諸天万界
(諸天、万界?……)
凡吉は頭の中で響くその言葉が気になったが、今はそれどころではない。
お嬢様をお守りしなければ……そう思って山賊と対峙するが、どうも様子がおかしい……動きがない…まるで時が止まっているようだった。
そして、凡吉の眼前に蒼い液晶画面が現れ、文字が示された。
行者:凡吉
体質:虚無体質
境地:練体境1段
(これは……)
凡吉が困惑していると、画面の文章が切り替わる。
『修行の開始に伴い、これまで行者が行ってきた修行成果を反映します。承認しますか?』
その時……凡吉の頭の中に浮かんだのは、苦しかった前世の事ではなく、玉修門の皆やお嬢様と小媛さんだった。
「……承認する」
凡吉のその言葉と同時に、ピリッとした感覚と共に彼の頭の中に掛かった靄が晴れていくような感覚になり、同時に体中に力がみなぎってくる。
『反映に成功しました』
その文章が現れ、再び元の画面に戻る。
行者:凡吉
境地:練体境6段
体質:虚無之体
無漏之体
功法:練体功(初級)
練気功(初級)
天羽剣法(初級)
技術:煉丹術(一品)
煉器術(一品)
符紋術(一品)
料理術(一品)
「……気が高まる……溢れる……」
その言葉を最後に、僕は意識を失った。
※
凡吉の異変に、天上の神々はざわめいていた。
だが――それを予想していた者がただ一柱……この世界に君臨する、かの存在だけは、深淵の奥から凡吉の様子を見て安堵の表情を浮かべていた。




