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栄護士りぼん 異世界大豆生活  作者: 多胡真白
第12話 不思議の芋の錬金術士
82/340

まるでアニメみたいな

「はあ…」

これで何度ため息を吐いたかわかりません。

「あ、全部使っちゃった…」

石臼を反時計回りに回して、炒った大豆をゆっくり挽きながら考えごとをしていたら、石臼の重さも忘れて作業が終わっていました。挽いた粉を舐めてみますと、立派なきなこです。せっかく美味しいお菓子の材料が増えたのに、わたしときたらちっとも喜ぶ気分になれませんでした。

話は昨日に遡りますーー


「あなたがりぼんさんですね。初めまして、わたしは錬金術士のクラリッサ・フォン・ベルツと申します。先日、玉ぼこの調達を依頼した者です」

クラリッサさんは、ラベンダーの柄をあしらったオシャレなポンチョのようなアウターの(以下ポンチョでお願いします)下から綺麗な手を差し出しました。

クラリッサさんは、まるで母性の権化のような女性でした。背は高く、愛され垂れ目が上品で、亜麻色の長い髪を三つ編みでまとめて胸の前に下ろし、なおかつほどほどに大きな胸。仕事に疲れた男性なら、目が合って微笑まれるだけで恋に落ちそうです。

そして、左目がブラウン、右目がブルーのオッドアイ。マンガやアニメではむやみやたらと量産されがちですが、本物を見るのは初めてです。こんな素敵な女性が依頼人だとは思いもしませんでした。

「どうされました?」

「し、失礼しました。高橋りぼんです」

我に返って緊張しながらクラリッサさんと握手したとき、彼女の綺麗な手は意外にもごつごつしていて、いくつもの火傷や細かい傷痕をファンデーションテープ(どこで売ってるんだ?)で隠してあるのがわかりました。きつい仕事をがんばっている人の手です。

「メイド…兼、栄護士…えーと、まあ、ごはん作ってます」

「存じております。食材の持つ可能性を追求するお仕事だそうですね。分野こそ違えど、わたしの仕事もそれに近いので、親近感が湧きました」

ちょっと方向がずれてる…。間違ってはいないけど。まあいいか。

「あのう…失礼ですが、錬金術士とはどのようなお仕事なのでしょうか。すみません、こちらに来て日が浅いもので…」

錬金術士というと、なんか世捨て人のおじいさんか、山奥在住のおばあさんのイメージがあります。

「人によって専門は異なりますが、材料を混ぜ合わせて新しいモノを作る仕事です。わたしは主に薬の調合をしております。どちらかと言うとマイナーな職業ですので、あまり知られてないんですよ。ですからお気になさらず」

「なるほど、薬剤師みたいなお仕事ですか。人体錬成とかするのかと思いました。はは」

「さすがに人間そのものは作れませんが、かつて天才と言われた錬金術士がホムンクルスを錬成したという眉唾ものの伝説はあります」

「ホムンクルス?」

「人造人間です。伝説では、男の子と女の子の二人を創り出したとあります。二人に仕事をさせて自分は一日中寝ていたそうです。その実態はホムンクルスを研究していた錬金術士が小間使いを雇っただけと考えられています」

「夢があるんだかないんだか…」

「オリバー、クッキー買ってきたわよー」

ちょうどアンジェリカが呑気な声をあげて戻ってきました。

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