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栄護士りぼん 異世界大豆生活  作者: 多胡真白
第8話 チュートリアルをスキップしますか?
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ノービタミン、ノーライフ(前編)

「五大栄養素の最後は『ビタミン』です。こいつは『体を保つ』超大事な栄養素です。ビタミンが欠乏すると免疫力が落ちて様々な病気にかかりやすくなります。病気とまではいかなくてもあちこちにガタがきます」

「ビタミンって、確かBとかCとかだっけ?記号っぽくてどうもピンとこなかったのよね」

「ですよねー。栄養素として重要なビタミンは『A、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K』あたりですが、普段はそのうちの『A、B1、B2、C』を気にしておけばいいでしょう」

「ああ、目薬や果物に含まれてる成分よね」

「はい。これらの4つはなくてはならない栄養素であり、いえ、どれもなくてはならないんですけど、欠乏すると特に大きな病気につながってしまいます。ビタミンAの欠乏は夜盲症、ビタミンB1の欠乏は脚気、ビタミンB2の欠乏は白内障、ビタミンCの欠乏は壊血病の原因になります」

「脚気に壊血病だと…?ううむ、にわかには信じがたいが…。逆に言えば、食事で予防や治療ができるのかね?」

「治療方法は病気にもよりますが、適切な食事を摂っていれば予防できます」

「ふむ…」

「ちょっと脅し気味になってしまいましたが、病気になるのは極端に不足したときの話です。それぞれのビタミンには様々な役割があります。今触れた4つについて簡単に説明します」


「まずは『ビタミンA』です。ビタミンAには、目と肌の健康を保つ働きがあります。『目のビタミン』とも呼ばれるくらい、目に影響のある栄養素です。

ビタミンAは豚や鶏のレバーに多く含まれまして、にんじんでも間接的に摂れます」

「またレバー…にんじん…」

アンジェリカがまた嫌そうな顔をしました。

「にんじんの栄養と言えばカロテン…ええと、βカロテンだっけ?ビタミンAはあまり聞き覚えがないわ」

「はい、まさにβカロテンです。βカロテンは必要に応じてビタミンAに変化するんです。必要に応じて、というのがポイントで、にんじんを食べ過ぎたとしても、ビタミンAの摂り過ぎは避けられます」


ところで、普段から目薬に気を遣ってらっしゃるお方は、ビタミンAが配合された目薬の種類が少ないことに気づかれたかもしれません。わたしも「なんでビタミンAを入れないのかな?」と思っていました。

それには理由があって、実はビタミンAは脂溶性ビタミン、つまり油に溶けて水に溶けにくいビタミンなんです。だから、水から作る目薬にビタミンAを配合するのは簡単ではないようです。

ついでに触れますと、βカロテンも脂溶性なので、にんじんを油で炒めるとβカロテンが溶け出して、生で食べるよりも体内への吸収率が上がります。


「次に『ビタミンB1』です」

ビタミンB1は某タイムスリップ医療ドラマで効能を知った方も多いのではないでしょうか。おからでドーナツを作ったアレです。

「ビタミンB1は、炭水化物をエネルギーに変える栄養素です。先程、炭水化物について『体を動かす』エネルギーになる栄養素だと説明しました。そこにはビタミンB1の働きがあります。

ビタミンB1が不足すると、炭水化物はエネルギーに変えられずに脂肪となって体内に蓄えられます。つまり、デブまっしぐらです。

エネルギーが補充されないので、いつかエネルギーが枯渇します。必然的に頭も体も内臓も機能が低下して、脚気の原因につながります」

「ビタミンB1はどんな食事で摂れるのかね?」

「豚肉や全粒粉に豊富に含まれています。小麦粉のパンを全粒粉のパンに変えるだけでも全然違いますよ」

「今度は肉…」

肉がだめでにんじん嫌いのアンジェリカはまた渋い顔です。無理もありません。

「全粒粉か…。ううむ…」

「支部長、何か気になることでも?」

「いや…何でもない。次はビタミンB2だったね」


「『ビタミンB2』は、脂質をエネルギーに変える栄養素です。体の成長を助ける働きもあって、『発育ビタミン』とも呼ばれます。肌の質を保つ効果もあり、美肌に欠かせない栄養素です」

「なるほど、見逃せないわね。何を食べればいいのかしら?」

「レバーです。牛、豚、鶏、どれでもいいです。レバーでなくても肉類はビタミンB1とビタミンB2を含んでいます」

「レバー、レバー、レバー…」

アンジェリカがぶつぶつ繰り返しています。そろそろキレそうです…。

「あるいは牛乳やチーズです。牛乳はカルシウムも摂れるし一石二鳥です。ただ、ビタミンB2は光に弱いので、牛乳を長時間光に晒さないようにしたいところです」

「うーん…。私、牛乳を飲むとお腹を壊しちゃうのよ。レバーは供給的にも経済的にも頻繁に食べられないし…」

「牛乳は少しずつでいいから飲み続ければ耐性がつくと言われています。コーヒーや紅茶に牛乳を入れたり、温めて飲んだり、無理のない範囲で試してみてはどうでしょうか。牛乳がだめならチーズでもヨーグルトでも大丈夫です。でも、レバーも牛乳も食べ過ぎには気をつけてくださいね」


ちなみに、ビタミンB群は摂り過ぎても余剰分が体外に排出されます。栄養ドリンクを飲んだあとにおしっこが黄色くなるでしょ?あの黄色い成分が、吸収できなかったビタミンB2です。栄養ドリンクには一日の摂取量の数倍以上のビタミンB群が含まれています。栄養ドリンクを立て続けに飲んでも、ビタミンB群の大半は体を素通りしてしちゃうわけです。

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