第78話 看板子猫
数日後。
子猫を預かり世話をすることになったアンズ。
アンズがいる間、子猫は常に一緒にいて茶屋での仕事の時も離れることはなかった。
その様子を見た人々から子猫は茶屋の看板猫として認知され評判となる。
元々アンズの茶屋は人気だったが、子猫のおかげで更に繁盛するようになった。
ちなみにアンズはケット・シーの里に入れるようになっており、アンズがログアウトする際は子猫をケット・シーの里に預けている。
「ニャ」
「…へぇ、あの猫ちゃんにそんな秘密があるのね」
サクラは三毛猫から子猫の秘密を聞かされる。
実はあの子猫はケット・シーの里にとって重要な役目を担う猫らしい。
しかし脱走癖があり、普段から姿を消すことが多かったので困っていたそうだ。
だがアンズのおかげでそれは解消され、大変助かったという。
いずれ子猫には大きな仕事が待っているが、今はこのままで問題ないらしい。
「ミャ」
「はい、どうぞ」
子猫におやつを渡すアンズ。
おやつを美味しそうに食べる子猫を優しい目で見つめるアンズ。
実はサクラとウタマルのような関係に密かに憧れていた。
アンズはリアルでは動物を飼ったことがなく、AQOで動物と触れ合う機会があればと思っていた。
そしてその機会はサクラのおかげで早々に実現した。
お手伝いの柴犬コボルトたちをはじめ、様々な動物(妖精)と交流するようになったアンズ。
そうしている内にウタマルのようなパートナーがいたらいいなと思い始めるようになった。
そして今、それは実現しつつある。
厳密には子猫とはパートナーの契約は結んでいないが、いずれはそうなりたいと思っている。
サクラとウタマルのような関係になれるように努力していきたい。




