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栄護士りぼん 異世界大豆生活  作者: 多胡真白
第5話 大豆スタンドアップ
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きのこたけのこだいずのこ

「わっ!驚いた…」

 ドアを開けたら、オリバーくんが目の前に立っていました。ずっとここで待っていたんでしょうか。

「ちょ、ちょ!」

 オリバーくんはわたしの手をつかんで走り出しました。犬に引きずられる飼い主みたいに転びそうになりながら畑に行くと、信じられない光景が目に入りました。

「たけのこかよ…」

 昨日植えたばかりの大豆が、たけのこばりに成長していたのです。枝豆でおなじみのさやが多数ついた茎が腰ほどの高さに伸び、さやも茎も乾燥しています。さやをつまんで軽く振ってみると、かさかさと中の実が動く音がします。一つ開いてみたところ、黄色い実が3つ入っていました。おお、大豆です…。

「これがダイズ?ずいぶんと成長が早いのね」

 わたしの食品成分表…いえ、魔術書アンジュルムを脇に抱えたアンジェリカがうしろに立っていました。またまた本が淡く光っています。

「この実を食べるのかしら?硬いわね」

 実をつまんでまじまじと観察するアンジェリカはまったく驚いていませんでした。

「れ、冷静だね…。わたしゃ驚きで腰が抜けそうですよ」

「魔法の本がここにあるんですもの。ダイズの種に何があってもおかしくないわ」

 はい、と差し出されたアンジュルムの淡く光る新しいページには、この大豆の性質について書かれていました。


 一つ、この大豆はわずか1日で収穫できる。

 二つ、土壌に根粒菌がなくても育つ。

 三つ、収穫量は高橋りぼんの交友関係の広さに比例する。

 四つ、それ以外は普通の大豆と同じ性質を持つ。


 つまり、どこの畑でも育ち、たった1日で食べられる魔法の大豆です。普通、大豆の発育には根粒菌という細菌が土壌に存在することが条件で、元の世界だとヨーロッパの土壌に根粒菌はありません。昔のヨーロッパっぽいこの世界にも期待できませんでしたが、最大の懸念がこれで解決しました。女神様の思し召しでしょう。

 ただし、残念ながら大量生産はできません。何度か試してみましたが、自分たちが毎日食べる分以上の収穫量を大きく超えると、他の種は発芽せずに腐ってしまきました、女神様からズルさせねーよとのお達しです。

 ともあれ、念願の植物性たんぱく質ゲットです。このあと三人でめちゃくちゃ収穫しました。アンジェリカが素直に手伝ってくれて意外に思ったのですが、自分が食べるんだから当然よ、と黙々と手を動かす姿を見てちょっと見直しました。オリバーくんも本当に楽しそうで、この先の暮らしに少し自信が持てそうです。

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