3.マキの証言
「えーとね…」
マキは話始めた。
あれは今日の放課後だったの。
私が生徒会の仕事に行く途中…
「藤井、プリント頼んでいいか?」
いきなり呼び止められたの。
さすがに少しかなー?とか思ったんだけどね、まさかの一学年分で相当な量があったのよ。
まあ、そこまでだしいいやって諦めたんだけど、ほんの、ほーんの少し、ほーんの少しだけよ!バランスを崩しちゃって転びそうになったのね。
「おっと、大丈夫か?こんな量を女の子に持たすかよ普通。半分持つぜ。」
「あ、ありがとう。」
いきなり上から聞こえた声にビックリしたわ。
半分と言いつつ、半分以上持ってくれたし、バッチリ資料室まで運んでくれたの。
「じゃあな、気をつけろよ。俺は部活があるから。またな。」
と言って行っちゃったの。
名前は聞き忘れたけど、確実に女子制服着てたのよ。
ちょっとあのイケメンが女の子だとは思わなかったわ。
「っていう話よ。次会った時にはちゃんとお礼しなくちゃいけないわね。」
秋と悠斗は確信した。
「それ絶対陽菜だから。」
「その陽菜…先輩?はどんな人なんですか?
噂の会長の幼なじみですか?」
光輝は少し控えめに聞く。
「…そうだけど。」
「会長のくせに女運に恵まれてる…会長のくせに…。」
「おい、2回言ったよな!?会長のくせにって2回言ったな!?」
呆れたように秋が言う。
「悠斗はそんくらいの存在なんだよ馬鹿。」
さすがにカチンときたらしく怒鳴るように言った。
「は?馬鹿じゃねーよ!真ん中より少し下じゃボケェ。」
それに言い返すように秋も言う。
「アタシの成績なめんなよ、学年1位だぞコラ。真ん中より少し下?ハッ、笑わせてくれるねぇ。」
くうぅ…と言い下がる悠斗。
そんな時。
ガラッ
「うーっす」
ほとんどの人が頭にハテナマークを浮かべているが1人だけぱぁっと効果音がつかんばかりに笑顔になっていた。
「まこたん!」
「その呼び方やめろよ。どうも、はじめまして。桜井真です。ちょっとばかしこの馬鹿に呼ばれまして…」
ふざけんなと光輝に鉄拳制裁をくらわす真。
「えー、今少しまこたんにいい仕事が見つかると思ったのになぁー」
「ざけんな。失礼しました。」
ははは…と苦笑いを浮かべる悠斗の目には生気が無かった。




