第88話 模擬戦
「始めましょうか」
「ワフ」「バウ」「ガル」
サクラとツバキたちは向かい合い、構えをとる。
ツバキたちの成長を確認するため、サクラは模擬戦をすることにした。
「ガル!」
クスノキが先陣を切り、忍者の姿に相応しい動きでサクラに迫る。
しかし、
「中々良い速さだけど動きが単調よ」
サクラに軽くいなされる。
クスノキは深追いせずにサクラから離れる。
そして入れ替わるようにケヤキがサクラの前に現れる。
「バウ」
「うん、基礎はしっかりできてるわね」
ケヤキの繰り出す拳をことごとく防ぐサクラ。
クスノキも攻撃に再び加わり、ケヤキと一緒にサクラを猛攻するが、サクラは涼しい顔で全て受け流す。
サクラたちが激しい打ち合いをしているその後方、ツバキの周囲には大きな魔力が集まっていた。
クスノキとケヤキはあくまで時間稼ぎに過ぎず、ツバキの魔法が彼らの本命だった。
「ワフッ!」
ツバキは集まった魔力を集約させ、1本の巨大な矢としてサクラへ放つ。
クスノキとケヤキはサクラから距離をとる。
「うん、いい連携ね。でも」
サクラは右手に気を集中させると、迫る巨大な矢を鷲掴みし、そのまま握り潰す。
そしてすかさずクスノキとケヤキに迫り、一撃を与え戦闘不能にさせる。
「ワフ」
渾身の攻撃を防がれたツバキは両手を上げ降参の意思を示す。
こうして模擬戦はサクラの圧勝で終わる。
「皆、凄いわ。良く頑張ったわね」
サクラはツバキたちを褒める。
ヤナギの言っていた通り、これならサクラがいなくても大抵のことは何とかなるだろう。
サクラに褒められ喜ぶツバキたちだが、慢心せずこれからも修行は怠らないと決意した。
模擬戦はサクラの圧勝に終わったが、サクラ自身は練気スキル習得以降、特に何もしていない。
しかし以前より身体の反応が良くなった。
このおかげで現実の動きが前より再現できるようになり、結果的には強くなっていたのだ。
何故、身体の反応が良くなったのかはわからない。
しかし、特に害はないようなので気にしないことにした。




