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栄護士りぼん 異世界大豆生活  作者: 多胡真白
第6話 ロハスのすヽめ
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ダイズ・イン・ザ・スープ

 わたしとアンジェリカとオリバーくんの三人で、収穫した大豆のさやを一つ一つ開いて実を取り出します。ベージュ色のつやつやの実が、桶を少しずつ埋めていきました。桶の大きさからして、収穫できた分量はだいたい約1kgほどでしょうか。数人分にしてはかなり多い分量に見えますが、たぶん加工を考慮しての量でしょう。豆腐1丁を作るのに大豆が1カップ、だいたい140gだとすると、1kgでできる豆腐は7丁です。4人で1/2丁を朝夕食べられる計算です。それもきちんと作れたらの数字ですから、試行錯誤を含めるともっと減るはずです。

 わたしがもたもた、アンジェリカが悠々とさやを開く中、オリバーくんは次々と空になったさやを積み重ねました。

「器用だね。こういう細かい作業好きなの?」

 オリバーくんはこくんとうなずきます。

「…どうやって食べるの?」

「わたしの国だといろんな形に加工して食べるのが普通かな。一番メジャーな食べ方は、発酵させて作る調味料のしょうゆとみそだね。でも手間も時間がかかるし、発酵させるための麹菌が手に入らないかも」

 調味料にすると、アンジェリカに優先して摂取させたいたんぱく質がぐっと減ってしまいますし、口に合うかどうかわかりません。

「他は潰して絞った液体…豆乳って言うんだけど、豆乳は飲んでもいいし、固めてもいいし、温めるとできる膜も美味しいよ。煎って直接食べてもいいし、すり潰して粉にするとお菓子にもなるんだ。できれば丸ごとたくさん食べられる料理がいいんだけど、何があるかな…」

「スープに入れたら?スープに向かない豆はないでしょ」

「そっか、それだ」

 なるほど、その発想はありませんでした。料理があまり得意でないわたしは、大豆と言うとどうしても和食のイメージに縛られていました。和食では大豆が欠かせないわりに、大豆を丸ごと使うメニューは意外と思いつきません。わたしがぱっと思いつくのは煮豆と節分の煎り豆くらいです。具だくさんのスープは「食べる」料理になるので、単品でも立派な食事になります。

「レンズ豆も入れて豆のスープにすればいいんだ。今日の夕食はレンズ豆の大豆のスープにしようか。オリバーくんとお父さんも一緒に食べよ?」

 さっそく、軽く大豆を洗ってから水に浸しました。乾燥した豆はいきなり煮ると煮えむらができるので、煮る前に水を十分に吸わせておく必要があります。ただし、小豆などいきなり煮たほうがいい場合もあります。これは皮と実で吸水率に差があるためで、小豆を水に浸けておくと実が先に水を吸って膨らんで皮を破ってしまい、実の成分が外に流れ出してしまいます。おはぎ食べたい。

 ブラウンさんに夕食のお誘いを伝えてもらうようオリバーくんにお願いして、わたしとアンジェリカは夕食までに市場で用事を済ませることにしました。

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