第87話 妖精に会える街
ボタンと一緒にモグラと会ってから数日。
サクラはビギンの街をウタマルと散策していた。
「ワフッ」
まずアンズの茶屋に行くと柴犬コボルトたちが出迎えてくれた。
今日はアンズが不在だったが、店は柴犬コボルトたちだけで回せるようになっているので問題ない。
テキパキと働く柴犬コボルトたちを眺めながらお茶を楽しむサクラ。
アンズの茶屋を後にして次に向かった先はカレンの呉服屋。
「ガル」
以前はカレンしかいなかった店にはなんと甲斐犬コボルトが店員として働いていた。
店にいた甲斐犬コボルトに話を聞くと、どうやらこれは忍者ムーブの一環らしい。
普段は呉服屋の店員だが、その正体は凄腕忍者という設定だと話してくれた。
そしてここ以外にもアンズの茶屋で働く甲斐犬コボルトもいる。
一般人に紛れて行動する忍者というのに憧れている甲斐犬コボルトはそこそこいるそうだ。
しかしこのビギンの街は平和なので、彼らが真の姿を見せる機会はないと思う。
最後にボタンの店へ顔を出す。
「モグ」
そこではボタンに弟子入りしたモグラが真剣な面持ちで作業をしていた。
様子を見に来ただけなので、声をかけずその場をあとにした。
一通りビギンの街を回り終えたサクラとウタマル。
以前に比べると街にいる妖精たちが増えたが、トラブルもなく上手くやれているようなので一安心だ。
「ウタマル、帰ろっか」
「キャン」
街の確認を終えたサクラとウタマルはホームへと戻る。
ちなみにサクラたちは感覚が麻痺してしまっているが、実は妖精には簡単に会えるものではない。
しかしこのビギンの街は初期地点でありながら、最前線エリアよりも気軽に妖精に会える場所となっていた。




