いまどきの大豆の粉たち
「はあ…」
石臼を囲む炒り大豆の粉の山を前にして、わたしはため息を重ねました。半分はスープに入れるつもりだった炒り大豆は、考えごとをしているうちに全部粉になってしまいました。つまりきなこです。
最近は大豆粉という、きなこと似たような粉製品が流行ってきています。両者の違いは加熱の有無で、きなこは炒った大豆を挽いたもの、大豆粉は生の大豆(または低温で炒った大豆)を挽いたものです。栄養面で見ればたいして差はありませんが、大豆粉は元が生の大豆だけに幅広く使えます(生だとお腹を壊すから加熱調理してね)。
大豆粉は挽かないの?とのご質問が遠くから聞こえます。ごもっともです。実は大豆を生の状態で粉々に砕くと、大豆に含まれる脂肪酸が酸化しやすくなって味が落ちてしまうようです(最近は製粉技術の向上により、美味しい大豆粉が販売されるようになりました)。初めて石臼に触った素人のわたしでは、美味しい大豆粉を挽くのは無理です。
さらに大豆粉は低糖質という特徴があります。スーパーに行ったら糖質オフのグラノーラをいろいろ見比べてみてください。糖質の多い材料が大豆粉に置き換えられていたりします。糖質が減ってたんぱく質が増えたニクい食品です。
「死んだふりって効果あるのかな…」
食欲に負けてしまった昨日の自分が恨めしい。ハンドベルで追い払えるとは言っても熊は熊です。お金で解決できる熊本のアイツと違って本物の熊です。万が一遭遇したら…ガクブルガクブル。
こうなったら、無事煮込みハンバーグと甘い卵焼きを食べられるよう女神テスラ様に祈るくらいしかできません。
さてと…。挽いてしまったからには、きなこを使い切らなければなりません。和の心であるきなこを使う料理はごまんとあり…そうですが、使い方はまぶすだけが9割だと思います。そしてきなこ料理のうちの9割はお菓子だと思います。お菓子じゃ日常的に食べるのは難しいでしょう(お菓子作りは難しいのです。わたしに期待するな)。
そこで、牛乳で作るお手軽きなこドリンクです。こんなこともあろうかと、今朝は牛乳を多めに買っておいたのです。
きなこ100gあたりのたんぱく質は約36g、きなこ7gに牛乳200mlを混ぜれば、なんと9.3gものたんぱく質が摂れます。いいですか、きなこをまぶしたお菓子を食べるときは、残ったきなこを牛乳に溶かして飲むまでがおやつです。ただ、きなこ牛乳は意外とカロリーがあるので気をつけて(200mlで約170kcal)。
さっそく牛乳に溶かして飲んでみました。
うん、美味しい。そして懐かしい味です。はちみつを入れるとなお美味しい。ああ、ここは異国なんだなあ…と、少し寂しく思いました。
こちらの牛乳はもちろん低脂肪でも無脂肪でもない成分無調整なので、より美味しい(ちなみに低脂肪・無脂肪の製品は脂肪をカットした分だけ相対的に栄養価が高くなり、脱脂粉乳ともなると2倍近くなります。こだわりがなければ低脂肪の製品を選ぶのもいいでしょう)。しかし、一に紅茶、二に紅茶のアンジェリカにきなこドリンクを飲んでもらうのは難しそうです。うーむ。
なら、 まずはオリバーくんに飲んでもらおう。わたしはオリバーくんを呼びに階段を降りました。




