第六十六頁ー僕たちの答え
カチッ……カチッ……
教室の中、カーテンは微動だにせず
陽光は今、机から徐々に遠ざかっていく
教科書はゆっくりと閉じられていく
…
「みんな…本当にこれでいいのか…?」俺は目を丸くして周りを見回す
「こんな答えで…本当に…」
...
「何言ってんだよ、ハル?」レンが軽く微笑み、首を傾げて俺を見る
「もちろん大丈夫だろ!」
…
ポン…
「絶対に正しいとは言い切れないけど…」シラカワさんが軽く俺の肩を叩く
「でも少なくともこの答えは、」
「みんなが一番納得できるものよ。」
「だから…」
...
「トガミさん、全部あなたに任せたわよ。」シラカワさんが軽く首を傾げ、唇に微笑みを浮かべる
…
今やすべての視線が俺に集中する
小さな微笑みを浮かべた唇から、囁きが漏れる
「トガミさんならできるわ。」
「ハルくんならこんなの簡単よ。」
「ハックン…頑張って…」
「心配しないで、ハッチ。」
「どうせただのテストなんだから。」
…
スッ
「うん。わかった。」俺は軽く頷き、ゆっくり椅子から立ち上がる
「じゃあ、行ってくる。」
…
…
コツ…コツ…
一歩一歩、俺は教卓の方へ真っ直ぐ進む
目の前で、中村先生が頬杖をつきながら
真っ直ぐ俺を見ている
「今なら…」
「もう私の質問に答えられる準備はできているよね?」
…
…
カリカリ…
「もう一度確認させてもらうが…」中村先生が小さなノートに規則正しく書きながら
「議論の末…」
「クラス全員が選んだ答えは…」
「ギリシャは人類の知識の揺りかごの一つである。」
「これで合っているな?」
…
「はい。」俺は軽く頷く
…
パタン!
「まさか君たちがさっきの例をそのまま答えに選ぶとはな。」中村先生がノートを閉じ、目を細める
「よく考えたのかどうかは知らないが。」
「まあ、いい。」
「それを禁じるルールはないからな。」
…
トン
「さて今は…」中村先生が軽く机に手を置き、目を丸くして俺を見る
「まず少し聞かせてもらえるか?」
「なぜ君たちがその答えを選んだのか。」
…
クルッ…クルッ…
「それは…」俺は周りを振り返り、目を細め、喉が次第に固まっていく
「俺…実は…」
…
グッ
「…」後ろから、みんなの視線がなおも俺を見つめていた
微笑みを浮かべ、親指を軽く立てて
…
「どうした?」中村先生が軽く首を傾ける
「自信がないのか、それともわからないのか?」
…
スーッ…
「申し訳ありません。」俺は深く息を吸い、中村先生に向かって体を真っ直ぐ伸ばす
「この選択のこの選択の理由を、最後まで説明させてください。」
…
スッ…
「先生もご存知の通り…」俺は軽く自分の手を差し出す
「ギリシャは学問の中心地として知られており…」
「現代でも、私たちは多くの分野でそれを使い続けています。」
…
「まず数学と物理の例を挙げると。」俺は左手を横に傾ける
「ピタゴラスやユークリッドの定理…」
「α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)などの記号…」
「アルキメデスによって示された浮力、てこ、滑車の原理…」
「今でも世界中で教えられ、応用されています。」
…
「他にも医学、哲学、生物学、政治のモデルがあります。」
「ヒポクラテスは西洋医学の基礎を築いた人物です。」
「プラトンは、教育思想を語る上で欠かせない人物です。」
「現代の民主主義のいくつかの考え――選挙、議論、市民権――は、アテネで生まれたものと共通する部分があります。」
…
「今のオリンピックも、古代オリンピア大会から着想を得ています。」
「もちろん、天文学についても。」
「ギリシャ人は…」
…
スッ!
