041 最悪の前兆
碩大区は眠らない街と呼ばれている。その理由は、第六世代東京都の中心地であるからだ。総理官邸や、日本国の王が衣食住している『大和城』。その他にも様々な施設がひしめき合っているのだ。
そんな中、碩大区警察署は日本で一番忙しい職場であると言えよう。酔っ払いや事件現場の対応、。最近は、恢飢現象にまで駆り出されているのだ。今の警察にとって非番は合って無いような物である。
「めんどくさいな」
「そう言うなって」
二人の警察署員が恢飢現象の現場に向かわされていた。そこは、森の中であるため、二人は車から降りて、森の中に入って行った。
「だって非番だぜ」
「俺も同じだよ」
「深夜の森の中って恐怖しか無いよな」
「まぁ、そうだな」
二人は世間話をしながら森の中を散策していた。
「さっさと退治して飯でも食べに行こうぜ」
「課長に報告書を出してからな」
「へーへー。分かりましたよ」
木々のざわめく音が、二人をより不気味に感じさせていた。
「ヤバイ、恢飢のうなり声に聞こえてきた」
「集中しろよ。近くにいるかも」
「マジかよ」
すると、二人に巨大な影が被った。
「何だこれ!」
驚きの声を上げる。目の前には大木の大きはあろう恢飢が、二人を見下ろしていたのだ。
「無線だ。応援を寄越せと言え」
「あわわわ……」
しかし、緊張のあまり手を滑らせて無線を落としてしまったのだ。
「なにやってるの!」
「す、すまん」
慌てて拾おうとしたものの、時既に遅し。
恢飢の右腕が二人に向かって、降り下ろされたのだ。
恢飢にとって、それは大工が釘を打つようにハンマーを叩く感覚である。
手慣れた作業ではなく、当たり前の作業。
それぐらい出来ないと恥だと言うように、恢飢は二人の人間を潰したのだ。
「グオオオオオオオ!」
勝利の雄叫びを上げる恢飢。
彼女の回りには、それを称えるようにして、子供達が集まって来た。
まもなく、警察の人間が死体で発見されたというニュースは全国で流れた。




