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栄護士りぼん 異世界大豆生活  作者: 多胡真白
第6話 ロハスのすヽめ
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全粒粉 is 何

「もう一つは、健康を気にする客は意外といるんじゃねえかと見てる。仕事柄体調の変化に敏感な人もいるだろうし、体の弱い人や、食が細くてボリュームのある店に行きづらい人もいるだろう。さしあたってのターゲットは、小さな子供を持つ母親だな。子供の成長につながると聞いて惹かれる母親やばあさんは多いと思うぜ。実際俺も昔は病弱で、ばあちゃんにひたすらキャベツの酢漬けを食わされて育ったからな。そのおかげかはわからんが、とにかく今はこうして普通に働けるようになったんだ」

 キャベツの酢漬け…ザワークラウトかな?ビタミンCが豊富な発酵食品です。

「うちのフードメニューはあんたから見てどうだい?例えばこのたまごサンド。材料は全卵2個、ワインビネガー、小麦粉、マスタードに塩だ」

「そうですねえ…。全卵2個で第1群2点、小麦粉の食パン1枚が約200kcalとして第4群2.5点。栄養豊富な卵が2つ含まれているので十分だと思いますよ。卵はコレステロールが多いですけど、今は食事で摂取するコレステロールは影響が少ないとわかってますし…。ただ、健康を前面に出すとなると、卵を1つにしておくのもいいかもしれないです」

 あくまでここでの話です。現代なら1日1個にしておくのが無難でしょう。

「ほとんど何を言ってるのかわからねえが、卵を減らすのか。しかし物足りなくなっちまうな。具を減らして『体にいい』じゃ、元のたまごサンドは何だって話になっちまうし…。パンを増やすか?いや、具を減らしてパンを増やしちゃ、具のねえがっかりサンドだ。他の材料はどうだ?」

「他ですか?ワインビネガー、マスタードは少量だからあまり影響なさそう。となると小麦粉…あ、全粒粉かライ麦を使ったらどうですか?わたしたちの今日の夕食は全粒粉のパンにする予定なんですよ」

「全粒粉とライ麦だって?おいおい、言っちゃ悪いがライ麦パンは貧乏人向けの食べ物だ。今は全粒粉も仲間入りしつつある。うちは小麦粉にもこだわってんだぜ。わざわざうちに全粒粉やライ麦のパンを食いにくる客はいねえよ」

 黙ってカフェラテを啜っていたアンジェリカが口を開きました。

「ちょっといい?」

「どうしたお嬢様?」

「全粒粉ってなに?」

 アンジェリカの素朴な質問を聞いて、フランツさんは額に片手を当てて大袈裟に頭を反らしました。

「かーっ、これだから金持ちってやつは。全粒粉ってのはな、小麦を丸ごと挽いた粉だ。小麦から皮と胚芽と胚乳を除いて粉にしたのが小麦粉、要は小麦の美味い部分だけ残したのが小麦粉だ。今食べたたまごサンドのパンが小麦粉を使ってる」

「アンジェリカの携帯食のビスケット、あれたぶん全粒粉だよ」

「ああ、あれね。不味いけど安いから仕方なく使ってるわ。でも、普段の食事でどうしてわざわざ不味い粉を食べる必要があるのよ」

「小麦粉にするときに捨てちゃう部分に栄養が詰まってるの。だから全粒粉で作ったパンは、小麦の栄養を余すことなく摂れるのね。ちなみにライ麦も丸ごと挽いた粉は全粒粉。小麦粉の全粒粉、ライ麦の全粒粉ね」

「ほー、あれって栄養があったのか。それは俺も知らなかったな。でもよ、さっきも言ったが全粒粉やライ麦を食いに来る客なんていねえと思うんだよな…」

「あら、他の店と差別化したいんじゃないの?やってみればいいじゃない」

「そうは言ってもな…」

「あらあら、普段大きな口を叩いてるくせに何をビビってるのかしら。フランツ・ヘタレ・ウエンツさん?」

「ああん?お嬢様今なんつった?やってやるよオラオラ。ぜってえ完成させてやるからな!」

 フランツさん、ちょろいです…。


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