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栄護士りぼん 異世界大豆生活  作者: 多胡真白
第6話 ロハスのすヽめ
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マジカル☆五円玉

 アンジェリカが満面のドヤ顔で見せつけてきたアンジュルムは、いかにもそれらしい立派なハードカバーで装飾されていました。分厚い革カバーの角は金属のアクセサリーで保護され、本を閉じる金属ボタンつきのベルトまでついています。しかも外から見える紙の部分は適度に汚れがついていて、年季の入った一品にしか見えません。

 問題は…これまた魔方陣のような図が描かれた表紙です。なんとなく大きな円の内側に星などの幾何学模様や達筆の文字が組み合わされた図を想像しますが、わたしに見せられたのはどこかで見たような…というかよく知ってる模様でした。実った稲穂が両側から交差するように左右対称に2本、

「ダイズの穂よ。紋章っぽいでしょ」

 円の下部、稲穂の根元に複数の水平線、

「ダイズが根を張る土よ。自然を司る魔術っぽいでしょ」

 円の中央に穴が空いていて、穴の周辺に凹凸模様。

「時計に使われる歯車よ。秘密の技術っぽいでしょ」

「う、うん…」

 これは…五円玉やね…。

「もちろん裏にも描かせたわよ。ほら!」

 嫌な予感がします。花がいくつも重なり、花びらは馬の蹄のような切り込みが先端に入っています。

「サクラよ。二ホンの代表的な花なんでしょう?アオイから聞いたわ」

「う、うん…」

 これは…百円玉やね…。この子、形から入るタイプだ…。

 なんとも気の抜けるデザインです。

「それにしても、本当に軽くなったわね。魔術書って引きこもりでガリ勉のひ弱な魔術士が腕をぷるぷるさせながら持つイメージがあるけど、これなら気軽に持ち運べるんじゃない?」

 そう言うと、アンジェリカは本を華奢な手で軽々と上下に振りました。

 軽い?何を言ってんの?

 しかし貸してもらったとき、これまでの感覚で持とうとしたらふわっと高く持ち上がってしまいました。驚いたことに、辞書並みの重さがあった本がスマホよりも軽くなっています。出かける前まで重かったのに…。

 いつ軽くなったのか聞くと、できあがったカバーをつけたら軽くなったそうです。カバーの力なのか、また成長したのかわかりませんが、素直に感謝しておきましょう。

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