Code22
ジャンク屋は魔物を倒し続けた。何体でも現れる。
――ちっ……!
――きりがねぇな!
雨が降りそうだ、早く決着をつけたいと剣を一振りする。予想通りに厚い雲に覆われて雨が降り出した。
すると、幻を見ているみたいに、魔物が消えた。剣を構えたまま転ぶ一歩手前で踏ん張る。周囲から驚いた声が上がった。
「おい――あれ!」
ジャンク屋の男は仲間が浮足立っているなと思った。何があった? と警戒をする。だが、理由を知って目を見開いた。
見慣れた狼の紋章が、高く掲げられてはためいている。あれだけ、降っていた雨も止んだ。暑い雲に覆われていた空が晴れていく。
太陽の光で水滴が輝く。
支配から解放されたのだ。
戦いに勝った。
――終わったのか?
――終わったと言っていいのか?
「勝った? ライエル騎士団長とカイルが勝ったのか?」
「そうだよ! カイルたちが勝った証明だよ!」
――お待たせしました。
「気にするな、カイル」
反射的に返事を返した。
え? と振り返ってもカイルはいない。
――そんなに驚かなくても、魔法石の力です。
どうやら、空耳ではないと分かった。
「はぁ……騎士団は何でもありだな。それを、使いこなせるお前もお前だが」
お前がここに来て五年か? それぐらいたつが何を考えているか、たまに分からねぇなとガリガリ頭をかく。まぁ、そこがお前らしいがと話をしながら武装解除の支持を出す。
「無理をしやがって。目を離せないな」
――サラさんに怒られてしまいました。
――エリスと騎士団の皆さんにも。
「しっかり怒られたみたいだな。それぐらいが、ちょうどいいだろう。で? 俺に言いたい話とは?」
――一緒に戦ってくれてありがとうございます。
――助かりました。
「当たり前だ。ここは俺たちの町でもあるからな」
――復興も手伝ってくれますか?
「当然だろう!」
――よろしくお願いします。
そこで、通信が切れた。
「あいつ言いたい言葉だけを言って切りやがった!」
怪我をしているせいで、話す声にはあまり力はなく、呼吸も荒いなとは思った。しんどいのは理解できるが、あまりにもあっけなくないか? と呆然とする。言葉にしないと損するぞ、カイルとお節介を口にした。
勝手に兄になった気持ちになってしまう。はぁ、とため息をつく。ため息は晴れたばかりの空に吸い込まれていく。
――なぁ、カイル。
グッと体を伸ばしながら名前を呼ぶ。
――生きていてくれてありがと。
――帰って来たら、また一緒に飲もうぜ。
さぁ、お前ら感傷に浸る暇はねぇ、夏祭りが始まる前に復興に取り組むぞ! と叫ぶとおー! と拳が上がった。




