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栄護士りぼん 異世界大豆生活  作者: 多胡真白
第13話 滋味深き街の食卓
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麦コーヒーも悪くない

(コーヒー…?)

ほのかに漂う香ばしい香りはコーヒーのそれに似ていますが、この香りは深みがありません。すっと鼻から抜けてしまいます。しかし、どこか懐かしい感じがします。覚えがあるはずだけど、何だったかなあ…。

「ん〜?コーヒーではなさげだけど…?」

一口飲んでみると、コーヒーに近い苦味があります。しかし、香りと同じくあっさりしていて、コーヒーのように粉が舌に残る感じがありません。よくも悪くも後味すっきりです。

「麦茶だよ」

「麦茶?」

言われてみれば、そうそう、香りも味も麦茶そのものです。コーヒーと迷ったのは、焙煎が強くて香りが炭っぽかったからです。いわゆる麦コーヒーというやつでしょうか?後味すっきりです。コーヒーと思って飲むとかなり違和感があるかもしれませんが…。

「ただの麦茶だ。たいしたもんじゃねえよ」

「でも、苦味がコーヒーに似てますね。もしかして、コーヒーの代用なんですか?」

「代用ってわけでもねえが、どうもコーヒーは体に合わねえんだ。胃もたれしたり、気持ち悪くなっちまってな。この焦げた麦茶を不味いと笑うやつは多いが、そう言う連中はコーヒーの飲み過ぎで舌がバカになってっからこの香ばしさがわからねえんだよ」

確かに、大麦から作る麦茶なら胃を刺激しません。ノンカフェインなのでカフェイン酔いもしません。ただし、普通の麦茶より苦味が強いので、人によっては気持ち悪くなってしまうかもしれません。また、大麦もアレルギー食品の一つですから、麦茶を飲むたびに何かしらのネガティブな症状が出るようなら気をつけたほうがいいでしょう。

ちなみに、食物アレルギーは食べ物に含まれるたんぱく質に体内の抗体が反応することで起こります。抗体は食べ物ごとに違い、卵アレルギーの人は卵に対する抗体を、牛乳アレルギーの人は牛乳に対する抗体を持ちます。ただし、大麦を使った食べ物のうち、麦茶に含まれるたんぱく質は微量です。

「ルカさんって、意外と繊細ですよね」

「だから言ったろ、中年男性は思春期の小娘よりも繊細だと。まあ、医者が言うには、麦茶は体を冷やすそうだから一応俺も気をつけ…」

「利尿作用のあるカリウムは麦茶100ccにつきわずか7mg足らずでカリウムの一日の摂取量の目安は成人女性2000mg成人男性2500mgなのでカリウム過多による体温低下の心配はなしナトリウムもカフェインもなし麦茶で体が冷えるのは単なる飲みすぎ冷たすぎ気にしすぎはい論破」

「お、おう…わかった」

「ところで、この麦はどこで売ってるんですか?」

「自家製だ。朝、炉に火を入れるついでに自分で焙煎してる」

「え?ルカさんオリジナル?」

「違う違う。どこの家でも飲みたきゃ自分で適当に焙煎してるんだ。わざわざ買うほどのもんでもないし、売るほどのもんでもない。庶民派のお茶さ」

「ふ〜ん。机仕事をするときは麦コーヒーにするのもありかな…。お金払いますから、いくらか分けてもらえませんか?」

「焙煎は難しくないぜ?好みもあるしよ、自分でやったほうが早いと思うぞ」

「めんどくさ。わたし、他にも仕事あるんでお金で解決したいです」

「働けよダメイド。仕方ねえな、そんじゃお前さんの料理のお裾分けでどうだ?華奢な嬢ちゃんを丈夫にできる食事ってのが気になってよ。中年男性は健康に敏感なお年頃だからな」

「えっ、『(若くて美しい)お前の手料理が食べたい』と仰ってる?一部上場IT企業のイケメン若社長でもなきゃセクハラで左遷ですよ左遷」

「なんだかわからねえが麦茶程度で金取れねえから物々交換だっつってんだよ鳩胸メイド」

「ぽぉっぽるぅ〜!って誰が鳩だコラ。で、わたしに聞きたいことって何ですか?」

ルカさんはコップを置いてため息を吐きました。

「ああ言えばこう言う…。嬢ちゃんがもう一人増えた気分だ…」

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