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真っ白なページに綴る、僕の青春  作者: Minateru


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第四十六頁ー僕らの距離

ざわざわ…ざわざわ…

店内は、今や人で溢れかえっていた。

どの本棚にも人が群がり立ち

さっきまで人影のなかった隅にも、今では誰かが腰を下ろしていた。

小さな囁き声があらゆる方向から響き始めていた

……

コツ…コツ…

「まだ来ないのかよ?」一人の男子が足を軽くトントンさせ、腕を組んでスマホを見つめた

「このままじゃ…」

「おいおい、焦るなよ!」もう一人の男子がその肩に軽く手を置いた

「どうせ今日は特別な日なんだぜ」

「もしかしたらあとでブランド物のスニーカーとか安く手に入るかもだろ?」

「それも、ちゃんと手が届けばの話だけどな」その男子は顔を周囲に向けた

……

ポン...

「見て見て、これ!」一人の女の子がスマホを友達のグループに向けた

「かわいいー!」もう一人の女の子が両手で頰を押さえた

「誰が投稿したの?」女の子たちがぐっと寄り集まる

「リンク回して!」

………

コツ…コツ…

本棚の間に足音が響き渡る

人影が売り場の間をうろつき

入口の扉が閉まっては開きを繰り返し

エアコンから数滴の水滴が落ち始めていた

………………

じり…じり…

少しずつ、副委員長が人混みから遠ざかっていく

両手を強く握りしめ、胸元に押し当て

目を見開き、喉が詰まり、言葉が出てこない。

すっ…

「副委員長!」私は一歩前へ踏み出し、手をそっと伸ばし、顔を強張らせた

「大丈夫か?」

ぴたっ

副委員長が突然動きを止め、ゆっくりと私の方へ視線を移した

顔が次第に青ざめていく

「……」私の唇は言葉を紡げず、体は一歩も前へ進めなかった

とん…ぐっ…

副委員長の体がすぐ近くの本棚に寄りかかった

両手が棚の角を強く掴む

目を固く閉じ、唇が小さく動いた

「夏目…どこ…?」

……

コツ…コツ…

遠くから一つの影が近づいてきた

手に本でいっぱいの買い物かごを持ち、副委員長の方から目を離さない

「すみません!」その女の子が副委員長へ手を伸ばした

「少しどいてもらえませんか?」

「探してる本がこの辺にあるって言われて」

ぎゅっ…

「……」副委員長は目を固く閉じたまま、棚から手を離さなかった

「あの…」女の子はゆっくり手を下げ、周りを見回した

「場所を取ろうとか、邪魔しようとかじゃないんです」

「ほんの少しだけどいてくれればいいんです、数分だけ」

「そのあとまたここ使っていいですから」

「……」副委員長は微動だにしなかった

チッ!

「ちょっとあんた!」女の子は唇を歪め、顔を次第にしかめ、副委員長に近づいた

「聞こえてないふりしないでよ!」

「私はちゃんと丁寧に話してるのに」

「聞いてるの?それとも耳聞こえないの?」

ガシッ!

「こっち向けってば!」女の子は副委員長の体を無理やり自分の方へ向けた

「人が丁寧に話してる時はちゃんと聞きなさいよ!」

「この棚、あんた専用だとでも思ってるの?」

「それとも他の人の話なんてどうでもいいって思ってるの!?」

「言ってみなさいよ!」

「う…あの…私…」副委員長は目を見開き、体を微動だにさせず、唇を小さく震わせた

……

すっ!

