Code18
カイル・コールエン。
サラ・コールエン。
エリス・コールエン。
ロットは魔力で三人の形跡を見ていた。
――彼女たちがほしい。
――俺の物にしてやるよ。
――カイルから奪ってやる。
心を操られればカイルを殺せる駒にはなる。操れば簡単に手に入るだろう。サラを除いたとしても、最悪エリスだけでもほしかった。
滅茶苦茶にしてやりたい。
組み敷いて抱いて自分好みの女にできたら、どんなに楽しいだろう。
甘い喘ぎ声を聞きたい。
時間はたっぷりある。
――俺の手で調教してやろう。
――快楽でドロドロにしてやるよ。
――逃げられないくらいに。
立ち上がると、グルグルと唸って魔物も後をついてくる。お前は留守番な、と声をかけるとシュンとなった。
ロットはフレイル国立公園に来ていた。カイルたちが休みの日に、よく来ているからと知っていたからだ。周囲を見渡して捜した。
――見つけた。
エリスとサラとでピクニックをしている。ロットの足元にエリスの帽子が落ちた。
拾ってエリスに渡す。
「お兄ちゃん、ありがとう!」
――さぁ、俺を見ろ。
ブラウンの瞳が金色に怪しく光る。
――手を取れ。
人を操る能力を施していく。すると、途中でパチリ、と弾かれた。ロットの目の前に、シールドの壁が立ちはだかった。
「お久しぶりですね。ロット・ウィーズリー。五年ぶりですか?」
「サラ・コールエン」
ロットに私が戦えないと思わなくて? そう言っている。手には魔法石を持っている。
「サラさん、これを」
「魔法石ですか?」
「身を守るお守りとして持っていてください」
――カイルさんからもらっていて正解でしたわね。
「世間知らずのお嬢様に何ができる?」
ボッと上がった炎がロットを取り囲む。甘いなとぼやくと、炎は給されていく。こんなものかと、ふん、と鼻で笑った。
戦えないサラには勝てる。元公爵令嬢なんかに、負けるはずがない。その自信があって、全力を出し切っていなかった。
「お嬢様は何年も前に卒業をしました。守れられるだけではないですわ。これはどうでしょうか?」
ロットの前からエリスとサラの姿が消えた。姿を消すカモフラージュの魔法石を使ったのだ。
――ロットよ。
――失敗をするとは何事だ?
紋章越しにアリスの声が響いた。
ロットは誰もいない公園の端で土下座をする。そこにアリスの気配がすると気付いたからである。
「申し訳ありません! 女王陛下!」
「謝罪などいらぬ」
ロットは息を飲んだ。
姿はないがそこには魔物がいる。飼っている魔物に間違いなかった。ロットの魔物がアリスの手を取って、寝返ったのである。このままだと、魔物に飲み込まれてしまう。
食べられてしまう。
そう察して懇願をした。
「次こそは必ず……! 時間をください……!」
「次などない」
「おやめください! お願いです! やめてください! 女王陛下! どうか、慈悲を! お許しを!」
「我に慈悲などない。いけ。食事だ」
「我の名前を呼ぶな。はっ……つまらぬ玩具だったのう」
ロットの体は魔物に融合されていく。そのまま、飲み込まれていった。




