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真っ白なページに綴る、僕の青春  作者: Minateru


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47/52

第四十七頁 ー 本棚の隙間

ピッ…ピッ…

「合計300円になります!」店員が目の前の客の方へ視線を向けた

……

ひそ…ひそ…

レジに向かう長い列が続いている

本でいっぱいの買い物かごが次々と前へ進む

店員たちの手がカウンターの後ろで休むことなく動く

コツ…コツ…

人々がが、一歩ずつ本屋から離れていく

あちこちの角が、急に広々としてきた

周囲に軽い話し声が響く

「もうすぐセール始まるよね?」

「早く行かないと!」

「中は外より涼しいと思ってたのに!」

「もう少し我慢すればいいよ」

………

本棚の間で人影が次第にまばらになっていく

音も少しずつ少なくなる

それでもまだ、そこに残っている二つの影

本を抱えながら、互いに互いを見つめていた

「どういう意味だよ?」私は少し後ずさり、手を前方へ伸ばした

「僕、ちゃんと最新版を取ったはずだけど」

「違うの」副委員長は小さく首を振り、二冊の本を私の目の前に差し出した

「確かに最新版は取ってるわ」

すっ…

「でも…」副委員長は二冊の本を私の目の前に掲げた

「それが数ヶ月前なら、の話よ」

「最近更新されたばかりなの」

「へっ!!!!!」私は二冊の本に向かって身を乗り出した

「どうしてそんなことになるんだよ!」

「僕、ちゃんと確認したはずなのに!」

「スマホで確認までしたのに!」

ふふっ…

「責められないわね」副委員長は小さく微笑み、首を傾げて私を見た

「この出版社のシリーズは、更新の時に告知がほとんど出ないの」

「みんなよく文句言ってるわ」

すっ…

「でも…」私は二冊の本を手に取り、しばらく見回した

「よくわからないんだけど」

「見た感じ、二冊に違いなんてないよね?」

「ページ数も全く同じなのに?」

ぺらっ…

「実はあるの」副委員長は二冊の同じページを軽くめくった

「この二ページ、見てみて」

「……」私は顔を近づけて二枚の紙を見つめた

「うわっ?」私は後ろに引いて、目を丸くした

「新版の方、専門用語の部分が一つ欠けてる…」

「古い版の方は逆に多すぎる…?」

とさっ

「わかった?」副委員長は二冊の本を軽く閉じた

「古い版を使っても大きな問題はないけど」

「でも知識量が授業の内容とずれる可能性があるの」

「試験の時に結構面倒なことになるわ」

「確かにそうだ!」私は軽く頭を下げ、両手をだらりと垂らした

「僕も一度そうだった」

「全然気持ちよくないよな」

くすっ…

「……」副委員長は小さく笑い、目を丸くして私を見た

……

すっ…すっ…

「そうだ」副委員長は本棚の方を向き、指を本に沿って滑らせた

「あの本は内容自体は全部入ってるけど…」

「……」私は副委員長の指の方向に顔を上げた

するっ…

「でも本気で自分の力を上げたいなら…」副委員長は数冊の本を棚から引き抜いた

「これらも一緒に取ることをおすすめするわ」

「内容自体はそんなに新しくないけど」

「問題集としてはかなり役に立つはずよ!」

「これらって、普通あんまり役に立たないんじゃ…?」私はその本たちを指差した

「つまり…」

「全部の本が全部読む価値があるわけじゃないよね」

「買ってもほとんど意味ない本も多いし」

さらっ…

「それは同意するわ」副委員長は小さく頷き、本を開いた

「でも見て」

「あの本たちと違って、これらは演習・応用に特化してるの」

「うちの学校には結構合ってるはずよ!」

「……」私は本の中に視線を落とし、文字をなぞりながら唇を小さく動かした

「もしトーマス・エジソンが電灯の発明で世界的に有名なら、なぜニコラ・テスラが電気にまつわる話で最初に思い浮かぶのか?」

「なぜ現代のアメリカは英語が主流で、先住民の言語や他の言語ではないのか?」

「世界には常に人間の基本的な限界を超える偉業が存在する。自分の知識を使って、人間が短期間で厳しい装備を整え、極めて長い距離を行軍できるという仮説を証明してみよ。また具体的な証拠を挙げよ。」

