブンブンッ...
「そういう意味じゃないわよ!」
「つまり...」
「生徒会のお姉ちゃんたちに...」
「あなたの力を少し貸してくれない?」
...
へっ?
二度目も、前回と大して変わらなかった。
僕は彫像のように固まり、目から魂が抜けたようになって、
今、僕は……何を聞いてるんだ……。
「力を...貸す...ですか?」
...
ズイッ!
眼帯の少女が突然顔のすぐ近くまで迫ってくる。
「そうよ!」
「お姉ちゃんたちに少し力を貸して!」
「今、状況がすごく緊急なの!」
...
僕は目を逸らせないまま、
それでも体だけが少しずつ後ろへ下がっていく。
「あの...でも...」
「生徒会はもうたくさん人がいるんじゃないですか?」
「それに...学校には他にもたくさん人がいるのに...」
...
うーん……
「確かに生徒会は少し人が多いわね...」
「学校にも無数の人がいるし...」
「でも後輩くん...」
「あなた、うちの学校の体育祭を少し低く見積もりすぎよ!」
...
「低く見積もる...ですか?」
頭の中が急に空っぽになって、
何も考えられなくなる。
目は大きく開いたままで、瞬き一つ、顔をそむけることもできない。
...
少女の目が細められて、獲物を狙う獣みたいに僕をちらっと見て、
でも手はまだボトルの山の下から何かをもぞもぞ探している。
「そうよ。」
「あなた...うちの学校が主催する体育祭の本当の姿をまだ理解してないわ。」
「みんながどうして狂ったように練習してるのか、疑問に思わないの?」
「それに、どうして応援演技みたいな種目が存在するのか、とか。」
「体育祭自体も異常に長いし、」
「三日間、他の学校の体育祭に比べて長すぎない?」
...
ゴクッ……
そうだ...なぜ気づかなかったんだ?
体育祭だとしても、これは異常すぎる。
どうしてこんなに凝ってるんだ?
ただの普通の体育祭なのに。
...
その少女が急に僕の方へ手を広げ、目を閉じて、唇に微笑みを浮かべる。
「だからもし迷惑でなければ...」
「その手、貸して!」
「エッチなことやバカなことはしないわ。」
「終わったら、どうしてなのか教えてあげる。」
...
「は……はい……」僕はそう言って、自分の手を差し出した。
...
ギュッ……バンッ!
意識が追いつく前に、
僕の手をその少女にいきなり掴まれて、指が赤い粉の入った箱に突っ込まれて、
そのまま僕の指が奇妙な紙に押し当てられた。
...
...
うふふっ♪
その少女の表情が急に柔らかくなって、目を輝かせて僕を見て、
僕がちょうど指を押した奇妙な紙をすぐ横に掲げて、
「自分でもまだまだ未熟なのはわかってるわ...」
「でもこれからの数日間...」
「そのせいで嫌いにならないでね~」
「旦那様~」
...
……はぁ?
僕は、今何をしたんだ?