「そこまでで十分だ!」中村先生が俺の目の前で軽く手を挙げる
「これ以上の例証は必要ない。」
…
「…」俺の体が突然固まり、手が硬直する
…
スッ…
「君の話はまだ不十分な部分もあるが…」中村先生が髭を軽く撫でる
「完全に間違っているわけではない。」
「ただ、君の答えから私は疑問に思った…」
「ギリシャがそれほど大きな影響を与えているのなら…」
「なぜ『一つである』という表現を使った?」
…
ギュッ…
「それは…」俺は次第に拳を強く握り、眉を寄せる
「ギリシャがどれほど大きな影響を与えていても…」
「ギリシャだけが唯一ではないからです。」
…
ピクッ…
「もう少し詳しく説明できるか?」中村先生が目を丸くして俺を見る
「なぜギリシャが唯一ではないのか。」
…
「はい。」俺は軽く頷き、両腕を体にぴったりと寄せる
「ギリシャの影響力は現代文明全体に非常に大きいですが。」
「ギリシャが形成された時代…」
「世界には他にも多くの文明がすでに存在していました。」
…
「古代ギリシャの周辺地域では…」俺の目が次第に細まる
「例えばローマ文明は、進んだ建築技術と法体系を持っていました。」
「南アジアのインドでは、ゼロ、十進法、代数学の基礎の基礎が発展しました。」
「中国では紙や火薬、羅針盤、印刷技術で有名です。」
「そして…」
…
「ここまでにしておきなさい。」中村先生の目が次第に細まる
…
「…」俺の手のひらは今、汗でびっしょり
...
「トガミさん、だったな?」中村先生が鋭い目で俺を見る
「論理展開は悪くない。」
「しかし、もう一つ聞かせてくれ。」
「君たちのクラスが選んだ答えは、ギリシャの歴史全体を網羅できているか?」
…
ビクッ!
「…」俺の目が見開かれ、全身が強張る
…
パラッ
「君の例証はなかなか良かった。」中村先生が再びノートを開く
「しかし今君が言ったすべての内容で…」
「君たちの判断は…」
「紀元前までに限定すれば正しい。」
「だがこの問題が求めているのは…」
「一文で、しかしその国のいかなる歴史的段階においても正しいものでなければならない。」
「その違いがわかるか?」
…
「先生、でも俺はまだ…」俺の喉が次第に詰まる
…
スクッ
「もう無理に続ける必要はない。」中村先生がゆっくり立ち上がり、視線を小さなノートから離さない
「十分聞いた。」
…
…
コツ…コツ…
「…」中村先生がゆっくり出口の方へ歩き出す
…
俺の目は一瞬も瞬きせず
指先に力を込め、思わず中村先生へ手を伸ばそうとする
頭の中を一つの思考が駆け巡る
「またか…」
「俺…また失敗した…」
「これから…またあの時と同じように…」
…
ガラッ……
「…」教室の扉がゆっくり開かれる
…
「やめて…繰り返さないで…」俺の顔が次第に歪み、思考が乱れる
「またそうなるのは嫌だ…」
「俺は…もう一度…一人になりたくない…」
…
…
ピタッ!
「歴史そのものは、決して一つの断片だけではない。」中村先生が突然扉の前で足を止める
「幾千もの王朝が興亡を繰り返してきた。」
「今日正しいことが、明日は間違ったことになることもある。」
「しかし、それでもその事実自体は否定できない。」
…
コツ…コツ…
「レポートの提出期限は来週の火曜日だ。」中村先生が歩みを再開する
「期限内に提出するよう期待している。」
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クラス中の視線がすべて開いた扉の方へ集中する
体が固まって動けない
…
「レポート…」俺の唇が小さく動く
「でも…俺はもう…」
...
コツ…コツ…
「中村先生の話を聞いただろ!」ハヤマ先生が突然扉の前に現れる
「レポートの提出期限は来週の火曜日。」
「でも私は月曜中に提出することを勧めるぞ。」
「中村先生は期限ギリギリで提出する奴は好まないからな。」
…
「あの…先生…」俺の目が次第に細まり、顔を伏せる
「でも…俺はもう…」
...
コツン!
「考えすぎだ!」ハヤマ先生が俺の頭を軽く叩く
「合格したクラスだけがレポートを書くことを許される。」
「心配するより、レポートをしっかり準備する時間に充てなさい。」
…
スッ…
「先生、ということは…」シラカワさんが軽く手を挙げる
…
「もう明らかだろう?」ハヤマ先生が周りを見回す
「何点取れるかはわからないが…」
「落ちたクラスがレポートを書くなんてことはない。」
…
「つまり…」シラカワさんが教室の中を見回す
…
ワァァァーー!!
全員が一斉に椅子から飛び起き
微笑みを浮かべ、手を高く掲げる
「助かったー!」
「もうダメかと思ったよ!」
「やっぱりハッチに任せて正解だったな。」
「これからは好きに遊べるぞ!」
…
「…」俺はゆっくり顔を上げ、周りを見回し、目を丸くする
...
ポン
「レポートの課題を忘れるなよ…」ハヤマ先生が軽く俺の肩を叩く
「今日お前たちが選んだ答えそのものだ。」
「ちゃんと丁寧にやってこい!」
…
…
「はい。」俺は軽く目を閉じ、唇に微笑みを浮かべ、軽く頷く