「注意:シルクロードを例に使うことは禁止。」

「ええっ…」私の顔が強張り、頭がくらくらした

「何…これ…?」

「結構難しいでしょ?」副委員長は微笑み、目を丸くして私を見た

「……」私は小さく頷き、本をじっと見つめた

「こんな準備…ちょっとやりすぎじゃない…?」

「全然」副委員長は小さく首を振り、本をカゴに入れた

「うちの学校が今度の試験で想定してるレベルに比べたら、まだ序の口よ」

「準備しすぎるくらいがちょうどいいわ」

「へっ?試験?」私は立ち上がり、目を丸くして副委員長を見た

「知らなかったの?」副委員長は首を傾げ、目を丸くして私を見た

「あと二週間で中間テストよ」

「範囲は歴史と地理の二科目だけだけど」

「うちの先生たちが簡単な問題出すわけないでしょ」

「前回のテストみたいに」

がーん…

「あと二週間しかないのにどうやって間に合うんだよ!」私は体を反らし、天井を見上げ、両手で頭を抱えた

「放課後の課題も山ほどあるし!」

「蓮やみんなの手伝いもしなきゃ!」

「他の科目の成績も落とせない!」

「それに復習の時間も…!」

ふふっ…

「戸上さんにもこんな面があるんだね!」副委員長は手を口元に当て、目を細めて笑った

「どういう意味…?」私は動きを止め、体を固くし、副委員長の方を見た

「だって普段クラスでは、いつもみんなの勉強を見てあげてるじゃない」副委員長は両手を組み合わせ、私を見つめた

「変わったけど効果的な解き方とか」

「ほとんど宿題もサボらないし」

「戸上さんがこんな顔するなんて想像できなかった」

ぽりぽり…ぽりぽり…

「褒めすぎだよ」私は頭を軽く掻き、目を細めた

「僕も普通に勉強してるだけだって」

「僕もびっくりしたよ」私は副委員長に視線を向けた

「普段クラスではあんまり喋らないのに…」

「さっきまで全然話してくれなかったのに…」

「僕が余計なこと言いすぎたのかと思ってた!」

はっ…

「……」副委員長は突然動きを止め、ゆっくりカゴの方へ視線を落とした

「あなたも…ね…」

「待って!」私は慌てて両手を振り、顔を周囲に向けた

「そういう意味じゃなくて…」

「僕は…さっきから…」

「白川さんと話すより、君と話す方が難しいと思ってただけで…」

……

浅霧黒見の頭の中で、様々な思考が渦巻いていた

「さっきからずっとこいつと話してて、自分でも気づかなかった」

「何か変なこと言ってないか、変なことしてないか?」

「あいつに悪い印象与えてないか?」

「あいつに…」

ぎゅっ…

「聞いてみようかな…?」黒見は手を強く握りしめた

「あいつは聞いてくれるかな?」

「それともまた夏目の影に隠れてるって思うだけかな?」

「もう最初からそう思ってるのかも…?」

……

「あの…私…聞きたいことがあるの…」副委員長は私の方へちらりと視線を寄せた

「私…ただ考えてて…」

「クラス副委員長なのに…」

「全然何もできてなくて…」

「夏目みたいに…あなたみたいに…」

「教えてくれない?」副委員長は頭を下げ、私の方へ体を向けた

「どうやって…どうやって…」

「どうやったら…」

「私…この役職にふさわしくなれる…?」

…………………………………………………………………………………………………………………………………………

ざわざわ…がやがや…

上の階から、二つの影がずっと下を見下ろしていた

下の階は、相変わらず人で溢れかえり

売り場は四方から囲まれ

どの棚も棚はほぼ空になっていた

そして二つの空いた棚の間で

二人の人間が互いに見つめ合っていた

短い赤い髪の少女が、正面へ向かって指を突きつけた

長い黒髪に濃い赤のメッシュが入った少女が

スマホを手に持ち、呆然と見返していた

「見つけたわよ、泥棒猫!」恒子は真正面に向かって指を突きつけた

「春くんをどこに連れてったの?」

「さっさと返しなさいよ!」

「はっ!?」水野はスマホを持ったまま、口を少し開け、固まって見返した


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