干し鱈のタルタルサンド(後編)
しばらくして、熱いコーヒーとサンドイッチが届きました。干し鱈はアジフライのような姿形まるごとを想像していましたが、というかコロッケです。フリッターです。
ああこれ、漫画で見ました。確か、ポルトガルの定番料理だとか。わたし、干し鱈って韓国料理のスープしか食べたことないので楽しみです。
では…パクっとな。
「美味い…」
美味しさもさることながら、全身泥まみれで足を棒にした先日の仕事を思い出して、しみじみと感動に浸ってしまいました。
「うま…うま…」
干すことで凝縮された旨味が噛むほどに染み出し、揚げた衣のサクサク感が白身魚の噛みごたえを引き立てます。ピクルス入りのタルタルソースの酸味が油っぽさを中和して、全然しつこく感じません。ただ、干物特有のにおいやくせが気になって敬遠する方も多いかと思われます。
栄養的にみても悪くありません。鱈は豊富なたんぱく質とビタミンB12(貧血の予防に効果あり)を、タルタルソースに使われる卵はたんぱく質とビタミンB2を摂れます。
ですが、外食は往々にして塩分が多いので注意です。バイト代が入ってさっそく高いおそば屋さんに行ったとき、一番高い天ぷらそばの塩分が11gもあるのに驚きました。いくらそば粉のたんぱく質と食物繊維とビタミンB1の含有量が多いと言っても、塩分が豊富過ぎて(健康的には)わりが合いません。
あとで聞いた材料の分量で点数を計算すると、干し鱈で第2群が1.5点、卵が2つで第1群が2点と考えられます。第1群も第2群も一日3点ずつ摂るのが推奨されます。
欲を言えば、アンジェリカも干し鱈じゃなくてもいいから魚を食べてくれれば、動物性たんぱく質が摂れるのになあ。わたしたちは朝食にチーズや牛乳や卵を摂り、夕食に大豆をスープで摂っているので、魚を献立に入れられれば栄養バランスが一歩先に進むのですが…。
「ふぅ…ごちそうさまでした」
美味なるタラちゃんサンドを食して満足したわたしは、さらに増した混み具合に気づいて、まだ熱いコーヒーをぐっと一気に飲み干して席を立ちました。タラちゃんサンドを頼もうとしたお客さんがソフィーさんに売り切れを告げられているのを見て、「ふっ」と鼻で笑って勝利の余韻に浸りました。これが…常連の力…!(違
お腹も膨れたし、軽く散歩してから戻ってきなこ料理の研究でもしよ。ふっふ〜ん、ふふ〜ん♪と適当な鼻歌混じりでそこらを歩いていると、道行く先に見知った小さな背中を見つけました。あれは…オリバーくんです。
ふとブラウンさんの話を思い出して好奇心が頭をもたげました。オリバーくんは体力が落ちてから友達と遊ばなくなってしまったようですけど、宿の手伝いがないときは外で何をしてるんでしょうか。
オリバーくんには悪いけど、跡を尾けることにしました。




