第91話 空の景色
「それではテスト飛行始めますネ!」
完成した熱気球の試運転をするべく、サクラたちは柴犬コボルトの里をすぐ出た場所にある原っぱに集まる。
「それじゃあ、行ってくるね」
「サクラさん、カレンさん。お気をつけて」
「ファイト、なのです」
熱気球に乗る搭乗者はサクラ、カレンの2人。
危険がないとも言えないので、まずはこの2人がテスト飛行をすることになった。
「それではいきまーす」
バーナーに設置された魔石に魔力を込めるカレン。
勢い良く火が灯る。
この魔石には火の魔法が込められているので、魔力を込めるだけで魔法を発動できる。
熱気球の球皮が徐々に膨らみ、形が見慣れたものへと変わっていく。
「そろそろかしら」
熱気球が地面から浮き始める。
「皆さん、行ってきまーす!」
熱気球はそのまま上空へと向かっていった。
順調に高度を上げていく熱気球。
「いい景色…」
「絶景ですネ!」
熱気球から見る空の景色は、遮るものが何もなく遠くまで青い空が広がっていた。
地上からは見ることのできない景色にしばし見とれる2人。
「ところでカレンちゃん、どこまで高度を上げる予定なのかしら?」
「わかりません!」
サクラはカレンにどのくらいまで高度を上げるのか聞くが、全くのノープランであることが判明する。
「ちなみになんだけど、地上への戻り方は大丈夫よね?」
不安になったサクラはカレンに確認する。
「火を弱めれば下に降りられるはずですヨ。調整の仕方はよくわかりませんが」
カレンから返ってきた回答はアバウトなものだった。
熱気球の操作についてはカレンに一任していたのでサクラにはさっぱりわからない。
墜落する可能性があることがわかり、サクラは覚悟を決めることにした。