「すみません!」私の体が副委員長のすぐそばに飛び込み、手に持った本を二人の間に差し出した

「これが探してた本ですか?」

「これだ!」女の子が動きを止め、目を見開いた

「まだ何も言ってないのに…」

「どうしてわかったんですか?」

「実は…」私は小さく微笑み、彼女のかごに目を向けた

「この辺で学習資料を探してて…」

「さっきちょうどここに西洋文化の総まとめ問題集が置いてあるのを見かけて…」

「他の本とちょっと離れた場所にあったから…」

「もしかしてこれを探してるのかなって思ったんです」

すっ

「ありがとうございます」女の子は微笑み、本を受け取った

「この本、何日も探してたんです!」

「ネットで注文すると値段が高くなっちゃって」

「どういうことなんだろう?」

「わかります」私は小さく微笑み、目を細めた

「たまにそういう商品ありますよね」

すっ…

「じゃあ…失礼しますね!」女の子はゆっくり後ずさり、手を軽く振った

「でも次に何かするときは…」

「周りを少し気をつけてくださいね」

「みんながみんな優しいわけじゃないですから」

「気をつけます」私は後頭部に手を当て、微笑みながら軽く頭を下げた

………….

その女の子の姿が視界から遠ざかっていくと

ふぅ…

私の肩が少し落ち、目を閉じた

額の汗を軽く拭う

「よかった…」

「危うく大事になるところだった」

「君ももう少し気をつけなよ!」私は腰に手を当て、ゆっくり振り返った

「さっきの女の子みたいに簡単に許してくれる人ばかりじゃないんだぞ」

「もし面倒くさい人や腹黒い奴に当たったら…」

「君は…」

「……どう…するつもり…なんだ…?」私の体が固まり、目を見開いた

「あれ?」私の唇が小さく動き、首をぐるりと回した

「どこ行った?」

「さっきまでここにいたのに…」

そっ…そっ…

私の買い物かごの方から

一つの影が屈み込み、本にそっと触れていた

本を次々と持ち上げては戻し

時折、棚の方へ視線を走らせながら

「君…何してるんだ…」私の目が大きく見開かれ、体が凍りついた

「副委員長?」

「私…これ…ただ…」副委員長は私の方へ体を向け、目を伏せたまま本を後ろに隠した

「実は…これ…」

「……」私は首を軽く傾げ、手をゆっくり引いた

ばっ!

副委員長が突然二冊の本を私の目の前に差し出した

表紙が全く同じものだった

「私が…君が古い版を取っちゃったのを見て…」

「勝手に…別の本に取り替えて…」

「えっ?」思わず声が漏れた。、瞬きすらできなくなった

……………………………………………………………………………………………………………………….

がやがや…がやがや…

下の階では、相変わらず人々が溢れかえり

人の波が次々と中へ流れ込み

荷物を積んだ台車が連なって外へ出ていく

あはは…ふふっ…

上の階、手すりの後ろで

二つの影が下の方を見て微笑んでいた

視線を巡らせながら辺りを見回していた

……

「これは確かに面白いな!」白川は目を見開き、天宮の方を向いた

「普段、こんな理由で…」

「天宮さんが戸上さんを階段に連れてって景色見せてたのか?」

「実は…そういうわけでもなくて…」天宮は人混みの方へ顔を向け、頬を手すりに預けた

「あの時は…ただ…周りが静かで…」

「だから…私…」

「なるほど」白川は顎に手を当てた

「周りをチェックしつつ景色も楽しむ…ってことか」

「……」天宮は顔を逸らし、ぶんぶんと首を振った

あはは…

「安心しろよ!わかってるって!」白川は下の階へ目を向けた

「黒見がすぐ隣にいるとき…」

「俺もいつもこうなんだよ!」

「……」天宮はゆっくり白川の方へ顔を向け、目を次第に見開いていった

……

たたたっ…たたたっ…

白川の視線が突然一つの影から離れなくなった

見慣れた制服、短い赤い髪が横切る

下の階の人混みの中を一人の女の子がすり抜けていく

はっ!

「やばい!」白川は頭を抱え、体を屈めた

「周り見てて夢中になって…」

「黒見がここにいること完全に忘れてた!」

きょろきょろ…きょろきょろ…

「……」天宮の肩が大きく跳ね、慌てて人混みの方へ視線を移した


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