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栄護士りぼん 異世界大豆生活  作者: 多胡真白
第12話 不思議の芋の錬金術士
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放課後ティータイム

アンジェリカはわたしたちを見つけると聞いてきました。あ、わたしと同じクッキーの袋を掲げてます。

「どなたかしら?」

「こないだの植物採集の依頼人の方」

「初めまして、錬金術士のクラリッサ・フォン・ベルツと申します。3ヶ月前にこちらに越してきました。リディス通りで錬金術のアトリエを経営しております。どうぞお見知り置きを」

「アンジェリカ・ペトラ・マクミランと申します。彼女はタカハシ・りぼん、わたし付きのメイドです」

「まあ、りぼんさんはアンジェリカさんのお付きだったんですか。どうりで振る舞いに気品があるはずです」

あからさまなお世辞でも実際に言われると嬉しいです。

アンジェリカはテーブルにあるティーカップをちらりと見ました。

「お茶のおかわりはいかがかしら?美味しいクッキーを買ってきたの」

「まあ、嬉しい。お言葉に甘えさせていただきます」」

「りぼん、お茶の用意をお願い」

「かしこまりました、お嬢様」

「…やっぱり砕けていいわ。気持ち悪い」

「お嬢様、本日の夕食は前菜ににんじんスティック、スープににんじんのポタージュ、メインににんじんのキッシュの健康優良メニューになっております」

「あなたクビ」

「お茶淹れてきます」


3人分のティーカップをてきぱきと用意しました。ティーカップを温めておき、お湯を満たしたポットに静かに茶葉を入れて蒸らします。だいぶこなれてきましたね、わたしも。

茶葉はアンジェリカの指示通りにアールグレイを選びました。アンジェリカは顔に似合わず、渋みのある銘柄が好きなようです(アールグレイは香りをつけたブレンド茶で、メーカーによって様々な味があるそうです)。

「粗茶でございます」

クラリッサさんはカップを軽く持ち上げ、上品な仕草で香りを吸い込みます。

「いい香り…。上質なアールグレイですね」

「ええ。違いのわかる方で嬉しいわ」

「ポンコツで悪かったな、でございます。こちら、お茶菓子にどうぞ」

さっき買ってきたばかりのクッキーを乗せた小皿を二人の前に置きました。

「あら?わたしの分は結構よ。みんなの分がなくなっちゃうわ」

「実は、偶然わたしも買ってきたの。また十分あるから大丈夫」

「なんか癪」

「お嬢様、お客様の前ではしたないですよ」

「あなたの顔には負けるわ」

「表に出やがれ、でございます」

クッキーを一口かじったクラリッサさんは、驚いた様子で言いました。

「美味しい!こんなに美味しいものを食べたのは久し…ぶり…で…」

と感激するや否や、クラリッサさんは突然力なく椅子から崩れ落ちました。

「ど、どうしました!?大丈夫ですか!?」

わたしとアンジェリカが慌てて駆け寄ると…ぐぐぅ〜、ぎゅう〜とお腹の虫の盛大な鳴き声が聞こえました。

「…お腹、空いてるんですか?」

「はい…。ここ三日、何も食べていなくて…」

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